トラネコジャーナル

毎日楽しく、前向きに。
ねこ兄弟とアートを中心に
日々の新しい発見をつづる
トラネコの日記

こども展 これは贅沢な展示だ!

2014-05-27 | アート

5月20日。
お仕事の打ち合わせをすませて、近くのカフェで当日締め切りの原稿を入れて、
あせって乗り込んだ大江戸線。めざすは六本木ヒルズ。

今日は、無休の美術館、森アーツギャラリーで開催されている「こども展」のブロガー内覧会。
火曜日が閉館1700ということで、閉館後の時間をを利用して行われる。

正直、こどもというので、さらさらっと描かれた秀作ばかりの展示なのかなーと
思っていたのだけど、これはすごい誤解で、むしろ同じ目線で
色々な時代のいろいろな珠玉の画家の、いろいろな愛を感じられる
とても面白いものだった。

とはいえ、ちょっと遅刻。あせあせ。。。。。
ブロガー内覧会の受付で、こんなかわいいバインダーをもらい、
注意事項の説明を受ける。写真を撮っちゃいけない場所とか、いろいろ。
ちゃんと守らないとね。
GUESTのシールを体に張って、いざ入場。



中に入ると、結構人がいっぱい。
でもブロガーさん達は熱心でなれていらっしゃるせいか、
鑑賞しやすいので、問題なし。

 
会場は時代順に並んでいる感じ。
この展示自体は2009年~2010年、パリ、オランジュリー美術館で
大人気を博したものを再構成したそうだ。
そしてこどもの絵ということからも、個人所蔵がおおく、
集めるのに大変な努力や注意が必要だったとか。

これはスーベニール売り場。


そうこうしているうちに、
森アーツセンターギャラリー・エキジビションディレクターの中山三善氏の
ギャラリートークが始まりました。学芸員や美術に秀でた主催者のお話を
聞けるのはとっても貴重。絵がにわかに生き生きとし始めます。


構造主義の哲学者レヴィストロースの子供のころの絵だそうだ。
こんな方。

似てます。というか本人だからね。聡明さは変わらなかったんですねー。

このあたりは、正統的美少女、美男子にちょっとうっとり。
それまでは子供が成人になる確率は50%。
半分は死んでしまうという時代。
さらにその前の時代は、こどもは働き手であったりした。
どうやら18世紀あたりでやっと、子供を子供らしく愛で育てるという風になってきたらしい。
もちろん貴族やお金持ちの話なのだろうけど。

義務教育はなんと19世紀終わり。
これはフランスの官庁に掲げてあり、教育の象徴として飾られている。


ルノワールの絵のモデルはそののち映画監督になるジャン・ルノワールやクロード。
あれ、男の子なのに、髪の毛が長くて女の子風。
ヨーロッパでは(日本も、らしい)女の子のほうが強かったので、
男の子は子供のころ女の子として育てて、強く育ちますようにと願ったそうだ。

ちなみに本人、これがいやいやで、モデルが終わるなり、服を脱ぎ捨てていたとか。そりゃそうよね!

ベルト・モリゾ。マネの弟と結婚したモリゾは印象派の女流画家。
その子供を描いたのが、ルノアール作によるこのねこを抱いている少女のジュリー・マネ。
若くして亡くなったモリゾーたちにかわって、
ジュリーの後見人となったのが、このルノアールだったという、
運命を感じさせる一枚。
人生って、こうやって助け合って、仲間と生きていくものなんだな。
人間は真似をして、教えて、教えあって猿人と袂を分かったというけど、
そうなんだろうな、と思ったり。



後半はピカソが段ボールでこどものために作ったおもちゃや
セザンヌ巨匠の子供の絵(やはり固いタッチだけど)
子煩悩の画家と言えばドニの、はつらつとした子供たちの絵が印象的。

でもやはりルソーさん。異彩放っていましたよ!


でも、小さい子供たちを描いた絵は子供とともに時代背景が見えて、
そしていつくしむ心がいろいろ変わっていきながらも
子供は親を愛し、親は子に愛を注ぐ、これは永遠の法則!
もっといえば、親子をも超えた人がもつ「こどもへの愛」は
大切なファクターだと思ったなー。

すてきな展示だったわ。
まだ1か月あるので、ぜひ!


森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)
開館時間 10時~20時(火曜日は~17時) 無休
http://www.ntv.co.jp/kodomo/







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2 Comments

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筆に込める愛情 (ココの母)
2014-06-02 15:31:09
トラネコさん、いい内覧会情報、ありがとうございます。

画家が子供を描くときは、
その子を想う気持ちが(他のモチーフより)
さらに深いものじゃないかなー、と思います。
その愛情が筆の先から迸る・・・なんて。

ルソーの絵は、インパクトありそうですねえ。
ルソーは他の絵も、観る人を立ち止まらせますね。
だいぶ前ですが、アフリカの動物植物を描いた作品の前で
私ははたと止まって見入ってしまいました。

男の子が女の子のかっこうをさせられる、って
うちでも聞いたことありました。
どこの国でも、子供の無事成長を願うのが
親心として共通してますね。
返信する
Unknown (トラネコ)
2014-06-04 23:29:08
ルソーの植物って、専門家が見ると、
どれひとつ実在のものがないそうですよー。
彼はパリの植物園でせっせとスケッチしたそうですが。
どこまでも自分解釈で妄想全力パワーの人なんですねー。
じゃないとあの妙に素朴で異常な存在感(笑)は
描けないですよね。

それにしてもピカソが段ボールにさらさらとお人形描いて
くりぬいて、子供たちは遊んでいたとか、
なかなかこどもは世間の価値を知らないからこそ
画家にとってはかけがえのないタカラだったのだと思うと
世間の価値とはなんだ?と思っちゃいますよね。
私のその一部ですけど(笑)

これって、どんなネコでもうちのネコが一番理論と
いっしょですからしらん(笑)
返信する

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