先夜、54歳の若さで亡くなられた斉藤先生のお通夜が降りしきる雨の中、大阪市内の斎場で営まれました。
斉藤先生と私の出会いは6年前、ウチの館長が「斉藤先生の息子さん2人あずかる事になったから。」と話があり、「へ?どこの斉藤さんですか?」 館長「オリンピックの国士舘、斉藤先生や」
2人が入会し、正座の仕方、礼法の仕方、受身などを指導したのは先日のようである。
間もなく斉藤先生自身がお越しになり、挨拶をさせて頂いた。 斉藤先生からは「いつも息子たちがお世話になっております。」と、それは世界のトップ指導者としてではなく、父親の顔で私に声をかけてくれた。
それからと言うもののご多忙にも関わらず、時間がある時には振武館へ足を運んで頂き、全日本の柔道着に袖を通し、息子のみならず、入部したての子に至るまで熱心に指導を続けて頂いた。試合の引率もして頂いた。行事ごとにも時間が許される限り、参加して頂いた。この一介の指導者である私に柔道の指導を伝えて頂いた、常に末端の人間にまで気を配られる本当に人として素晴らしい方でした。
【稽古は嘘をつかない!】いつも仰っていた言葉だ。 一切妥協なしの指導を目の当たりにしていた私は毎回、「これが世界のトップに立った方の指導法だな!!とんでもないものを今、見てるなぁ。盗める物はないか!」と本当に勉強になった。 その妥協なしの指導のお陰で数年後、ウチのチームは全国大会の畳に上がれた、次男、立も日本一のタイトルをとった。
今、私がしなければいけない事、それは1つ、斉藤先生の教えをしっかり活かし子供たちに伝え続ける事、しか思いつかない。正直まだまだ先生に教えて頂きたい事は山ほどあった。
昨夜、一郎、立のお母さんは「54年と言う短い時間でありました。しかしその人生は全力をだし切った全うしたものであった。」と言うような内容の挨拶をされていた。 何故かそれを聞き、何かを理解した気がした。 一郎と立に何て声をかけよう?? まだ中学生・高校生で親父を亡くした気持ちに対しての言葉がみつからない。一晩中考えたが答えのでぬまま焼香をさせて頂き、二人の前にたったとき、ありがちな言葉しかでなかった。けどあいつらは目で答えてくれた。あいつらならきっと時間はかかるが立ち直り、お父さんの意思を継承し2人で協力しお母さんを支えれれる。
最後に先生のお顔を拝ませて頂いた。感謝の気持ちがこみ上げた。
間もなく密葬が行われる時間ですね、本当に本当に有難うごまいました。
謹んでご冥福をお祈り申しあげます。