私は吉岡くんの、大が300個位付くほどのファンですが、
彼の出演した作品や演じた役全てに、
ブラボー ブラボー トレビヤ~ン
と言っているわけではないのでごじゃりまして。
出演作が多いから、その中には「なんでやねんな。」って思う作品もあるし、
「よしおかくんは悪くないのよぅ~。頑張ったよ、よく頑張った。
しかし、どうみてもこりはミスキャストなのではないだろうか・・・?」
と鑑賞後にロダンの考える人と化してしまったことは一回や二回ではなかったわけで。
しかしこれは、中にはこういうこと考えているファンもいるんですよ~っ
ていうだけのことで・・・。
ということでですね、いつものように前置きがなが~くなってしまいましたが、
今回はこれです。
映画 青空に一番近い場所
この作品以前に撮られた、男はつらいよの「ぼくの伯父さん」が
吉岡くんの実質的な主演第一作だと思うんだけど、
クレジットが一番最初にくるということにおいての堂々主演第一作。
これは、ほんとにテーマ曲がよかった。
あのテーマ曲の使い方が、とっても印象的だった。
完。
ってそれだけなのかいっ?!
いや、良かったですよ、吉岡くん。
なんてったって学生服姿が拝めるしぃ、
紳士服のコナカで買ったようなスーツ着て全力疾走しまくってる姿が拝めるしぃ、
缶蹴り楽しそうにしている姿なんてうふふ~んだしぃ、
ヨークを思わず噴出すシーンなんてあっぱれだしぃ、
それになんたって天使にお姫様抱っこされちゃうという前代未聞の
美味しすぎるシーンがあるしぃ、
吉岡くんファンにとっちゃぁ、ごっつぁんですっ!って感じの映画ですな。
しかし、これは映画であって、吉岡くんのPVではないので、
作品として鑑賞するとですね、徐々に私は「考える人」と変化していくわけで。
「おし~いぞなぁ!」という映画なのですよ、この作品。
話の題材はとってもいいと思うし、長谷川真弓ちゃんもとっても良かったです。
だからダメじゃないんだけど、しかし決して良くもないっていう・・・。
あともうちょっとで、良い作品になりえたんじゃないか?っていうか。
舞台だったらとっても面白かったかもよん、鴻上さんっていうか・・・。
全体的に、やはりとっても舞台チックな演出なんだと思うわけで。
しかしこれは映画であって、舞台ではなかったところがなんというか・・・・。
あのやたらとなが~く続くダルマさんがころんだや、缶蹴りのシーン。
いや、これがこの映画の中で非常に重要なシーンであって、
このシーンの中に監督のメッセージが込められているんだろうな、
ということはわかるのですよ、わかるのだけれども、しかし長すぎるっ。
長すぎちゃって、見ている方はなんとなくおいてけぼりになってしまう。
そうなってしまった時点で、このシーンに込められたであろう
監督のメッセージが薄れてしまうんだと思うとですよ。
あ、でも薄味でもメッセージが伝わったのだからこれはこれでよいのかもしれない・・・。
なーんて、偉そうにあんた映画批評家気取りかいなって感じだけど、
とにかくこういった演出が続くから、全体的には
なんかすごくもったいないなって思ってしまう映画なわけであります。
くどいぞぃ、っていうシーンが長々と続いたかと思うと、
その後にいきなり繋ぎの悪い「おばあちゃんのお金講座」
みたいなシーンが挿入されてきたりするから、見ているこっちは
「これって紙芝居なのっ?!ならば飴玉くだいなっ!」
ってちょっとむむぅ~っとなってきちゃったりするわけで。
いやぁ~、良い映画を作るって本当に大変なことなんでありますな~、セニョリ~タ。
なんていうか、この映画は、私にとっては、
「ラストソング」のクランクアップ直後に演じた役・北川くん、
という下敷きを以って観ることに醍醐味があってですね、
そういった事を含めて観ると、改めて吉岡くんの才能の深さに
とっても感動するという映画なわけでありまする。
稲葉一矢が全身から迸らせていた色気爆発フェロモンは、
この映画では殆どなりを潜めていて、その代わりに
へたれパワー全開ぶっちぎってます、って感じのヨレヨレっちー北川くん。
そこにはイ・ナ・バ・カ・ズ・ヤのイの字もない。
職人だねぇ~、ヒデタカくん。惚れ惚れするよぉ。
おばあちゃんのお金講座での北川くん空想シーンで、
ガス爆発現場から出てきたような髪形でもって、
わざとらしくひっひっひぃ~と笑いながら
レジカウンターを飛び越える君の演技は素晴しかったぞい。
あの、わざとらしくなくわざとらしい演技をしながら、
且つ笑いのオーラを出すってえっらい難しいことなんだと思うんだけど、
キミはあまりにもそれを自然に演じてしまうのだよ。
だから観ている方もキミのそういった絶妙な演技をあまり大げさに
受けとらずに済むことができるのだ。おぉ、トレビア~ン。
多分、主役ということで相当のプレッシャーがあったと思うけど、
そういうことに伴うであろう気負いを君は微塵も見せない。
普通こういった場合の役者さんは、まるで犬ぞりレースのリーダー犬みたいに、
「やったるでぇ、ぬぅおぉおおおおお~!」
ってな意気込みが、スクリーンを通して垣間見えちゃったりするけど、
君にはそういった力みがまるでみえないのですよ。
それだから観ているほうもリラックスして映画を観ることが出来るんだと思うぞな。
そういう才能も名優には必須な能力なんだと思われ、そして君はそれを持っているのだ。
けれどもそういうことを見る方には全く感じさせない君は天才なんだと思うぞな。
それにしてもあの空想シーンの君は可愛かったねぇ。
観ているこっちまで一緒にひっひっひぃ~ってなっちゃったよぉん。