こんばんは!わちゃっとのまちゃこです。
12月17日、わちゃっとカフェvol.6「結局なんなの?“オートファジー”」を開催しました!
ゲストは、東京工業大学大学院中戸川研究室に所属されている、持田啓佑さん。
ノーベル医学・生理学賞を受賞された、大隅良典先生の近くで研究されています。
今年大きな話題の一つとなった、大隅先生のノーベル賞受賞は、
もちろん持田さんにとっても、一大イベントだったそうです!
授賞式の会見などでは、にこにことお優しい雰囲気の大隅先生ですが、
70を過ぎた今でも研究室にいらっしゃる、研究熱心な方だそうです
実はお酒がかなりお好きだったり、話し始めるととまらなかったり
近くにいる持田さんだからこそわかる、先生のエピソードを伺えて、
大隅先生が身近になりました
ところで、大隅先生がノーベル賞を受賞されたのは、
「オートファジー」のメカニズムを明らかにした功績を認められたから、でした
でも、新聞やニュースで解説を見たけど、結局なんなの??と思っている人も
多いのではないでしょうか。実は、わたしもその一人でした。
今回のわちゃっとカフェは、
持田さんに「結局なんなの?“オートファジー”」という疑問に答えてもらおう!
というサイエンスカフェです。
「オートファジー」という言葉は、
「オート=自己」+「ファジー=食べる」という二つの言葉からできています。
細胞が自分自身の中にできたいらないものを、「袋」に包んで分解して、捨てたり、リサイクルしたりするシステムのこと
小さな小さな細胞ひとつひとつの中に、そんなスゴイ仕組みが備わっていたなんて!
その仕組みの存在には、50年以上前に気づいた人がいたのですが、
その現象を観察して、仕組みを解明することはなかなかできませんでした。
大隅先生は、いらないものを包んだ「袋」が破れないようにした「酵母」を使うことで、
その仕組みを顕微鏡を使って目で見ることができるような方法を確立したのです!
オートファジーは常に作動しているのだけれど、飢餓状態になると、より激しく進むそう。
細胞内の不要なものを使えるものにリサイクルして、栄養に変えているんだって。
つまり、このシステムがないと、私たちは、生きていられないってこと
そんな重要なメカニズムなのです
大隅先生の研究で、オートファジーのことがすべて解明されたわけではありません。
細胞内に突如現れる「袋」に関しては、多くの謎が残っています。
「袋」がどこから来るのか、そしてこの「袋」が大きく伸び縮みする仕組み、
そして「袋」が不要なものと必要なものを見分ける方法など、
たくさんの謎が残されています。
『結局何なの?オートファジー』というテーマは、オートファジーを研究する人たちの、永遠のテーマなのかもしれません...
持田さんは、「袋」が細胞にとって不要なものだけを選択的に包む仕組みについて研究なさっています。細胞内で、包んでほしいものにマークがつくのですが、そのマークとしての役割を担う二つの遺伝子、Atg39とAtg40を発見されたのです!!
そのご研究は昨年雑誌Natureに掲載され、以下の記事に詳しくインタビューが載っています。
残念ながらカフェの中では詳しく触れられなかったので、興味を持たれた方はぜひご覧ください。
さてさて、早いもので2016年も終わろうとしています。
今年は3月のvol.3から始まり、4回のわちゃっとカフェを開催することができました。
貝化石、カイコ、きのこ、オートファジーと、様々な分野の研究に触れ、多くの方からご意見やご感想をいただき、わちゃっと自身も大きく成長した一年となりました。
参加してくださったみなさま、陰ながら応援してくださったみなさま、
本当にありがとうございました
2017年も、
わちゃわちゃっとおしゃべりしながらサイエンスに触れるカフェを
たくさん開催する所存です!
どうぞ宜しくお願い致します。
わちゃっと一同
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます