小三の春、理科の観察としてヘチマの苗を配られた。
植木鉢で育てると黄色の花が咲いて掌サイズのヘチマができて、みのり、を実感した。
夏休みが終わると野球のバット三本束ねたような巨大ヘチマを持って来た子がいて「ヘチマスター」とみんなで大騒ぎした。
いつもは目立たないその子が輝いて見えた。持たせてもらうとずっしりと重かった。
うちでそのことを言うと、母が「農家の子でしょ、毎年三年生はヘチマを育てるから、育て方を良く知っているのよ」と言った。
学校でもらった苗じゃないわよ、と暗に言っていたかもしれない。
ああ、あの子は農家を継ぐことになるんだろうな、きっと家の手伝いもよくやるんだろうな、みのりをたくさん知っているんだろうな、と思った。
いつか大人になり、私も何かになるんだろうと、自分の将来を夢ではなく現実としてとらえたのはあの時だったように思う。゜
このブログを読んだ人には「ヘチマ」の呪いをかけてやる。ヘチマって何に使うんだっけ、と小一時間考え込んでしまうだろう。
植木鉢で育てると黄色の花が咲いて掌サイズのヘチマができて、みのり、を実感した。
夏休みが終わると野球のバット三本束ねたような巨大ヘチマを持って来た子がいて「ヘチマスター」とみんなで大騒ぎした。
いつもは目立たないその子が輝いて見えた。持たせてもらうとずっしりと重かった。
うちでそのことを言うと、母が「農家の子でしょ、毎年三年生はヘチマを育てるから、育て方を良く知っているのよ」と言った。
学校でもらった苗じゃないわよ、と暗に言っていたかもしれない。
ああ、あの子は農家を継ぐことになるんだろうな、きっと家の手伝いもよくやるんだろうな、みのりをたくさん知っているんだろうな、と思った。
いつか大人になり、私も何かになるんだろうと、自分の将来を夢ではなく現実としてとらえたのはあの時だったように思う。゜
このブログを読んだ人には「ヘチマ」の呪いをかけてやる。ヘチマって何に使うんだっけ、と小一時間考え込んでしまうだろう。