二本足の學者を目指して

賢を見ては齊しからん事を思ふ

【人間の本質と向き合ふ「女優・長澤まさみ」】

2024-08-30 17:11:23 | 映畫

【人間の本質と向き合ふ「女優・長澤まさみ」】

けふ(令和六年八月三十日、金曜日)の「あさイチ」プレミアムトークのゲストは長澤まさみさん。大の長澤まさみファンである私は、録畫豫約を事前にしてゐるし、「リアタイ」もした。

内容は長澤さんの交友關係、生活、出演してゐる作品の數々に就いて。少し髪が伸びて、ポニーテールにしてゐた長澤さんはとても素敵で、ファンとしては、彼女の笑顏を多く見る事が出來ただけで、もう滿足である。

女優としての長澤さんは(最近では俳優と云ふ言葉が使はれる傾向だが)、コメディからシリアスな社會派迄演ずるその演戲力が評價される事、數多である。

また、舞臺「正三角關係」では、男性と女性を演じ別け、長澤さんの代表作である「コンフィデンスマンJP」では、ダー子と云ふキャラクターの特徴や能力として、樣々な人々に扮してゐる。ダー子は天真爛漫で神出鬼没、「嘘を愛する女」の由加利はすれからしな都會の女、「マスカレード・ホテル」の尚美は頗る眞面目で融通が利かない女、と作品毎に全く異なる女性を演ずるのが、「女優・長澤まさみ」の眞骨頂である。

そんな素敵な長澤さんの魅力を最大限、引き出す爲に制作されたのが、來月公開豫定の「スオミの話をしよう」だと云ふ。現在の夫と嘗ての四人の夫、夫々が見て來たスオミ(演・長澤まさみ)は、丸で違ふ女だと云ふ。この事に就いて、長澤さんは、スオミに限らず、(一人の)人間の本質は多面的なのであり、さう云ふ人間觀を土臺にスオミを演じたとの事。その點は、演じ別けると云つても、樣々な人物に扮したダー子とは異なるのである。

長澤さんに限らず優れた女優や俳優は、そして、優れた作家は、人間の本質に向き合ふ事の大事を知つてゐる。或はその大事を感じてゐる。それは一つの價値觀(正義)に拘泥しない事であり、みづからを相對化する豐かさである。神ならぬ吾々人間は、云ふ迄もなく絶對ではなく、相對的な存在であるが、相對的な存在であればこそ、必ず誤る。その最大の誤りとは、みづからを絶對視する事である。

長澤さんがスマートな人だと私が思ふのは、何もスタイルだとか、國民的な大女優だとか、さう云ふ眼に見える要素だとか世間の評判に留まらない。人間の本質から眼を離さうとしない、その生き方こそがスマートなのである。

(※)畫像は「スオミの話をしよう」公式Instagramストーリーズ據り。

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