オメガねこ

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「八紘一宇」 と 「中華思想」

2020年06月16日 | 国際情勢
 「八紘一宇」は、日本書紀に書かれた「兼六合以開都、掩八紘而為宇」が元になったとされています。土地の東西南北4方向と上下2方向を合わせて「六合(くに)」と言い、其処から拡がる総ての土地を「八紘」と言います。

 漢文の読み下しでは「六合〈くにのうち〉を兼ねてもって都を開き,八紘〈あめのした〉をおおいて宇〈いえ〉となす。」と読むそうですが、私の意訳は「都を開くことを以て国となし、日本を統一した事を意味する。」です。つまり、現在の国際法上の慣例として「国家には首都が存在する」事と同じ事を言っているだけで、世界侵略とは何の関係もありません。式で表すと、

「兼A、B」=「AはBを兼ねる」

です。

 これは、日本が首都を持つ世界(アジア)標準の国家である事を対外的に示し、「他国からの侵略を許さない」と宣言した事を意味します。日本書紀は西暦720年に完成し、その頃の支那大陸は唐の時代で朝鮮半島の一部(殆ど)を支配していたことから、唐に対し日本が古代から独立国であったことを(それとなく)示す必要があったからです。現在でも、尖閣諸島が古くから日本の領土であったことを(それとなく)示しているのと同じです。

 「掩八紘而為宇」を短くし読みやすくする為に「八紘一宇」と変え、拡大解釈をして「世界は一つの家」としました。これを平和的に良く解釈すれば「世界、皆兄弟」となりますが、悪意を以て解釈すると「日本は世界侵略の妄想国家」となります。

 「世界侵略の妄想」と言えば「中華思想」を思い浮かべる人がいるかも知れませんが、「中華思想」の本来の意味は「誇り高き中華民族」と、これに従い朝貢をする「小中華」とを、中華圏に含まれない文化果つる地の「夷狄」から自国を守る国家体制を意味し、侵略主義とは違います。とは言っても、支那大陸そのものが「夷狄によって繰り返し侵略された大地」なのですが。

 何を勘違いしたのか、これを「中華民族の偉大な復興」と銘打って世界侵略(地球を中国と米国とで二分する)を夢見るオジサンが現れました。この現象は、スペイン・ポルトガルの「トルデシージャス条約」や、一時のアメリカの「マニフェストデスティニー」と同じで、流行病の様なもので、何百年に一度くらいの割合で重病患者が現れます。




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