【前提】
転用物訴権とは、ある者のした契約上の給付が契約の相手方のみならず第三者の利益になった場合に、給付者が第三者に対してする不当利得の返還請求のことをいう。
【問題提起】
いわゆる転用物訴権は認められるか。
【判例】
相手方と第三者との間の契約を全体としてみて、第三者が対価関係なしに右利益を受けたときに限り、第三者が法律上の原因なくして利益を受けたということができ、転用物訴権を認めることができる。
【加藤説】
相手方が第三者の利益保有に対応する反対債権を持っていない場合であって、第三者の利益保有が相手方と第三者間の関係全体からみて無償と認められときに限り、転用物訴権を認めるべきである。なぜなら、①相手方が第三者の利益保有に対応する反対債権を持っている場合には、転用物訴権の承認は給付者に対して相手方の他の債権者に対する優先的立場を与えることになって破産法秩序の潜脱のおそれがあり、②相手方が第三者の利益保有に対応する反対債権を持っていない場合であって、第三者の利益保有が相手方と第三者間の関係全体からみて有償と認められときには、転用物訴権を認めることは第三者に二重の経済的負担を強いることになるからである。
【備考】
双書p42
百選II70
転用物訴権とは、ある者のした契約上の給付が契約の相手方のみならず第三者の利益になった場合に、給付者が第三者に対してする不当利得の返還請求のことをいう。
【問題提起】
いわゆる転用物訴権は認められるか。
【判例】
相手方と第三者との間の契約を全体としてみて、第三者が対価関係なしに右利益を受けたときに限り、第三者が法律上の原因なくして利益を受けたということができ、転用物訴権を認めることができる。
【加藤説】
相手方が第三者の利益保有に対応する反対債権を持っていない場合であって、第三者の利益保有が相手方と第三者間の関係全体からみて無償と認められときに限り、転用物訴権を認めるべきである。なぜなら、①相手方が第三者の利益保有に対応する反対債権を持っている場合には、転用物訴権の承認は給付者に対して相手方の他の債権者に対する優先的立場を与えることになって破産法秩序の潜脱のおそれがあり、②相手方が第三者の利益保有に対応する反対債権を持っていない場合であって、第三者の利益保有が相手方と第三者間の関係全体からみて有償と認められときには、転用物訴権を認めることは第三者に二重の経済的負担を強いることになるからである。
【備考】
双書p42
百選II70