オメガねこ

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「貨幣」 と 「通貨」 ②

2020年06月17日 | 通貨(貨幣・紙幣・証券)
貨:価値のあるもの。商品、財産、実体のある金銭。
:神に供える絹の原義が転じて、貢ぎ物・財貨。

貨幣:日本の法律では「硬貨」。政府が発行する「通貨」で、その物自体に価値がある
紙幣:日銀発行券。その物自体には価値は無いが、額面価値を政府が保障。

通貨:価値を交換するシステムで、貸借の記録。要求払い借用書(預り証券)。
国債:日銀紙幣に対する預り証券(証券を発行しない場合は仮想通貨)。

原始貨幣:物々交換の仲介機能。 【モノAの価値=貨幣の価値=モノBの価値】
現代貨幣:政府発行通貨(硬貨)。【モノAの相場=貨幣の額面=モノBの相場】

日銀通貨:紙幣本体(通貨)と、日銀当座預金に印字された数字(仮想通貨)。
預金通貨:市中銀行が発行する預金通帳(仮想通貨)。
現物通貨:質草。七銀行(質屋)での、「モノ」と「日銀通貨と預り証(通貨)」の交換機能。

真正手形:実体のある商取引で振り出される商業手形(通貨)。
融通手形:金融を目的に振り出される(自振り)手形(借用書)。

 「貨幣」とは政府が発行する「硬貨」の事で、「誰の負債にもならない”通貨”」と言えます。何故なら、日本政府は日本国民によって作られた組織なので、自分が自分に負債を押し付けても意味は無いからです。但し「紙幣(日本銀行券)」は「日銀が発行する通貨」なので、これは「日銀の負債」になります。「日本銀行」は資本金が1億円で日本政府がその55%を保有する、財務省の認可法人です。

 厳密に言うと、「貸借対照表で反対側に負債項目が無い特殊な通貨」を「貨幣」と言い、「発行体の負債になる、一般的な通貨」を「通貨」と言います。つまり、「質草」も「通貨」と言えます。質入れした人から見れば「質草」は、ただ預けているだけなので自分の資産なのですが、質屋から見ると「質草」は負債になります。質入れした人が期日を過ぎても「預かり証」を質屋に提出しなければ「質草」を放棄したと見做され、「質草」の「通貨機能」は失われ、単なる「商品」に戻ります。

つまり、「通貨」とはその実態は何でも良く、その機能が流通に資することで「通貨発行」と云う事になります。「通貨」は、その発行体に戻る事によって役割を終えます。換言すると、需給が完結すると「通貨」は消失すると言えます。

 需給関係を過不足なく完結するには、供給制限や過剰流動性を制御する必要があります。過剰流動性は金融政策によって制御可能ですが、供給制限は自然災害による事が多いのですが、政府による平時の基盤整備によって緩和する事は可能です。

 通常は、平時には「供給余力」があり、民間で需要しきれない時には政府による財政出動が必要になり、経済統計上では2%ほど高めの供給価格を設定し、需給バランスを取ることで「供給余力」を2%程残し、2%程度の経済成長を目標にする事が安定的と言われます。

 「MMT」ではその事を「供給余力がある限り、統合政府による通貨の発行量には制限はない。」と言います。実際に「国民一人当たり10万円の給付金」は総額12兆円の通貨発行になりますが、その支給速度が遅いせいもあって「供給余力」を食い潰すほどでは無い事から、今の所、物価上昇は起きていません。
 
 「MMT」は当たり前の事を言ってるだけであり、「トンデモ理論」だとか「理論式が書かれていない」とか言う人が多くいます。今までの経済理論には「多くの論理式」が書かれていますが、現在の経済運営が思うように行かないのは「その式が間違っているから」とも言え、現行の経済理論の方が「トンデモ理論」と言えます。




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