カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

庭先は、多摩湖

2020-03-31 18:34:46 | 雑記
3月30日。

私の地元は、“神”を失いました。



不出世のコメディアン・志村けんの訃報は、
この昨今の新型コロナウィルス感染拡大の最中で、
日本列島を駆け巡ったおそらく最大のニュースであり、
最大の、悲報でした。

それは、このウィルスが誰の身にも襲いかかること、
そして、おそらく感染症に関して最高の医療を提供した…
…志村けんの訃報に伴い会見を行った大曲医師は、日本の感染症の最大権威の一人…
…としても、命を落とす危険性を除くことができないことを、
どんな勧告やニュースよりも鮮明に、
万人に理解させることになりました。

日本という国で、誰もが知るコメディアンの訃報は、
老若男女問わず大きな傷を心に残したことだろうと想像します。

国に全体でそうであるならば、その地元、
…「♪東村山音頭」でその名前を知られる、
東村山市にとってみれば、その損失は計り知れないどころか、
おそらくは、何よりも重い意味を持つところです。



私は、3歳の春から、東村山市で過ごしてきました。

東村山市は元々行政区的には埼玉県と神奈川県の境にあり、
県政の始まる際に、どさくさに紛れて東京“都下”に収まった
(真相は定かではない地元民の雑な理解)市で、いわゆる東京の“北多摩”地域に位置しています。

“東村山”という地名は知っていてもどこにあるかは知らない方が世の中にはとても…
とてもとてもとても多く、しかし口頭で説明するのも苦慮するため、
「東京の左上の方」
「隣は埼玉県(所沢市)」
「八王子・立川よりは手前」
と雑に説明することが多いお土地柄です。

埼玉県との県境まで徒歩15分くらい。
西武グループのお膝元ということもあって駅の数は市内に7-8とやたら多く、
西武球場(現・メットライフドーム)までは自転車で30分くらい。
野球、特にパ・リーグを観る環境としては中々恵まれた環境にあります。

いくつかの周辺自治体とまとめて「多摩六都」と呼称されることもあり、
また、その多摩六都間での“序列”を、
(ロマサガ2の七英雄的に)揶揄しながら並べるのが、
割と西武線沿線民で繰り広げられる話題の一つ。
私だけかもしれない。

※個人的に考える多摩六都の序列
小平(ブリジストンがある)
西東京(田無+保谷、“東京”って入って格上感出してきた)
東村山(知名度はあるが認識はされてない)
東久留米(駅が一つしかない)
清瀬(清瀬)

異論は認める。



そんな東村山に何があるかといえば、
はっきり言って、
何もない。

もう、びっくりするほどなにもない。

駅は多いけど全般的に閑散としてるし、
人口は15万人と多いけれどそこそこに高齢化率高くて生産人口が寂しく、
“東村山村”だったときのムラ的な連帯も妙に強く残ってるし、
市が結構なお金を投じて出来上がった駅ビルからは
テナントが次々といなくなるし、
新たに赴任してくる教師は挨拶で必ず枕詞のように“緑がきれいで”っていうし、
なんならその緑がきれいな部分を切り取って写真に移すととても東京都とは思えず、
内陸県を装ってツイートしたとしても多分バレないし…

etcetc

というようにまあ、30年くらい付き合いのある土地だけに、
如何様にも言い様があります。



ただ、一つ間違いなく言えることは、
“東村山=志村けん”
であるということ。



これは別に東村山市に住んでる全ての人が志村けんが好き、とか、
東村山音頭が踊れる(踊れるけど)、とか、
そういう訳ではなくて。

「出身は東村山市です」と自己紹介すると、
望もうが望まざれども、ほぼ100%「ああ!志村けんの!」と返される、
土地に、民に刻み込まれた存在でした。

普段から志村けんの話題をするわけでもないし、
市民の多くは特段志村けんに詳しいわけでもないかもしれません。

それでも、東村山という土地は「志村けんの」東村山。

その認識は…たぶん、言い過ぎではないものと個人的には思っています。



“神”をどのように定義するかは大変難しく、
八百万の神の文化である日本という国であるならば、
全てのものが“神”たりうるところだと思います。

冒頭の“神”という言葉は、基本的にはただの形容であり、比喩です。

ただ、東村山という土地には菖蒲園があり、
東京都唯一の国宝級建築物があり、
ソースの一大生産地であり、納豆の一大生産地であり、
原田泰造(同じ学校で同じ塾出身。塾の先生曰く「姉の方がインパクトあった」)の出身地であり、
相田翔子(元Wink、彼女の恩師が副担任でした)の出身地であり、
鳥谷敬(少年野球チーム「東村山メッツ」出身。“凄い選手がいる”と少年野球でも有名だった)の出身地であり、
…個人的には、よく某プロレスラーに遭遇した場所だったり。

…“実は”という枕詞がたくさんつく、
怒涛の田舎自慢の羅列です。

でも、それでも。

私の地元は、“志村けんの東村山”。

そのように想う心は、ある意味では一つの信仰。

そして、そのように思われる存在の形容を考えたとき、
私には、“神”という…
ある意味では、非常に安易な形容しか思い浮かびませんでした。



謹んで、故人のご冥福をお祈りします。











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