日々是ぽちぽち

迷うことばかりの日々、自分探しの日々…。
綴りながら、次のステップにつなげていきたいと願って…。

新国立劇場バレエ団「ラ・バヤデール」

2015-02-21 | 舞台
『ラ・バヤデール』
[日時] 2015年2月17日(火)9:00
[会場] 新国立劇場オペラパレス
[音楽] レオン・ミンクス
[編曲] ジョン・ランチベリー
[振付] マリウス・プティパ
[演出・改訂振付] 牧 阿佐美
[指揮] アレクセイ・バクラン 
[管弦楽] 東京交響楽団 

【キャスト】
ニキヤ :小野絢子
ソロル :ワディム・ムンタギロフ
ガムザッティ:米沢 唯
黄金の神像 :八幡顕光
大僧正 :マレイン・トレウバエフ
王候  :貝川鐵夫
マグダヴィア:福田圭吾
つぼの踊り :寺田亜沙子


【7年前に観た2008年のキャスト】
ニキヤ :スヴェトラーナ・ザハロワ
ソロル :デニス・マトヴィエンコ
ガムザッティ:西川貴子
黄金の神像:八幡顕光
大僧正 :ゲンナーディ・イリイン
王候  :逸見智彦
マグダヴェヤ:吉本泰久
つぼの踊り :湯川麻美子


新国立劇場バレエ団のラ・バヤデールを7年ぶりに観た。
あれから7年も経つのかと思うと、色々な意味で感慨深い。
舞台装置・衣装等は前回観たときと同じ。とても洗練されていて美しくゴージャス、新国立の演目では最も好きです。
今回、ニキヤの小野絢子さん、2008年にはピンク・チュチュを踊っていらして、キラキラ感がひときわ目をひいたのを覚えています。
あれから、すっかり小野さんファンの私。
とはいえ、最初の舞台の印象というのは、ずいぶんと残るものだと改めて感じたりもした。
何しろ、あのときのザハロワの神々しいほどの美しさ、悲哀、全身全霊迫真の演技。技術はもちろんのこと、表現力も素晴らしかったので、心の中にしみじみ入ってきて、バレエっていいなあ…と陶酔したものでした。
というわけで、今回は小野さんの前にザハロワがちらついてしまいました。
ソロルのムンタギロフさんは初めて観たのですが、ブラボーでした。長身・イケメン・小顔・スタイル抜群、特に脚の線がきれいで、テクニックも演技も最高でした。観客の気持ちをしっかりつかんだ感がありました。
ガムザッティの米沢さん、米沢さんも大好きなダンサーなのですが、期待以上にガムザッティがはまっていて、気位が高いお姫様そのものでした。婚約式でのヴァリエーションの素敵でした。
7年前、一番のお気に入りだった川村真樹さん、もう一度観たいなあ。つぼの踊りを踊られた、湯川さんが4月「こうもり」で引退する。子役で踊られた鈴木優さん、舞さんは、研修所を出られて…。
思い出が交錯しながら、影の王国も堪能し、あっという間の2時間45分でした。
湯川さんの「こうもり」はやっぱり観に行かなくちゃ!!

おやすみワンセカンズ「10分前集合」

2015-02-21 | 舞台
『10分前集合』
 [日時] 2015年2月8日(日)13:00
 [会場] 中野あくとれ


現役女子大生のダンス集団「おやすみワンセカンズ」の旗揚げ公演に行った。
レトロな赤煉瓦の小さな入口から階下に行ったところにある小劇場。20分前に行ってみると、すでに多くの人が客席を埋めていて、熱気むんむん。
10分前には、映画館さながらの段ボールをかぶった撮影禁止のパフォーマンス(?)
そして、待ち合わせにうきうきドキドキの赤いスカートの女の子の登場で舞台が始まる。
あるある、こんな感じとすっかり舞台の世界へ。
日常生活にありそうな場面を切り取って、ダンスと演技でかわいらしく、かっこよく、スマートに、素敵に、おかしく…表現。
電車の中で、待ち合わせに遅れそう。イライラ。いらいら。うんうん。わかるわかる。
個人的には、渋谷の忠犬ハチ公とモヤイ像のシーンが好き。
アイドルハチ公と忘れられた存在のモヤイの対比が可笑しくて、楽しかった。
そういえば、渋谷に行ってもモヤイ像を久しく見ていない!!今度見てこなくちゃ。
あっという間の1時間。
よくあれだけテンポよくまとめたものかと感心して、満席の劇場を後にした。
これからも頑張ってくださいね。


