漫画家アシスタント物語 第2章

ブログ「漫画家アシスタント物語」の第2章をまとめました

漫画家アシスタント第2章 その21

2005年09月02日 05時04分30秒 | アシスタント
  ( この写真は、東京西武池袋線、富士見台駅から5分ほど離れた商店街です。この道を曲がった
  奥にM先生の家がありました。《2005年 6月 撮影》)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】



                        その21・・・・・・・・・・・・  2005年06月29日 21時16分(公開)


M・M先生の逸話はたくさんあります。多くは他のアシスタントから「ここだけの話だけどね・・・」と、こっ
そり教えていただきました・・・ 
                           (1977年昭和52年 夏)

逸話のほとんどは、他の漫画家とのケンカ話。ケンカの中でも驚いたのが、暴走族を相手に大立ち回
りの殴りこみをやってのけた事・・・ どれも興味深い話なのですが、なにぶん「伝聞」による話だし、本
人に確認したわけでもありませんので、残念ながら省略させていただきますが・・・・・

私がいた一週間の間に実際見聞きした事だけでもお話いたしましょう・・・・・。

まず、出版社とのケンカ・・・ M先生が単行本を出版した時・・・ 印税として約束した金額が売れ行き
不振を理由に減額された事に怒りを爆発。電話で出版社を怒鳴りつけていました・・・。

そしてもう一つは、中古のコピー機の調子が悪い事を電話で業者に文句を言っていた事。ものすごい
けんまくで怒っておられました。

アシスタントが仕事場や路上で怒鳴られるのは毎日の事でした。私には・・・

 「劇画屋の絵はダメだ!」 

先輩アシスタントには絵の構図が悪い事で・・・

 「何やってんだ!これは何だ!」

日本で一番美しく、やさしい漫画を描くM先生が、漫画界一の「豪傑」であると言われている事を知っ
たのはずっと後の事です。

ここで誤解を避けるために言っておかなければならないのですが、M先生は怒る時は怒る人ですが、
間違った事は仰っていません・・・ ただの一言も曲がった事は言っていないのですが・・・・・・・ 私は
ついていけませんでした・・・。


最後に一つだけM先生が直接話してくださった面白い(?)話を・・・・

有名な某宗教団体の会員がM先生の所へ勧誘にやって来た時の事です。宗教の話だけして、さっさ
と帰ればよかったものを・・・・・・ 

黙ってうなずきもせず一言も発しないM先生の顔色を判断して。早々にあきらめて退散していれば、あ
んなに恐ろしい目に会わずにすんだのに・・・・・・・・

M先生はまだ黙っている。爆発寸前の活火山のように・・・・・・・・



                          「漫画家アシスタント物語 第2章 その22」 へつづく・・・



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