テレビとうさん

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「天国」 と 「浄土」

2019年09月10日 | 思想・思考

 「浄土」は「清浄国土」の略で、この世に蔓延る穢れや悪道などが無く、清浄化された仏国土です。しかし、そこに何があるかは常人には判りませんし、誰も教えてはくれません。つまり、「浄土」に行くまでは何も分からないので、一般人にはそこへ行くインセンティブは働きません。

 そこで、「極楽浄土」なる場所が考えられ、総てが金銀宝石で出来ていて、「人」を含めて総てが美しく仕上がっているそうです。不思議なことに、食事は「食べたいと思う」だけで、実際には食べなくても「満腹になる」そうです。しかし、騙されてはいけません。金銀が美しいと思う事や、食べたいと思う事は欲望なので、そう思う人は「極楽浄土」には逝けません。

 それでも、一度は「浄土」を覗いてみたいとか、帰れるのなら行ってみたいと思うのが、人間のサガです。しかし、「・・・してみたい。」は欲望なので、その人は逝ったら最後、そこに辿り着くことは出来ないと思います。但し、まだ救われる道も残されているのがブッダの情けです。「浄土」は「仏国土」の一部であり、その「仏国土」には「現世」や「来世」も含まれていて、例え「来世」でウジ虫に成っても、それなりの善行を積めばチャンスはあります。ウジ虫の善行は欲望では無いので、間違いなく浄土に逝けます。

 つまり、人間が「浄土」に行く目的で死んでも「浄土」には逝けないと云う事です。「我欲」を捨てなければ「浄土」に逝けないのですが、突然死や自然死の場合には何の邪念も起きないので、多くの人は簡単に「浄土」に逝けます。

「色即是空 空即是色」

 イスラム教の「天国」では、信教を貫いた者だけが死後に永生を得る事が出来、酒を呑んでも泥酔する事は無く、食事をしても不快な臭いが付随する排泄行為は不要になり、女性は純粋で月経や産後の出血や排泄などのあらゆる不純から解放され、男性は永遠に純潔な乙女を報奨として娶ることが出来るとされています。

「天即我欲充満」

 イスラム世界の天使は、神から「アダム(土人:土で作られた人)にひれ伏しなさい。」と言われ、これに反発した天使に対して神は「悪魔」と命名し、天使はいなくなりました。数年前にキューピーマヨネーズのシンボルマークの背中の羽も問題視され、イスラム圏のキューピーには羽が有りません。勿論、イスラム教の信者は羽が無くても天国に行けるので、問題は有りません。

 キリスト教の「天国」は神の住処で、地上との連絡は天使が担っています。その天使が何かの影響で転向したのが悪魔です。恐らく、無知で強欲な人間と接した事で、悪の楽しさに染まったものと思われます。

 一神教の信者は、この世で一生を終え、「天国」か「地獄」に行ったら二度とこの世には戻れませんが、欲が有っても、神を信じさえすれば確実に「天国」に逝けるのが利点です。信心を証明する為に「殉教」に奔る人もいます。



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