テレビとうさん

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「グローバル主義」 と 「共産主義」 Ⅱ

2020年07月12日 | 主義・体制
 【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】

「共産主義者」は言葉の意味を恣意的に変更し、時代と共に変遷を繰り返す為、ここでは、

プロレタリアート:労働者階級(無産階級)
ブルジョワジー :資本家階級(中産階級)
ブルジョワ   :個人としての国民(個人経営者も含む)
ピープル    :集合としての人民(国籍は問わない)

として、書きます。

 勿論、現実社会はこのような単純な構造では無いのですが、元々「共産主義思想」は机上の空論にすぎないので、定義を単純化しても問題は有りません。単純化した「分類・比較・考察」を繰り返し揚棄する事で「科学的満足」を得、自分が満足した段階で「正解」を得たつもりになります。「科学」それ自体が、自然現象の極めて部分的な合理性から成立する学問なので、「共産主義思想」を組み立てるには相性が良いのかも知れません。

 プロレタリアートとは「資本主義社会」における賃金労働者のことであり、当然個人資産を持っていますが、「共産主義」ではブルジョワジーに隷属しているとされ、無産階級とも言われます。つまり「共産主義」では、「一般市民」でも労働者を雇用すると資本家となり、ブルジョアジーと呼ばれて革命時に粛清(運が良くても粛正)されます。但し、共産党員になる事で「資本家」とは言われなくなり「国家資本を管理する同士」と呼ばれることで贅沢三昧が可能になります。

 近代国家での国民の構成を見ると「一般市民」が圧倒的に多い為、「共産主義革命」の第一段階で「市民階級(ブルジョア)」を分断し「ブルジョア革命」を成功させた後に、多くの一般市民を虐殺してその財産を奪い取り「プロレタリア革命」を完成させます。

 「資本主義社会」では、これらを階級とは考えずに単なる労使関係と見做します。労使間の往来は自由で、社長も株主との雇用契約で存在し、当然ながら従業員も株主に成れます。この「自由」から弾き出された一部の人が「科学的共産主義思想」を持ち出し、社会を分断して混乱を生み、社会構造が弱体化した隙に入り込んで、社会システムを乗っ取ろうとしているのが自由主義社会に棲む「暴力革命集団」です。

 「共産主義思想」は矛盾の産物であり虐殺の歴史しか残っていません。「科学的共産主義革命」が間違いであることは歴史的・科学的帰結です。「共産主義革命」が成功しても、その体制維持の為の原資は「革命以前に蓄えられた資本」なので、原資を使い果たすと次の「揚棄」が必然となり、「科学的」に定義を変え、人民の虐殺か領土の拡張が行われます。

 「共産主義者」は自由主義社会でしか(自由に)存在することは出来ません。過去の例から見ても、共産主義社会では「共産党」は自己崩壊をする為、自身を守るためには独裁体制が必然となります。それは「プロレタリア独裁」の名が示す通り、独裁者である「労働者階級」は国民を「労働資財」として使役する事が出来ない為、「共産党員以外の人間」を人民として「奴隷労働」させる以外に体制を維持出来ないからです。これが「科学的共産主義思想」の正体です。

 しかし、現在「共産主義を標榜」している多くの国家は「ブルジョア独裁共産主義」と言えます。権力を家族や仲間内で「個人的に委譲」する事で体制の安定化を謀ります。ブルジョアには個人経営者も含まれるので矛盾はないのですが、更に進歩した「ブルジョア独裁主義者」が考え付いたのが「共産党独裁グローバル資本主義」です。自国では共産主義体制を維持し、国外では資本主義を利用します。

 しかしこれは、元々世界の共産党も支配していた金融資本グローバル主義体制の乗っ取りを意味し、覇権争いで混乱が生じます。過去の「大侵略時代(通称:大航海時代)」に構築した覇権を中共が奪い取ろうとしています。白人の恐ろしさを忘れたのか知らないのかは判りませんが、失敗すると思います。

 「グローバル主義」の目的は、巨大資本による世界覇権で、そこには「ブルジョア」と「ピープル」がいます。「共産主義」の目的は共産党による世界覇権で、そこには「共産党」と「人民」がいます。何れも、支配階級と奴隷階級で成立します。

 これとは別に「国家主義」があり、その目的は国民による国家統治で、そこには「君主」と「国民」がいます。




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