あーした てんきに な~れ!

いろいろと悩むことはあるけれど、明日はいい日になる。そう信じていたいから。

心ない言葉と、私たちの気持ち。

2013年03月15日 08時01分38秒 | Weblog
退院後の夫の調子はあまり良くありません。

痛みが酷く泣く日がたくさんありました。

息子の前では泣き顔は見せたくないと言っていましたが、我慢できずにいました。

あまりの痛さに死にたいと言う事もたびたびです。

何もしてあげる事も出来ず、我慢してとも言えず、自分の無力を深く感じていました。

それでも、私も足の痛みがまた悪くなっているからと、仕事に出る私に代わって夕飯を作り続けてくれていました。


11日。

診察の予約でした。

痛みだけ何とかして欲しい。

それだけをお願いしたいと話す夫。

順番で呼ばれ、足のむくみはとれない事。とにかく痛みが酷い事を話し、痛みをとりたいとお願いしました。

痛み止めのお薬(私の整形の先生は、麻薬ぐらい強いとおっしゃっていました)が、1日4錠になりました。


痛みの原因はわかりません。

どうにもならないかもしれないと、夫はうなだれています。

耳がまた悪くなっているようで、ほとんど話が聞こえない夫。

うなだれている夫の横で私はお医者さんに聞いてみました。

「肝硬変は、肝がんになる可能性が大きいですよね?」

もしかすると、癌の痛みでは?と、思ったからです。

「肝がんになる可能性は大きいですよ。でも、それより先に肝不全で逝っちゃう方が早いんじゃないんですか?」

との答え。

「長生きできないと言う事ですよね。それって、10年ぐらいのスパンと考えた方がいいんですか?」

「いや、そんなもんじゃないでしょう」

私の顔を見てから、お医者さんは慌てて言いました。

「いや、人それぞれだから」

もごもごと言い訳しても遅いです。

    聞こえないとはいえ、隣に夫。本人がいるのです。
    言い方ってないですか?

言葉を胸の奥に飲みこむように、夫を促し外に出ました。

会計の列に並ぶ時、涙がこぼれました。

あまりにも夫が可哀そうで。

お医者さんのいうように、お酒で勝手に悪くした肝臓です。その通りです。でもお医者さんがそんな言い方するんですか!

涙を見られないように雑誌で顔を隠しながら急いでふきました。


その日は、痛みが取れないかもと絶望的な夫の足をさすり続けました。

薬も、今日は飲みたくないと言う夫を叱り、私は布団にもぐりました。

自分で立ち上がってもらうしかないと、夫を信じて。


翌々日。

「今回は薬が当たったかも。体が楽だ。痛みもないし」

「良かったね」


また、いつあの痛みがぶり返すか分かりません。

肝硬変の末期。

悪いところは増え続けても、良くなる事はありません。

緩和的なフォローを、これからもお願いするしかありません。


夫が言うように、ただ、二人で仲良く生きていこうと思います。