昭和21年6月、会津八一は上のような証明書を、知人の丹呉浩治に対して『発行』している。
中條町の表具師丹呉氏にたいし、『右の者、大馬鹿者なれども、正直無比の者なり。これを憎む者は大悪人なり。』
宛先は『社会民衆』とある。
本当に自分にも他人にも正直に生きる者は、社会的に成功できず、世間から『大馬鹿』扱いされるのが世の常だ。人を出し抜き、人を欺く者が、社会的・経済的に成功を勝ち得て、結果頭がいいとほめられるのだから。
しかし、八一はそんな『大馬鹿』な『正直』者を深く愛した。
こんな爽快で、痛快な証明書がほかにあるだろうか⁉️
だから会津八一は面白い。