またたき街雑記

仕事と日々のあれこれを綴った雑記

東京レトロ、その4

2008年04月29日 | Weblog
電車に乗り隣の駅までよく出掛けます。


駅近くにはアーケードのある古い商店街が
沢山立ち並んでいて、
数年前ですが「メトロポリス」の仕事をして
いた頃によくここを利用していたものです。

中でも、大好きな蕎麦をこの商店街で毎日の
ように食べていた事を思い出します。

その店は゛巴蕎麦さん゛といいますが、
結構お気に入りで、
何ヶ月か? いえ、何年?もごひいきに
させて頂いてました。

そのような訳で…、
当然店の人ともすっかり顔なじみです。
…常連客ということですね。


いつもは親方が蕎麦を打ちますが、
或る時から従業員らしき人が(親方の
お弟子さんだったようで…)
よく試作品のお蕎麦を僕に食べさせて
くれるようになりました。

自分が食後に゛満腹じゃない感゛を醸し出して
しまっていたのか…?
はたまた、若干ヒモジイ表情でも残しながら
お会計をしていたのか…?
(いつもざる一枚しか食べなかったので、
満腹で店を出る事はなかったのです…
バレタかと、、、)

今となっては分かりませんが…。

「良かったらもう一枚如何ですか」と、
言われたのが始まりで…

次に「料金はいいですよ!」
ときました!?


本人曰く、「まだ修行中で八割蕎麦に初挑戦して
みましたから、是非食べてみて!」
と、いう事でした。

「実験台…?試食係?ですか?」なんて聞けませんから
お礼を言って食べてみました。

いつものよりはやや細麺でしたが、
蕎麦の香りがより一層ひき立っていてとても
美味しかったのです。
ややコシが弱目だったけど…

そんな感想を伝えるとお弟子さんはとても喜んで
いました。

それ以来、そこで食べるお蕎麦は親方と
お弟子さんのとで、ほぼ毎回二枚食べられる事に
なったのです!

勿論、会計は一枚分でした。


なんという幸運…!?
…ですが、


…いつしか時は流れ…、


今ではその巴蕎麦さんも時代の流れなのか…
親方が大病を患ったのか…?

いい年齢になり引退をされたのか…?
お弟子さんが独立されたのか…?

原因はハッキリしませんが、廃業されていました。
…とても残念です。
その場所にはクリーニング店が開業しています。



お二人とも元気でいてくれたら…と、
それだけを願います。