「縄文人」 と 「弥生人」 ②

  人種の由来や移動経路を調査するのに、「Ｙ染色体・ハプログループ（ＨＧ－Ｙ：男系）」や「ミトコンドリア・ハプログループ（ＨＧ－mt：女系）」などを利用する方法があります。

　ＨＧ－Ｙ【Ｄ２】は「縄文人遺伝子」と呼ばれていますが、東日本・北日本・南樺太、モンゴル・満州の一部に多く、その起源は現在のロシアにあるバイカル湖とされています。バイカル湖はモンゴルの北部にあり、二万年前の「モンゴロイド」の発祥地とされています。

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注）

　【D2】は最近では【D1a2a(D-M55)】とされていて、【D1a2a】は日本で誕生してから3万年ほど経過していると考えられているそうです。更に現在では、1.6万年前に【D1a2a3】に分岐したと考えられています。
　ここでのＨＧ－Ｙ【Ｄ２】は、ＨＧ－Ｙ【D1a2a3】とします。将来、更に書き換えられるのが「科学の本質」なので、悪しからず御了承ください。
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　縄文時代は一万六千年前から始まったとされているので、「現在確認されている他民族」の圧迫から逃れてきた可能性は低く、自然に（現在の）日本海周辺で生活を営んでいたと考える方が「科学的」です。

　同じ頃に長江文明も勃興し紀元前千年頃まで続いたとされています。「大陸側にいる縄文人」に対する「長江人」による侵略が始まり「縄文土器」のような装飾を止めて、移動しやすい簡素で軽く丈夫な「土器」が生まれたと思われます。同じ民族が造った土器を、後に発見した人が「弥生土器」と命名する事で、いつの間にか「縄文人」が「弥生人」に変えられました。

　ＨＧ－Ｙ【Ｏ３e】は西日本と南日本に多く、中国のチベット周辺にもいるようです。これを「弥生人遺伝子」と呼んでいるようですが、これは「長江人」の侵略によって日本本土に逃れ損なった「縄文人」の男性が絶滅し、「縄文女性」と「長江男性」の混交が進んだ結果と思われます。

　当然ながら、「縄文・長江混血児」も平和で安定した日本本土に逃れて来て、色々な文化を持ち込み、発展と共に混乱も起こしました。元々日本本土で静かに暮らしていた「縄文人」は南北に分断され、この時から「弥生時代」が始まったとされています。

　つまり現在の日本には、北部には寒さに強い「縄文遺伝子」を持った男女が多く、寒さに弱い「弥生遺伝子」を持った「縄文人」は北上できずに、西日本に多く住んでいると云う事です。また、沖縄にも「縄文遺伝子」をもった人たちが今でも住んでいるようです。

　ＨＧ－mt【Ｂ】は女系の遺伝子で、これも「モンゴロイド」とされていて、男女共に「縄文人」である事が推測できます。「縄文人」は他民族を侵略して日本に辿り着いたのではなく、自然に日本海周辺で「縄文文化」を築いたと言えます。それは、他の民族の痕跡が無いからです。

　アイヌ民族は、特に男性は「シベリア東南部系民族」の顔立ちをしています。しかもその歴史は今から800年程前までしか遡れません。北海道の島々を含む多くの場所で「縄文遺跡」が見つかっていますが、一万年以上前から住んでいた寒さに強く気の優しい「縄文人」は何処に行ったのか判りません。「縄文人」は比較的小柄だったと言われています。

　「コロポックル物語」が実話であった様な気もします。