アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

治療方法に関する情報を集める時の留意点

2018年09月23日 | 医療について

子宮筋腫の治療に関して、担当医から紹介状を書いてもらったものの、どこの病院へ行こうかまだ決めていなかったので、早速リサーチを始めた。

UAE(子宮動脈閉塞術)による治療も考えていたので、それを行っている病院を探し、めぼしい病院を都内で幾つか見つけた。その中には、脳脊髄液減少症の治療の為、5年前に訪れた東京青山にあるS病院も考えていた。私の場合、重症でなかったせいなのか、ここの脳神経外科の担当医にけんもほろろに否定され、非常に不愉快な思いをした経験があったため、この病院へ行くのをかなり躊躇した。けれども、産婦人科の医師は違うことを願って、まずここを受診してみることにした。(ちなみに、脳脊髄液減少症については、その4か月後にK病院の医師に診断確定して頂いたお蔭で、発症からギリギリ1年以内にブラッドパッチをして頂き、命拾いをさせていただいた。発症から1年経つと治りにくくなるそうなので、危うく治療が遅れるところであった。)

予約は7月下旬頃に入れたが、なんと、私が読んだ本やネットの情報が書かれて以来、S病院の体制が変わってしまい、当時UAEをやっていらしたH医師が、どうやら小田原にあるY病院へ行ってしまったそうで、UAEをする場合は、この病院ですることになってしまったそうだ。H医師に会うことを期待していたのだが、そのためにわざわざ遠い小田原までは行けなかったので、とりあえずS病院で予約を入れた。

その間に、治療方法に関する様々な情報をできるだけ多く入れようと、ネットを使って、日本と海外からできるだけ多くの治療実績に関する情報を集めた。その際に私が気を付けたことは、

自分の気持ちが、子宮を取りたくがないためにUAEの方に傾いてしまっていることに気づいたため、まずはそれをリセットした。

客観的に情報を集めようとする際、自分の思い込みや思い入れが強いと、情報がどうしても偏る。これは、マーケットリサーチなどで情報を分析する時には特に気を付けなくてはいけないのだが、人間は、知らないうちに先入観を持っていることが多く、知らないうちに自分にとって都合の良いデータ、情報しか見ておらず、結果、事実を歪めてしまうことは多々にしてある。残念ながら、多くの企業はそんなことにも気づかぬまま、間違った意思決定をすることが非常に多い。

なので、私は一旦頭を真っ白の状態にして、とにかく治療実績やリスクの数値情報をできるだけ集めることにした。

それ以外には、アメリカに住んでいる友人が、たまたま過去に子宮筋腫の手術をしたことがある人が何人かいたので、その友人を通して色々情報を得られたことは大きかった。

先日のブログにも書いたが、多くの情報はアメリカやイギリスの病院、もしくはメディカル関係サイトだった。日本では、個人のブログや、子宮筋腫に関する専門サイトが存在するものの、治療に関する一般的な情報ばかりで、治療実績の具体的な数値結果、手術後の患者の再発率、再手術率、卵巣機能不全や子宮内膜壊死といったリスク、手術後の妊娠・出産・流産率などの情報が全くなく、ほとんど役に立たなかった。

こういう情報を、私は医師に求めているのに、日本の医師はこういう情報を持ち合わせていない。おそらく病院内でそのような実績を取っておらず、手術をやったら、やりっぱなし、という状態になっているのではないかと推測する。

これは何も病院だけではない。企業も、何かキャンペーンや施策をやったらやりっぱなしで、その後の分析やフォローができていない企業が結構ある。

幸い、私はアメリカの大学院で沢山の専門書を読んできたので、海外の学会などの資料や医療ジャーナルなどの資料を読むのにそれほど困難を感じなかった。こういう時に英語ができて本当に良かったと思うのだが、色々調べてみたら、多くの驚く事実を発見することができた。

長くなるので、詳細は割愛するが、結論として、UAEは万能な治療方法ではない、ということが分かった。また、FUS(集束超音波治療)という治療もあることが分かったが、これは私の場合はあまり効果がなさそうだった。他に、子宮全摘出、子宮筋腫核出術の治療実績、リスク、その後の予後なども全部調べ上げ、私の中でかなり頭が整理された。私のノートには、一覧表という形で情報がびっしり埋まった。

