処置法研究室

SLRブログ

口や鼻からの漏液

2005-01-16 03:13:46 | Weblog
 遺体屋や葬儀社を困らせる物に「遺体の口や鼻からの漏液」があります。
これを理解するためには「胸腔と腹腔の構造」について理解する必要があります。
この写真は「胸部単純撮影の写真」ですが、この写真からも幾つかの事項が読めます。
写真的にはCTR(心胸比)が大きいですが、遺体的には問題とはなりません。
また、この写真を見るとこの遺体を腐敗させない限りは「遺体からの漏液は起こらない」
と断言出来ます。

 左右の肺野もきれいで胸水貯留もなし、胸部打音は「清」であり問題のない遺体ですが、
肺に炎症や水を含んだり胸水貯留の見られる遺体では胸部打音は「濁」となり漏液が出ます。
レントゲンは「気体は黒く写る」ため、「肺野が白っぽい」場合は漏液の危険性は高まり
ますが、遺体の胸部写真は中々撮れないため「胸部打診」で判断します。
バイオプシー(生検)針を刺しても判りますが、スイカと同様に叩けば「音で判ります」。
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自治体災害対策マニュアル

2005-01-16 02:50:59 | Weblog
 私は東京都庁に勤務していた関係から、「東京都災害対策マニュアル」を担当部署から
貰っており、そのシステムや予算、委託先も知っています。
これらのマニュアルは自治省の指導もありましたが、全国ほぼ「東京都のコピー」です。
そのため、全国に自治体は「東京都とほぼ同じ内容になっています」。
東京都では大規模災害時の「遺体処置委託費用を7,000万円程度」を計上しています。
自治体によって異なりますが、100万人規模の政令指定都市では数百万円は予算枠があります。

 スマトラ沖津波は各自治体の災害対策担当者に対する影響が非常に強くありました。
従来からの棺の確保(葬儀業界に備蓄させる)に加え、納体袋の確保が始まりました。
遺体搬送車両も関係業界を通じ確保をしており、「箱・袋・車」の確保は出来ました。
残りは「薬」ですが、行政の条件に適合する薬が中々出来ません。
手元にある新しい薬が有力候補ですが、実験を重ねてデータを取っている最中です。
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