漫画家アシスタント物語 第3章

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漫画家アシスタント 第3章 その23

2006年06月05日 18時35分54秒 | 漫画家志望
( この絵は、1978年昭和53年、私が22歳の時に同人誌用に描いた漫画の一ページです。 )


【 はじめての方は、 「漫画家アシスタント 第1章 その1」 へ、どうぞ。】




              その23 ・・・・・・・・・ 2005年12月31日 04時25分 (公開)


若い漫画家志望者がいつも、漫画の事ばかり考えているわけではありま
せん。 20代の若さなら「 飲む、打つ、買う 」に、はまり込む事がよくあるも
のです。

私が23歳でJプロに入った頃(1978年昭和53年)の頭の中は漫画半分、性
欲半分といったところでしょうか・・・ 

男の場合は本能的な欲望もありますが、自分が一人前の男であると言う
事を証明したいという焦りや、女性との関係において性的関係を結ぶ事が、
より強い恋愛関係を作れるという幻想を信じて日々悶々とするわけです。

酒が好きな男はスナックに通ってウェイトレスさんを口説き、口が達者な男
は街で出会う女性に片っ端から声をかける・・・。 酒も金も喋りもダメな男は
エロ本( アダルトビデオが当時まだありませんでした! )を買って家に帰る
・・・。

20代の前半。私はせっせと同人誌活動に励みましたが、漫画が好きだか
らという理由が半分・・・ 後の半分は女性と知り合える事が出来るという
理由のためでした。

Jプロに入った当初はJ先生から、

 「 同人誌なんか辞めちまえ! 」

などと、アマチュアの世界をクソの価値も無いものとバカにされました
が、もし私がJ先生に、

 「 実は、女を引っ掛けられるんですぜ・・・先生・・・! 」

と言ったら・・・ きっと、J先生は・・・・

 「 ワシも入れんかい!このバカモン! 」

と、言ったかも知れません・・・・・。


漫画研究会に入る。いい娘がいなければ、すぐ他の漫研を捜す。それで
もダメなら、自分で漫研を作る・・・。 当時、自覚はありませんでしたが、
今から思えば純粋に漫画の事を考えていた・・・( 自分にはそう言い聞か
せていましたが・・・ )と、いうのではなく気持ちの半分はいい娘を捜して
いたのです。

そんな時に一人の女性に出逢いました。 彼女も私も21歳の春・・・・・。 

その人は真ん中で分けた長い黒髪を、そのまま顔の半分ほどを隠す様
にして、胸下まで伸ばしていました。 その左右の黒髪からのぞく大きな
瞳は特に魅力的でした。 描く漫画は平凡でしたが、ルックスは非凡な
美しさがありました。

美人でしたが、ものすがく優しかったのです。 私なんぞは「 一目会った
その日から! 」もう夢中でした・・・。

しかし・・・ 4年後・・・ 彼女はあっけなく死んでしまいます・・・。 25歳で
した。 埼玉県の小さな病院で消化器系の病気によって亡くなりました・・
・・・・・・。


            「漫画家アシスタント 第3章 その24」 へつづく・・・



 

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