霧の訪問者

たまには読んだ本の話でも。
今月は田中芳樹さんの新作を読みました。
田中芳樹「霧の訪問者」薬師寺涼子の怪奇事件簿　講談社

なんとなく今作はイマイチな評価を受けてるみたいですね。
でもとってもおもしろかったですよ。
たしかに今までよりおとなしくなってるような気はしますが。
これまでの敵が意思の疎通ができない人外の化け物
だったのにたいして今回は、
同情されるような被害者が化け物と化する話だったから
あんまり派手に闘うのもね……
爽快感がないのは当然です。
でもこれはこれでよかったとおもう

行き過ぎた女性富豪と医者は気味の悪い印象を与え
こちらが敵ですが…。

いつも現実世界を多分に連想させる
政治批判やその他世界の批判が登場人物の口を通して書かれています
それが面白くもあるのですが
今回、これいいんだろうか？と思わないでもない。

でも読みやすくておもしろいです。
はてさてお涼様に鈍感といわれてしまってる
泉田警部補は今後陥落してしまうのでしょうか（笑）

この泉田警部補、ドラマＣＤでは井上和彦さんが
声をやってるらしくてけっこう気になってるんだけど
まだ買ってない。

垣野内成美さんのイラストがなかなかいい味を添えています。
そのイメージ効果もあってこのシリーズはヒットしているのかな
まあ、私はイラストが他の人でも普通に買うと思いますが。

今回のもうひとつのみどころは
ゴスロリかウエディングドレスかでもめる
女装軍団だろうか？（笑）
そしてそこに中立で割ってはいる
赤頭巾ちゃんのジャッキー若林！
ああ入り乱れるウエディングドレスとゴスロリの男性たち
見たくない…（笑）