(有)山内牧場

青森県八戸市で競走馬生産をしている山内牧場の生産馬、繁殖牝馬、繋用種牡馬についてのブログです。

双子

2008-05-29 12:25:04 | Weblog
先日書いた通り、ケイアイヴェニスは双子を受胎していたので、馬産の世界ではたまにあることなのですが、片方を潰すことにしました。幸い、右側と左側に離れていたので無事成功したようです。
漫画・じゃじゃ馬グルーミンUPでは双子を産ませたりしていましたが、実際の競馬では双子は身体も大きくならず、競走馬に向かないということで普通は産ませません。しかし、先代の社長は冒険心が旺盛だったため、実際に双子を一回産ませたことがあります。先代の社長は若い頃、青森牧場で場長をしていて、公営から羽ばたいたオンスロートやオークス馬・カネヒムロ、カネハヤテなどを生産しました。
そして、山内牧場を作ってから数年後、双子の話はウチのかまど馬だったシヤドウの牝系、インザシャドウズの仔でした。昭和45年でしたが、産まれた2頭はニューシャドウとレッドシャドウと名づけられました。ニューシャドウは母のもと、レッドシャドウは乳母のもとで育てられ、ニューシャドウは岩手競馬、レッドシャドウは川崎に入厩しました。どちらも非凡な能力を見せていたそうで、レッドシャドウは入厩後わずか18日で能力試験を合格するなどスピードのあった馬だそうです。しかし、脚部不安で引退しました。
そのレッドシャドウの3番仔が関東オークス・浦和桜花賞などを勝ったシヤドウでした。また、ニューシャドウは戸塚記念を勝ち、東海でゴールドレットと凌ぎを削ったサガミトキマサを産みました。なかなか面白い話だとは思いますが…実際の馬産でやったら賭けですよねそれでもやった先代の社長はなかなか大胆な人間だったと思います。というか時代のせいもあったんでしょうけど(笑)私はとりあえず目の前のことを一つ一つ堅実にこなしていくことに努めます


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4 コメント

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Unknown (フクトライ兄さん)
2008-05-30 02:08:00
双子が受胎しやすい血統っていうのはあるみたいですね
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そうですね ()
2008-05-30 14:53:41
たぶん牝馬の卵巣の中に卵が複数出てきやすい遺伝とかなんでしょうね。そういやアイネスフウジンの兄弟だか近親にも双子がいたり、西山牧場でもニシノエーシロー、ビーシローとかで走らせたという話も聞きますね^^;
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確か (せくれたりあと)
2008-05-30 17:09:18
H牧場さんで芦毛の双子が競走馬になったことがありましたね。…双子にちなんで、カストルとポルックスという星の名前をつけていたのを覚えてます。…勝てなかったみたいですけど。
先代の社長さんは山さんのお祖父さんですよね?…すごい決断だったと思いました。よほどいい卵だったのではないか、と。

「あまりにいい発情だったので真夏の8月に種付けした。」とか、「今日はダービー馬を受胎して帰る。」とか、先人たちの伝説は本でたくさん読みました。

小岩井は牝馬を競走馬にしなかったことで有名ですよね?…「壊されでもしたら、25~30年が無駄になる」という理由らしいです。

そういう話を聞いた時に私が思うことは、昔は自然が与えてくれる知恵を上手く活かしていたのではないか、ということです。…今は人間の欲を優先するようになってダメになった気がするんです。

長くてすみません。
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牝馬 ()
2008-05-31 10:50:36
牝馬を競馬に使わないというのは本当ならば良いんでしょうね。でも不出走の世代が続くとなかなか売れないと思います、現在では。
時代ですね~。本当は6月に入ってからのほうが暖かいので発情自体は良いらしいんですよ。ただ、5月産まれになるということで、なかなか…。今年は6月いっぱいまで付けようと思います。
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