決まっていること
なぜお茶が好きなんだろうと思うとき、
私はお茶にかかわっている自分自身が好きなんだと思うのです。
毎日の生活の中で茶の湯にかかわっている自分自身は、
いつもと少し違うと感じます。
日々の生活にまぎれて、ああでないこうでもないと、
悩みや迷いがいっぱいの自分。
そんな自分自身を一旦おいて、
まっさらな何にもとらわれない素の自分を選択し、
その自分でいることが心地いいのでしょう。
すべてのことが決まっているということは、
実はとても自由なことであるという気づきもあります。
たとえば後片付け。
日常の雑務に追われると、とたんに面倒になりますが、
茶会の後の片付けは、お仕舞いといわれるように美しいものです。
道具はすべてに箱に入れきちんとしまわれます。
どこに何が入っているか決められているので迷うことはありません。
考えなくても動作が進みますから、悩みや問題にとらわれている時ほど、
それらのことにとらわれず動作を進めることが心地よいのです。
気がつくと、すっきりと片付いた室内は、
心身をリフレッシュしてくれます。
そして、清浄な環境で静かに自分と向き合う時間は、
かけがえのないひと時となります。
「和敬清寂」の清です。
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