退院後の夫の調子はあまり良くありません。
痛みが酷く泣く日がたくさんありました。
息子の前では泣き顔は見せたくないと言っていましたが、我慢できずにいました。
あまりの痛さに死にたいと言う事もたびたびです。
何もしてあげる事も出来ず、我慢してとも言えず、自分の無力を深く感じていました。
それでも、私も足の痛みがまた悪くなっているからと、仕事に出る私に代わって夕飯を作り続けてくれていました。
11日。
診察の予約でした。
痛みだけ何とかして欲しい。
それだけをお願いしたいと話す夫。
順番で呼ばれ、足のむくみはとれない事。とにかく痛みが酷い事を話し、痛みをとりたいとお願いしました。
痛み止めのお薬(私の整形の先生は、麻薬ぐらい強いとおっしゃっていました)が、1日4錠になりました。
痛みの原因はわかりません。
どうにもならないかもしれないと、夫はうなだれています。
耳がまた悪くなっているようで、ほとんど話が聞こえない夫。
うなだれている夫の横で私はお医者さんに聞いてみました。
「肝硬変は、肝がんになる可能性が大きいですよね?」
もしかすると、癌の痛みでは?と、思ったからです。
「肝がんになる可能性は大きいですよ。でも、それより先に肝不全で逝っちゃう方が早いんじゃないんですか?」
との答え。
「長生きできないと言う事ですよね。それって、10年ぐらいのスパンと考えた方がいいんですか?」
「いや、そんなもんじゃないでしょう」
私の顔を見てから、お医者さんは慌てて言いました。
「いや、人それぞれだから」
もごもごと言い訳しても遅いです。
聞こえないとはいえ、隣に夫。本人がいるのです。
言い方ってないですか?
言葉を胸の奥に飲みこむように、夫を促し外に出ました。
会計の列に並ぶ時、涙がこぼれました。
あまりにも夫が可哀そうで。
お医者さんのいうように、お酒で勝手に悪くした肝臓です。その通りです。でもお医者さんがそんな言い方するんですか!
涙を見られないように雑誌で顔を隠しながら急いでふきました。
その日は、痛みが取れないかもと絶望的な夫の足をさすり続けました。
薬も、今日は飲みたくないと言う夫を叱り、私は布団にもぐりました。
自分で立ち上がってもらうしかないと、夫を信じて。
翌々日。
「今回は薬が当たったかも。体が楽だ。痛みもないし」
「良かったね」
また、いつあの痛みがぶり返すか分かりません。
肝硬変の末期。
悪いところは増え続けても、良くなる事はありません。
緩和的なフォローを、これからもお願いするしかありません。
夫が言うように、ただ、二人で仲良く生きていこうと思います。
痛みが酷く泣く日がたくさんありました。
息子の前では泣き顔は見せたくないと言っていましたが、我慢できずにいました。
あまりの痛さに死にたいと言う事もたびたびです。
何もしてあげる事も出来ず、我慢してとも言えず、自分の無力を深く感じていました。
それでも、私も足の痛みがまた悪くなっているからと、仕事に出る私に代わって夕飯を作り続けてくれていました。
11日。
診察の予約でした。
痛みだけ何とかして欲しい。
それだけをお願いしたいと話す夫。
順番で呼ばれ、足のむくみはとれない事。とにかく痛みが酷い事を話し、痛みをとりたいとお願いしました。
痛み止めのお薬(私の整形の先生は、麻薬ぐらい強いとおっしゃっていました)が、1日4錠になりました。
痛みの原因はわかりません。
どうにもならないかもしれないと、夫はうなだれています。
耳がまた悪くなっているようで、ほとんど話が聞こえない夫。
うなだれている夫の横で私はお医者さんに聞いてみました。
「肝硬変は、肝がんになる可能性が大きいですよね?」
もしかすると、癌の痛みでは?と、思ったからです。
「肝がんになる可能性は大きいですよ。でも、それより先に肝不全で逝っちゃう方が早いんじゃないんですか?」
との答え。
「長生きできないと言う事ですよね。それって、10年ぐらいのスパンと考えた方がいいんですか?」
「いや、そんなもんじゃないでしょう」
私の顔を見てから、お医者さんは慌てて言いました。
「いや、人それぞれだから」
もごもごと言い訳しても遅いです。
聞こえないとはいえ、隣に夫。本人がいるのです。
言い方ってないですか?
言葉を胸の奥に飲みこむように、夫を促し外に出ました。
会計の列に並ぶ時、涙がこぼれました。
あまりにも夫が可哀そうで。
お医者さんのいうように、お酒で勝手に悪くした肝臓です。その通りです。でもお医者さんがそんな言い方するんですか!
涙を見られないように雑誌で顔を隠しながら急いでふきました。
その日は、痛みが取れないかもと絶望的な夫の足をさすり続けました。
薬も、今日は飲みたくないと言う夫を叱り、私は布団にもぐりました。
自分で立ち上がってもらうしかないと、夫を信じて。
翌々日。
「今回は薬が当たったかも。体が楽だ。痛みもないし」
「良かったね」
また、いつあの痛みがぶり返すか分かりません。
肝硬変の末期。
悪いところは増え続けても、良くなる事はありません。
緩和的なフォローを、これからもお願いするしかありません。
夫が言うように、ただ、二人で仲良く生きていこうと思います。