 

新国立劇場 オペラ「こうもり」感想

2015-02-04 | 舞台
『こうもり』
[日時] 2015年2月1日(日)14:00
[会場] 新国立劇場オペラパレス
[原作] アンリ・メイヤック/ルドヴィック・アレヴィ  
[台本] カール・ハフナー/リヒャルト・ジュネ―
[作曲] ヨハン・シュトラウスⅡ世
[指揮] アルフレート・エシュヴェ 
[演出] ハインツ・ツェドニク 
[美術・衣装] オラフ・ツォンベック
[振付] マリア・ルイーズ・ヤスカ
[照明] 立田雄士

【キャスト】
アイゼンシュタイン: アドリアン・エレート
ロザリンデ: アレクサンドラ・ラインプレヒト
フランク: ホルスト・ラムネク
オルロフスキー公爵 :マヌエラ・レオンハルツベルガー
アルフレード: 村上公太
ファルケ博士: クレメンス・ザンダー
アデーレ: ジェニファー・オローリン
ブリント博士: 大久保光哉
フロッシュ: ボリス・エダー
イーダ: 鷲尾麻衣

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団
【バレエ】東京シティ・バレエ団

【あらすじ】パンフレットより
ウィーン郊外。アイゼンシュタインは顧問弁護士の不手際で禁固刑を受け大憤慨。しかし、親友ファルケに誘われ、妻ロザリンデには刑務所に出頭すると偽り、変装してオルロフスキー侯爵邸の夜会へ。そこで、仮面の美女を妻と気づかず口説く。翌朝、刑務所に出頭したアイゼンシュタインは掛けつけた妻の浮気を疑うが、逆にすっかりやり込められる。この茶番劇の仕掛人ファルケが現われ、「全てはシャンパンのいたずら」と大団円を迎える。


新国立劇場でオペラを観るのは初めて。
最初に観るのは「こうもり」と決めていた。
「こうもり」のストーリーは楽しく痛快。
音楽も場面場面で聞かせるものばかり。
期待通りの楽しい舞台に、3時間という時間があっという間に感じられた。

アイゼンシュタインのアドリアン・エレートさん。
端正で知的で甘いマスク、ほっそりとしたいでたちが私のイメージするアイゼンシュタインにぴったり。
歌、演技とも最高!!でした。
とことん舞台を楽しんでいるのが気持ちよく、アドリブの日本語やフランス語(?)で、思いっきり笑いをとっていました。
ロザリンデのアレクサンドラ・ラインプレヒトさん。
艶やかな歌声とお色気のある演技、素敵でした。
アデーレのジェニファー・オローリンさん。
高音の素晴らしい魅力的な歌声と、コメディタッチの演技。
女優志望だからなのね、という存在感。カーテンコールでの拍手もすごかったです。
実は、ひそかに楽しみにしていたのが、劇中のバレエ団の踊り。
新国立劇場バレエ団ではなく、東京シティ・バレエ団だったんですね。
チャルダッシュ。4名の長身の男性ダンサーさんの踊りがスパイスを利かせていました。

オペラのことはよくわからないのですが、
舞台と客席の一体感がこんなに感じられ、
楽しくて幸福な時間を過ごせて行ってよかったなあ…と思いました。

4/21(火)からのバレエのこうもりも観たいし、10/30(金)ホフマン物語も興味深いですね。
オペラでは、3/9からのマノン・レスコー、5/10からの椿姫…。
夢は広がります。

舞台「プルートゥ PLUTO」 感想

2015-02-03 | 舞台
渋谷でも雪の降った日に、プルートゥを観に行った。
立見席まで満席。期待が高まる。
舞台と客席の境界には、ロボットの一部とみられる瓦礫が積まれている。
原作について何の知識もないまま来てしまったことに若干の後悔…。


