《落日菴執事の記》 会津八一の学芸の世界へ

和歌・書・東洋美術史研究と多方面に活躍した学藝人・ 会津八一(1881-1956)に関する情報等を発信。

ゆく年くる年

2020年12月31日 | 日記
大晦日に放映されるNHK『行く年来る年』で、香川県の八栗寺の除夜の鐘撞きが紹介されるという。

鐘をつくのは秋艸会香川支部の方であることを、八栗寺の御裏方様である新見さんに教えていただいた。

八栗寺の鐘には、八一の歌と文が刻まれている。



五剣山八栗寺の鐘は戦時供出し空しく十餘年を経たり今ここに昭和三十年十一月龍瑞僧正新に之を鑄むとし余に歌を索む乃ち一首を詠じて之を聖観世音菩薩の寶前に捧ぐその歌に曰く 

わたつみのそこゆくうをのひれにさへひびけこのかねのりのみために

この歌は八一の生涯、最後の和歌となった。病に倒れこの鐘の音を生前聴くことは遂に果たせなかったが、大晦日に全国放送されるとあれば、泉下の八一も喜んでいるだろう。


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