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23区「負担の公平・役割分担のあり方検討会」解決に向けての骨太方針

2007年07月29日 16時52分25秒 | 東京23区のごみ
清掃事業に関する課題の中で、引き続き検討することとされていた、「工場のある区、ない区の負担の公平、役割分担のあり方」について、10名の助役(ブロック幹事+各ブロック1名)をメンバーとして「負担の公平・役割分担のあり方検討会」が設置された。その検討結果の取りまとめが報告された。(検討会は平成18年2月から19年3月までに7回開催されている。)-江東区議会資料より


平成19年3月29日

特別区助役会 負担の公平・役割分担のあり方検討会
解決に向けての骨太方針


1 策定の背景
(1) 平成15年に区長会において、中間処理については、平成18年度以降も当分の間、清掃一部事務組合(以下「清掃一組」という。)による共同処理により行うことが確認された。
(2) 同時に、中間処理に係る区間のアンバランスの是正を図るための検討を行うことが確認された。
(3) 上記事項を踏まえ、今般、是正に向けての方向について、骨太方針を以下のとおり定める。

2 清掃工場の焼却能力について
 23区全体の焼却能力の水準は、現在のごみ量に基づけば、当面現状を維持せざるを得ないことを前提に、解決の方針を定めるものとする。

3 清掃工場の焼却能力のあり方について
(1) 上記の現状認識に立って、23区および清掃一組は、今後、清掃一組の一般廃棄物処理基本計画改定の都度、各工場の焼却能力の平準化を極力図る。
(2) 施設整備に係る国の交付金については、清掃工場(焼却能力)の平準化に向けて、その弾力的な運用を要望していく。
(3) 各清掃工場のごみ処理量については、許容範囲を含む一定の処理基準を設定し、平準化の促進を図る。その方途と等については、今後、早急に具体的な検討を行う。
(4) 清掃工場の建替え・プラント更新時及び工場災害時における取扱は、臨時的かつ臨機応変に対応し得るよう、別途規定する。
(5) 清掃一組は、各区が取り組むごみ減量対策の成果が、清掃工場処理量の一定の平準化につながるよう、搬入調整や操業調整を行う。

4 清掃工場の焼却等に関する制限の見直しについて
 操業協定のうち、焼却や搬入地域に関する制限については、負担の公平・役割分担のあり方の観点から、解消に向けてその見直しに取り組む。

5 各区における主体的取り組について
(1)以上の1~4の措置と併せて、23区はごみ(区収集ごみ及び持ち込みごみをいう。)の減量について、数値目標を立て、こぞってこれに取り組む。
 (ア)ごみの減量目標は、区収集ごみについては、向こう10年間で、区民一人当たり20%の削減を目指す。
 また、持ち込みごみについても、その削減に努力する。 
 (イ)ごみの減量に加え、更なる資源循環型社会の構築を目指し、リサイクル事業の積極的な展開を図る。
 (ウ)容器包装リサイクル法対象の廃プラスチック(以下「容リプラ」という。)については、各区において積極的に資源化を図っていく。
 (エ)清掃工場へのごみ搬入車両による交通負荷や環境負荷を低減させるため、清掃車両の大型化や低公害車への切り替えなどについて、各区は積極的に推進する。

(2)清掃工場のない区の取り組について
 清掃工場のない区は、負担の公平に向けた役割をより積極的に果たすため、以下の事柄について重点的に取り組み、ごみの減量、資源化や環境負荷の一層の低減を図る。
 (ア)ごみの減量に向け、向こう10年間で、上記5(1)(ア)を超える減量目標を各区の責任において設定し、その現実に向け積極的に取り組むものとする。
 (イ)サーマルリサイクルの本格実施に際し、容リプラについては、資源化の徹底を図る。
 加えて、容リプラの圧縮梱包保管施設についても、確保に向けた取り組みを行う。

6 負担の公平の方策について
 金銭による負担の調整は、負担の公平・役割分担のあり方の解決策として、これを恒久的なものとすることは不適当である。
 しかし、清掃工場の処理量について一定の平準化が図られるまでの間、金銭による調整措置を一部、例外的、限定的に導入することとし、今後、早急に具体的な検討を行う。
 なお、本項は、工場のない区にのみ適用するものではなく、23区共通事項として措置するものであること、その趣旨とするものである。

7 「地元還元施設」について
 これまで清掃工場は、その新設に伴い、工場周辺の生活環境の向上に寄与することを目的に、いわゆる「地元還元施設」が整備されてきた。
 これらの施設の必要性は、清掃事業の実施主体が都から特別区に移管されても何ら変わるものではない。
 当該施設については、今後も適切に維持・更新を図っていくことが求められている。
  こうした地元還元施設の更新については、工場所在区に多額の財政負担が生じることについて、23区共通の理解が必要である。
 このため、地元還元施設の更新等に関する工場所在区の財政需要については、清掃一組の施設整備計画との整合性を図りながら、従前の東京都の基準を踏まえ、ルールを定めて対応することとし、財調上においても、これを需要として整理する必要がある。
 ルール及び整理の方法等については、今後、具体的に検討するものとする。

8 その他
 今後、清掃一組の一般廃棄物処理基本計画の改定に併せて、実施状況等を検証しつつ、必要に応じ見直しを行っていく。

(以上の骨太方針について、今後、具体的な検討をすべきものとした項目については、部長会等へ検討を下命するが、下命にあたっては、具体的方向を示し行うものとする。)



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●まだまだ今後具体的に検討(今後は部長会で検討)すべき項目も多いが、大まかな方針はできたようだ。江東区民としてはいささか恥ずかしいような内容である。各工場の焼却能力の標準化を極力図る。ごみ処理量の標準化を図る。こぞってごみ減量に努力するのはうれしいことではあるが。標準化が図られるまでの断定的な措置に何を求めているのかが~。省略

●清掃工場のある区とない区の扱いが、ここまで端的に明記されるとは。工場があってもなくても、ごみの減量や容リプラの資源化には同じように本気で取り組むべきだと思う。江東区は、工場の迷惑負担をいうからには、率先して、ごみの減量や資源化に取り組むべきだと思う。範を示して他区を率いてほしい。

●議員から、容リプラ資源化取組予定区のことを質問されて、理事者側は「容リプラを資源化する区は主に清掃工場のない区である。また、清掃工場があっても運営協議会がある区は資源化の方向にある」と答弁した。そのような尺度で物事を捉えていることがとても悲しかった。ごみの減量やリサイクル、循環型社会の推進といっても理念だけに終わっている。江東区は清掃工場の運営協議会はない。しかし、その任を一手に引き受けているのが江東区議会清掃港湾委員会である。この問題にそれ以上追求する議員もいなかった。


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