『プルートゥ PLUTO』
[日時] 2015年1月30日(金)19:00
[会場] Bunkamuraシアターコクーン
[原作] 浦沢直樹×手塚治虫  
[プロデュース] 長崎尚志
[演出・振付]  シディ・ラルビ・シェルカウイ
[上演台本]   谷賢一 
[映像・装置]  上田大樹 
[照明]     ウィリー・セッサ
[出演] 
 アトム    :森山未來
 ウラン/ヘレナ:永作博美
 天馬博士   :柄本明 
 お茶の水博士 :吉見一豊
 アブラ-   :松重豊 
 ゲジヒト   :寺脇康文
[ダンサー] 
 上月一臣 大植真太郎 原田みのる 池島優 
 大宮大奨 渋谷亘宏  鈴木竜   AYUMI

[STORY] ~パンフレットより~
人間とロボットが共存する時代。世界最強といわれるロボットが次々と破壊される事件が起こる。高性能ロボット ゲジヒトは犯人の標的が、自身を含めた7体の大量破壊兵器となり得るロボット達だと確信。日本に渡り、限りなく人間に近い存在であるロボット・アトムとともに謎を追うことに。内戦で家族を失った世界最高峰の頭脳を持つ科学者アブラ-、人間を殺害した唯一のロボット・ブラウ1589との接触により核心に迫っていく。ゲジヒトは日々、忌まわしい悪夢に苛まれ、妻ヘレナも彼の不調を感じ不安を隠せない。アトムもまた、お茶の水博士に愛情豊かに育てられながらも、自身の生みの親である天馬博士との複雑な関係がその心に影を落としている。葛藤を抱えながらも事件の解決に向けて尽力するアトムとゲジヒトであった。
時を同じくしてアトムの妹で悲しみを察知する能力を持つウランが廃墟の壁に花畑の絵を描く不思議な男と出会う。そこにアトムが駆け付けると、男に異変が起こり…



作品のテーマは「ロボットと人間は同じなのか。」
演出のシディ・ラルビ・シェルカウイ氏の答えは「YES」。
「ロボットは人類を救うために学び、人類以上に倫理的な存在であろうとし、人間が忘れてしまいがちな、相手の身になって考えることの尊さを教えてくれる。」とパンフレットにある。

感情をもたないはずのロボットも高性能になるにつれて、優しさ、悲しみ、憎しみといった感情をもつようになる。
アトムのカタツムリに対する優しさ、
ウランの悲しみをもった人への感情、
ゲジヒトを失ったヘレナの泣き真似から悲しみを表現するところ 等々…。
ロボットであるのに、人と同じような感情が芽生えているところにキュンとしました。
一方、戦争によって生まれた憎しみ、その憎しみによって生まれた殺人ロボットプルートゥ。
また、凶弾に倒れたゲジヒトのメモリにより蘇り、憎しみをも理解するアトム。
高性能になるということは感情をもつこと。
憎しみを知ったロボットが、憎しみの連鎖を断ち切ることができるのか。
「憎しみからは何も生まれない。」
ロボットが表現するからなおのこと、胸に響きました。

舞台には、大きさや形の違った7つの四角形の白いパネルが。
テーブルや椅子、壁、階段、小型スクリーンになったり、全部をつなぎ合わせて大型スクリーンになったりと、漫画である原作を表現するために役割を果たしていた。
また、巨大なバルーンの演出にも驚いた。
映像をこれほど駆使して、舞台と映像が一体化してしまうものを初めてみたので衝撃を受けた。
同行した者が言うには、プロジェクションマッピングといって、最近よく使われる手法とか…。

文楽の人形遣いのような白子のダンサーさん達の動きも、アトムたちがロボットであることを強く印象付ける演出で動き自体が繊細でとても興味深かったです。

森山未來さん、本当に素晴らしかったです。
演技ももちろん、ダンス、身体表現…。
舞台にかける真摯な気持ちがそのまま伝わってきました。

永作博美さん、ウランはキュートで女の子そのもの、
ヘレンは素敵で知的な奥さん、でもどちらもしっかりロボット。
魅力的でした。

柄本明さん、吉見一豊さん、松重豊さん、寺脇康文さん
それぞれに個性的で、舞台を満喫させていただきました。

舞台の内容もわからずに観に行った舞台でしたが、ダンス・演劇・映像が一体になったとても素晴らしい舞台だったと思います。