トラネコジャーナル

毎日楽しく、前向きに。
ねこ兄弟とアートを中心に
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トラネコの日記

フェルディナント・ホドラー展

2014-10-11 | アート
台風一過、澄み渡る青空の下、
夕方からの打ち合わせの前に、国立西洋美術館へ。
月曜日で動物園も美術館も博物館も休館日とも重なって、
人はまばらで澄んだ青空がより高く見える。

 

今日はフェルディナント・ホドラー展へ。
内覧会だったので、ゆっくり見られるだけでもうれしくて、わくわく。
フェルディナント・ホドラー・・・実を言うと、
小さいときに家にあった、「世界の美術館」みたいな百科事典で
であったことがあるような気がしていたのですが、
そんなあいまいな記憶のまま到着。

19世紀末にスイスにいたのだから、
象徴主義とか、ウィーン分離派の影響を受けただろうなぁ。
ちょっと死を予感していたり、装飾的で平面的なかんじだったり。
確かにそんな感じもあるのだけど、それよりはるかに
心臓の鼓動や筋肉のしなやかさをかんじるものだった。

とくにパラレリズムという反復する身体の動きの連続性のある絵は
まさに現代舞踊のワンシーン!


身体の筋肉や骨格は美しく、伸びやかで、心臓の鼓動のように連続している。
その一つ一つは違っているけど、連続してひとつの生になっている。
細胞が集まって、形態になってそれぞれの命となっていくように。
ジャック・ダルクローズの舞踏での表現と重なって。


身体表現が感情を持つ。それはまさに行動心理学的。
時代を先駆けています。
だからでしょうか、みずみずしくのびやかで美しい。
オイリュトミー。生から死への整然としたリズム。
ユーリズミックスとはよいリズム、美しい調和。
心理的アート療法にもなっていることばたち。


ニンゲンが身体的なリズムで生を奏でるように、
自然も刻々と変化を見せて、圧倒的かつ終わらないリズムを奏でる。
身体とアルプスの山々が結びついた瞬間は
結構感動的だった。


山に畏敬の念を感じるように、
ニンゲンの生にもある畏敬の念。
そして山とニンゲンの調和と生の繰り返し。
どちらも一瞬たりとも同じ時間も空間もなく、
奇跡の調和が今なのだよね。

ひょっとして今の時代に、
一番大切なもののひとつなんじゃないのかな。
などとおもったり。
そんなわけで、結構深くずっしり記憶に残る展示。
ちなみに、音声ガイドは石丸謙二郎さんのナレーションで、
ドラマチックに盛り上がっていて、
「ひとりで盛り上がってるなー」と
ひとり突っ込みを入れていたのだけど(笑)


帰り道の上野公園。
もう、銀杏が落ちていた。
はやいよー!

上野の秋は急ぎ足でやってきそうです。


フェルディナント・ホドラー展
2014年10月7日(火)~2015年1月12日(祝)
国立西洋美術館


絵画はすべてパンフレットから抜粋。
ジャック・ダルクローズの舞踏は図録から抜粋。

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2 Comments

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実を言うと・・・ (ココの母)
2014-10-12 14:07:53
ホドラーという人、初めて聞きました。

女性たちが次々と歩いていく姿は、
まるでアニメーションを見てるような
錯覚を起こします。

私の勝手な妄想ですが、
周りが葡萄畑のように見えて、
その収穫を祝福する女神たちのようですね。

そうですね、人間を含めた自然界は
一刻たりとも静止したりしないのですよね。
それを表現しようとしたホドラーさんは凄いです。

トラネコさん、ありがとうございました。
返信する
日曜美術館 (トラネコ)
2014-10-14 00:03:48
今度、日曜美術館でやるみたいです。
内容は知らないですけど、
きっといろいろな発見があると思います。
(私のブログより絶対正確な情報だと思うし。。。)
ホドラーさん、ホント見に行ってよかったです。
葡萄の収穫を祝福する女神。
ほんとそんなかんじですね。
なんか崇高なんです。
機会があればぜひ見てくださいねー。
返信する

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