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蒼い地球で生きた最後の時LAST LIFE・LAST TRIAL

詩・音楽・絵・写真・山歩きと神様の日々の足跡

My poem「TSUNAMI」

2023年03月10日 | POEM

黒い波が建物を車を人をのみこんでいく

人の恐怖をのみこんで

波はますます大きくふくれあがり

襲いかかる

 

恐怖 絶望 怒り 焦燥 後悔 諦めの念が

怒涛となって空間をひずませ

轟音の亀裂がとどろく

 

夕暮れにさしかかった空を

扉をくぐりぬけた無数の魂が

光へと昇ってゆく

 

けれど くぐれずにとどまる魂は

地をたゆたう

 

この地上は まさに

天国と地獄のはざま


My poem 「月無夜」

2023年03月02日 | POEM

バイパスにともった灯りが 夜の中に光の道を映し出す

赤や青のネオンが 遠く滲んでいる

雨上がりの しめりけを含んだ夜風

私の顔をなで 私の髪を揺らす

ジェームス・ブラントの嗄れた悲しげな歌声が

ラジオから流れてきた

私は一人ではないのに なぜこんなにも悲しいのだろう

今夜は 月も出ていない

 

やり過ごす毎日が 疲れだけを運んでくる

ここに私の求めるものは 何ひとつないのに

何故ここにいるのだろう

それは どこに行けばあるのだろう

わかっているはず・・・

そんな場所があるはずもなく

このささいな日常の中から フタをこじあけて

自分で探し出すしかないということを

迷路のような人生の闇

この闇にまぎれて 私は迷子になりそうだ

今夜は 月も出ていない


My poem「地に立ちて月の彼方」

2023年02月21日 | POEM

高い月 白い月

凍る夜空に 雲はなく

天蓋の夜幕に 浮かぶ月

 

地に私 こごえる指先 

白い息

夜の静寂(shijima)に ひとり立ち

見上げるわたしを 照らす月

 

対峙する 月の彼方に

いっさいが

見えず 聞こえず ありもせず

ただ 月だけがそこで

白く輝く・・・


My poem「ひとこと」

2023年02月05日 | POEM

年とって 肉体の目がよく見えなくなったから

直感でその人全体を感じとるようになった

 

この頃 耳の聞こえが悪くなったから

心でその人の声を聴くようになった

 

すると 強い言葉の陰にある心細さや不安を

静かな言葉の奥にある強さや信念を

感じとれるようになった

 

人は なんて多くの鎧で心を覆っているのだろう

なんで自分の心を 素直に出さないんだろう

 

ひとこと「愛して」って言えれば

きっと 人生はもっと簡単になるんだろうに・・


My poem「過去生」

2023年01月25日 | POEM

私は なにげなく日々を過ごしているけど

いくつもの過去生で 遂げられなかった切望や叶えられなかった夢を

きっと一つ一つ無意識に達成しながら生きているのだと思う

生れ落ち 両親・祖父母の確かな愛情に包まれて成長し

友を愛し恋もし仕事に出会い 結婚して子をもうけ家庭を築いた

様々な困難を乗り越えて 今 この家族と共に生きている

 

草原で戦ったこともあったろう

深い森の中で魔法使いだったこともある

幼い子供と二度と会えなかったこともあったに違いない

中国で紙を漉いてもいただろう

教師で子供達に囲まれていたこともあった

歌を唄う旅芸人だったり 教会のシスターだったり

海辺の巫女でもあった

 

だから私は 静けさにひかれたり 植物が好きだったり

塾の教師のアルバイトをしたり 美しい和紙にひかれたり

草原や山が好きだったり 子供が愛おしかったりするのだろう

 

魂にぬりこめられた記憶が一つ一つ現実になって

人生に連ねられていくのだ

 

でも私は今 こんなに幸せだから次の人生に望むものは何もない

願わくばこの幸福を ふれるすべての人々に

「愛」というかたちでわけられたらと思う