SAMURAI・コーチング!

戦国武将は、なぜ茶の湯に魅せられたのか?茶室で男は、日本男児になる!
喧騒から静寂へ…~SAMURAIたちの世界~

SAMURAI・コーチング! 戦国武将と茶の湯文化

2020年09月01日 | 茶道の心理学

 戦場で茶の湯・・・?

 
 旅箪笥、たびだんす というお道具があります。


 天正18年春、秀吉の小田原征伐に 従軍した利休が考案したものです。


その陣中、野外で秀吉のためにお茶を点てた時に使用したのが旅箪笥です。

携帯用のお道具入れといったところでしょうか。

お点前の時は、道具を飾る棚として使います。



 これを初めて先生から教わった私は驚きます。


戦国武将は、戦場にまでお茶を持って行ってたんだ。

戦場って大変なところなのに・・・?

兵糧や武器など荷物も多いでしょうに~!


それまでお茶って静かなところでいただくものだと思っていたのですから。

と同時になんで

という疑問が頭をもたげてきたのです。


でも、後に小田原攻めは長期戦で、城を一望する石垣山に一夜城を築いたこと

などを知り納得するのですが・・・。



しかしながら、やはり戦場で茶の湯を嗜んでいたことに、

にわかに興味がわいてきたのです。



 最初に感じた疑問、 男性は茶室でかっこよくなる。 

というところに通じているような気がしました!



戦国大名は思えば今よりももっとずっとストレスにさらされていたはず。

そんな彼らが夢中になった茶の湯。 


やっぱりお茶って男性のものだったんだ。

そんなに夢中になった茶の湯。


彼らにとって茶の湯とはいったいどんな意味があったのでしょうか。



     旅箪笥


 戦国武将にとっての茶の湯

 
 そういえば、よく戦国時代の小説やドラマには茶の湯の場面が出てきます。

落語にもあら茶という戦国武将が出てくる茶会の話があります。 


  関ヶ原の合戦直前、家康の家臣本田正信の茶会に招かれた秀吉の家臣が

茶会で起こす騒動です。もとは、講談から。


彼らにとって茶の湯は、非日常的なものではなかったようです。


何といってもやはり戦場は生死を分けるところ、

油断するといつ戦場の露と消えてしまうかわかりません。


でも戦わねば、自分自身がやられてしまいます。


そんな死と隣り合わせの場に身を置いている武将たちが、

心を正常に保つ場として、茶の湯を実践したとしても何の不思議もありません。


       


一つ目は心のための茶の湯です。


応仁の乱以降、下剋上といわれる乱世にあって各国の戦国大名たちは、

生き抜くためのさまざまな工夫をしています。

それらは戦国大名たちの残した記述にも残されています。 


山口の大内氏は天文三年、といいますから、織田信長が生まれた頃、

すでに草庵(都市の中の山里風の庵)を作り茶の湯を行ったことが

記るされています。


また、駿河の今川家でも、九州の島津家でも、

茶の湯に関する記述が残されています。



特に『上井覚兼日記』 かみいかっけん は、島津家の家老として

武将の日常をしたためたものですが、この中に再三、茶の湯の記述がでてきます。

友人や知人を自宅に招き、料理とお酒を出した後、

茶の湯を楽しんでいる様子が伺えます。

お客さまのうち親しい何名かでしょうか、四畳半の座に場を移して、

点前を行っています。

月に何度も茶の湯の場を設けているのは、戦場の緊張感をほぐしていたのでしょうか。


現代もベトナム戦争後の米国で、たくさんの心理療法が開発されました。

ちょうど1970年代です。

NLPがそのころ誕生しているのも偶然ではないでしょう。


心を病んだ傷病兵、異常な環境、殺戮を行っているのですから、

そんな中で正気を維持することは容易でなかったと想像できます。 


 また、武将たちはそれ相応に教養を積んだ人たちです。

彼らが、もののあわれ を解さないはずがありません。

傷ついた心を癒してくれるのは穏やかで安らかな心しかありません。


そんなときに客を心からもてなし、高価ではなくても、

いえむしろ、心が和むそんな風情を持つ道具や料理、おもてなしを

行う草庵の茶がどんなに武将たちを和ませたかと思うと、

彼らが茶の湯から得ていたものがわかるような気がします。

何より彼らが茶の湯に求めたのは、張り詰めた心の緊張を解きほぐし、

リラックスすることであったのではないかと思われます。


 戦国武将は、心を 鎮め、癒し、安らかで、すこやかな、心身のために

茶の湯に向き合ったのではないでしょうか?


 もののあわれ 
 平安時代の文芸の美的理念の一つ。自然・人生に触れて起こるしみじみした
 内省的で繊細な情趣。あらわな表現を避けて、洗練された繊細さを重んじる。江戸時代、国学者本居宣長(もとおりのりなが)が、唱えた。

  茶道、および NLPについてのおといあわせは、こちらまで~



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