処置法研究室

SLRブログ

胸腔と腹腔

2005-01-19 02:32:41 | Weblog
 胸腔を腹腔を隔てる隔壁が横隔膜であり、「赤腺」です。
胸腔には空気を含んだ肺(左右の黒い部分)と心臓(青腺で囲まれた心嚢内にある)があります。
腹腔内の緑矢印は「腸内のガス」であり、この写真では横行結腸から下行結腸にガスの貯留
を認めます。
遺体ではこのガスの発生が更に進み、空腸や回腸、上行・横行・下行・S状結腸内にも
多量のガスが発生します。

 そのため、腹腔内圧が更に上昇し横隔膜の拳上を誘発し、口や鼻からの「漏液を起こします」。
「漏液」の原因はこれだけではありませんが、多くの場合の原因はここにあり「胸腔内圧と腹腔内圧のコントロール」をすれば多くの場合は防げます。
高齢の女性では「腹筋が極めて弱く、皮下脂肪織も薄い」ため、腹腔内圧が上昇すると「下腹部
暴慢」を起こし、横隔膜の拳上は少ないため「高齢女性遺体の漏液は少ない」となります。
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