夢

朝目覚めて、公演が終わったのだと実感する。
だが、夢の中では未だ公演真っ最中。
今日はあそこをこうしよう、とか、
美術の飾りが新たに完成したから、公演を
はじめからやり直そう、だとか。
夢の中では現実だから、かなり焦って
準備をする自分がいる。
しかし、終わったのだ。
打ち上げでの役者たちは、まさに戦場から
帰還した兵士のようだった。
やり遂げた充実感と共にやってくる虚無・・・
何かの憑き物が落ちたようでもあり、
達成感、安堵、やわらかな微笑みを
浮かべる顔、顔、顔。
がんばってくれたスタッフとの会話も、
ゆったりと幸せに流れ、我々は翌朝を
迎えた。そうだ・・・もう公演もない朝を。
終結感のない舞台・・・
だからまた、すぐに次の夢を見る。

みんな、本当にお疲れ様でした！