【本で知性を抜けるか】
《蔵書を巡る看過できないニュースのこと》
ある人のTwitterで見逃せないコメントを見つけ、リンクされた記事を読んだ。
桑原武夫蔵書 遺族に無断で1万冊廃棄 京都市が謝罪
フランス文学者で元京都大教授、桑原武夫さん(1904~88年)の遺族から寄贈された蔵書約1万冊を、京都市が2015年に無断で廃棄していたことが、遺族側関係者などへの取材で分かった。利用実績が少 . . . 本文を読む
【レジェンド オブ ブルシット】
《高校生の頃、強烈なインパクトを覚えた「ブルシッター」のこと》
高校生の頃、朝日ジャーナル(筑紫哲也が編集長で、ロゴは「ASAHI Journal」)を読んでいた。定期的に読むようになって間もない頃、立花隆の連載「ロッキード裁判批判を斬る」で「論争」が始まった。
しかし論争とは名ばかり。相手があまりにものらりくらりしている。そこで筆者の立花が質問を4つに . . . 本文を読む
【身も心もたたき売るごじゅうまん】
《「月収50万円」のこと。「タヌキの皮」2016-12-04に新聞記事を追加し、タイトルを変更した上で再掲》
「月収50万円」がちょっとした話題になっている。
埼玉で人並みの生活、月収50万円必要 県労連が調査
埼玉県内で人並みに暮らすには月約50万円の収入が必要で、子供が大学に入ると支出が急に増え、奨学金がないと成り立たないとする調査結果を、県労働組 . . . 本文を読む
【死は前よりしも来たらず〜「がん」になった学芸員〜】
《誤診を潔く謝罪・撤回した山本幸三"医師"の業績をたたえつつ、考えたことなど。タイトルは『徒然草』の一節「死は前よりしも来たらず、かねて後に迫れり」(第155段)より》
学芸員を「がん」と診断した山本幸三"医師"が誤診を謝罪し、告知を撤回した〔注1〕。医療ミスに対する至極まっとうな処置である。……よくわからないが。
今から3年ほど前、 . . . 本文を読む
【俺は短期間で自動的に消去されて、復元できないようなシステムになっている】
《今年、ふたつの意味で消えそうなお笑い芸人のインタビュー記事があった》
正論吐いたら変わるのか 佐川宣寿〈のぶひさ〉理財局長さん(お笑い芸人)
俺なんて、まぁクズ芸人ですから。何か異論を述べたって「そうだな」なんて誰も思わないですよ。
ありますよ。政治の現場で「こうした方がおもしろいのにな、うまくいくのにな」と . . . 本文を読む
【うなぎのコンさぶろう】
《本ブログのタイトルや家族に関することなど》
中2の息子が「YouTubeデビュー」して1年あまり。既に250本を超える動画をアップしている。プログラミングスクールで作成したiPhoneアプリは、改良と不具合の改善・解消並びにiOSのアップデートへの対応等々の微調整を続けている。学校の勉強や成績はさておき、プログラミングや動画編集に関しては依然として興味関心とスキル . . . 本文を読む
【次期教科書検定筆頭合格候補道徳科教科用図書見本】
《偶然見かけた道徳教科書サンプルのこと》
ネットで調べ物をしていたら、つい脇道・寄り道・回り道をしてしまい、暴力団排除を謳う土木・建設業者の団体の「暴力団ミニ講座」というページに遭遇した。暴力団の「掟」についての説明がある——
暴力団には、その集団の生活上の行動基準として、制裁を伴う強制的な規範であるいわゆる「掟」という不文律があります . . . 本文を読む
【ファービーは永遠に】
《正統派キャスター論を読みながら、むしろファービーで十分ではないかと考えた話》
国谷裕子の『キャスターという仕事』(岩波新書、2017年)を読んでいた。その一節——
インタビューでは準備も重要だが、実際のインタビューの場面になったら、いったんその準備で得たものをすべて捨てなくてはならない。そして、相手の話を真剣に深く聞き、その人が何を言わんとしているのか、丸ごと捉 . . . 本文を読む
【「天壌無窮ノ皇運」嫌いの「天壌無窮ノ皇運」好き】
《「天壌無窮ノ皇運」は嫌いになっても「天壌無窮ノ皇運」は嫌いにならないで下さい》
矢野久美子『ハンナ・アーレント』(中公新書、2014年)に、アーレントがレッシング賞を受賞したときの演説「暗い時代の人間性—レッシング考」に言及した一節がある——
アーレントは次のように語っている。
世界にたいする彼〔引用者注:レッシング〕の姿勢は、肯定的 . . . 本文を読む
【今そこにある勅諭】
《教育勅語もいいけど、軍人勅諭もね。〔2017-04-06追記〕本文中の「日本人」適用対象外リストを10%増量》
滅私奉公の道徳律と「最後はみ〜んな、来世」の合言葉でおなじみの教育勅語がリバイバルしたのもつかの間、いま、その地位が脅かされている。軍人勅諭のせいである。
ふやけた教育勅語に対し、ストレートに「号令一下即来世」を謳いあげる軍人勅諭のインパクトは比較になら . . . 本文を読む