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「基本的人権」 と 「自衛権」 ②

2021年11月19日 | 法律
 共産主義国では、例えば「中国共産党」が書いた「中華人民共和国憲法」が国の存在を保障しています。一方、民主主義国では「憲法」が国家の存在を保障するのではなく、「国家」が憲法を保障していると考えるのが常識的な人の考え方だと思いますが、「日本国憲法」とその信者は、そう思っていないようです。

 日本国憲法第11条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

と、書いてあるように「基本的人権の享有(生まれながらに持っている権利)」と書きながら、「基本的人権は、この憲法によって保障され国民に与えられる」事になっています。主権が国民に有る民主主義国家では、本来は「国民が憲法を保障し為政者を統治する」のですが、日本国憲法は「憲法が国民を保障」しています。

 個人の「基本的人権」は与えられるモノではなく、元来保有しているから「基本的」と言うのであって、憲法が保障するかしないか、与えるか与えないかを決めることは出来ないはずですが、「憲法が与える」と明記されています。

 そこを曲げて考えると、「基本的人権は生来持っているが、この憲法が無ければ保障はされない。」と理解できます。事実としては、中国の上部組織に「中共」が有るように、この憲法は、日本の上にGHQが有った時代に書かれた占領統治法なので、確かに文章としては矛盾は有りません。

 真っ直ぐ考えると、現在の世界標準の解釈では「基本的人権」は人の自然権であり、「自衛権」は国家の自然権なので憲法に書くまでも無いのですが、わざわざ「人権の享有を保障し与えられる」と矛盾する事を明記していることから、憲法に書かれていない「国家の自衛権」などは憲法で保障される筈もありません。

 一部の人は
「国権の発動たる戦争とは、侵略戦争を意味する」と言います。

 日本国憲法第9条
第1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 第一項の「国権の発動たる戦争」の意味は、国の権利としての戦争ですが、現在では「侵略戦争」は国際法で禁止されていて「国権」に含まれません。一方「防衛戦争」や「報復戦争」は国際法上も認められているので、正当な「国権の発動たる戦争」と言えます。しかし、憲法は「国際紛争を解決する手段としては放棄」しているので、「解決しない手段」としてなら戦争も可能になります。

 第二項の「前項の目的を達するため」の「目的」が、国際紛争を解決する事なので、それ以外の為なら軍隊を持っても良いと解釈する人もいますが、その場合は「達する為には」のように「には」を付加して目的を限定する必要があります。「達するため」と書かれている事から、以降は「絶対条件」になります。

① 大学に受かるため、遊ばない。
② 大学に受かる為には、遊ばない。

 ①は目的を達成する絶対条件を意味し、②は他の目的が有れば遊ぶ事も可能になります。

 時代遅れの(GHQ欽定)昭和憲法を擁護する人でも、「個人の基本的人権」と「国権としての自衛権」を、憲法に矛盾なく明記する事を主張すべきです。この件で「憲法改正に反対」する人は、「基本的人権は自然権ではない」「侵略戦争は国権の発動たる戦争である」と主張する事になります。

 国連の常任理事国は国際法に違反しても「拒否権」を行使する事で違法性を問われる事は有りません。しかも日本が「侵略戦争は国権の発動たる戦争」と定義すると、中国の国権で日本を侵略する正当性を、日本自ら認めることになります。




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