これで医師となんとか対等に話せる知識の状態になったのではないか、と思うが、一つ分かったのは、

どれも万能な治療というものはない

ということだ。それぞれの治療方法にメリット、デメリットがあり、100%安全で完治するものではない、ということだ。私の担当医は子宮全摘出で完治すると断言しているが、こちらも実は多くのデメリットが存在する。いや、私の調べた中ではデメリット、という点では一番多かった。また、特に子宮全摘出に関しては、医師がその後の予後を追わないので、手術後の患者のデータが全くない。一番不可解なのが、この点なのである。

これらの情報が分かっただけでも、私の心は随分軽くなった。後はどうすればよいか、他の病院の医師の意見も聞いて、できるだけ自分なりに合理的な判断を下したいと思う。

 

 

 

 


医療情報を開示しない日本の現状

2018年09月16日 | 医療について

先週書いたブログ、「セカンド・サードオピニオンは必ず取った方がいい理由」の続きです。

子宮に筋腫があることが分かり、治療法を本やネットで調べたところ、UAE(子宮動脈塞栓術)という治療法があることが判明した。最初にかかった自宅近くのS大学病院の担当医は、そんなことも全く口に出さなかったので、7月の診察日に聞いたところ、この治療法は知っているが、勧めていないとのことだった。

ところが、こちらで海外の情報も含めて調べてみると、お腹を切らずに治療でき、かつ筋腫も小さくでき、子宮も温存でき、日本の事例でも妊娠できなかった女性が妊娠した、というケースもあり、かなり安全な治療だということだった。それで不可解に思い、何故、勧めないのですか、とその医師に聞いたところ、

UAEは治療効果があまりない。ほとんどの病院ではやっていない。

とのことだった。けれども、何故、どのような点で治療効果がないと言えるのか、具体的な事例や数値実績などは全く教えてくれない。おそらくこの医師はそこまで知らないのであろう。やはり、日本のお医者さんは不勉強である。メリットもデメリットも含めて、過去の実績を教えてもらわなければ、こちらが正しい判断を下せない。単に治療効果があまりない、という漠然としたことを言われても、何がどういう理由で治療効果がないと判断しているのか、何故日本ではほとんどの病院でやらないのか、理由がさっぱり分からない。

そういう情報をきちんと提供して欲しいのに、できないとは一体、何なのだ?!その為の医師ではないのか??、と怒りを感じつつも、それ以上、その医師からこれ以上情報が引き出せなかったので、結局、自分自身で調べることにした。

調べるのは、本やネット、また今回はアメリカやイギリスの病院サイトや学会の資料から。日本の情報は本当に限られていて、学会の情報は一般には公開されておらず、会員制になっていて見られない。手術件数・治療実績を明かしている病院は非常に少なく、日本からは情報がほとんど得られない。一番役に立ったのは、やはりアメリカとイギリスなど、海外のサイトだった。特にアメリカでは、学会の資料なども既にオープンになっており、病院の実績も細かく記載されている。また、同じ子宮筋腫を抱える患者さん同士のコミュニティーサイトや、医師と患者さんが直接やりとりできるサイトもあり、非常にオープンだ。実際に患者さんの体験談も聞けるので、これほど有用な情報はない。

一方で、日本ではこの様な情報が非常に少ない。患者同士のサイトは全く見つからなかった。以前に、UAEを受けた患者さんのコミュニティーサイトがあったようだが、調べてみたら、サイトが消えていた。何故なのか?日本医師会からの圧力??

こうやって調べると、日本は何故、情報開示をしないのか。これでは、患者さんが正しい選択、納得できる選択をしたいと思ってもできないのではないか?

病院や医師が正直な実績や情報を提供しないから、患者さんは受け身にならざるを得ず、したくもない治療、納得していないのに治療を受けてしまった患者さんが日本では結構多いのではないか?

と感じた。

実際、私が行ったリサーチの中に、子宮筋腫が見つかり、医師からは一方的に子宮摘出を言い渡された患者さんが、半分納得しないまま、しぶしぶ手術に応じたそうだ。生理痛もなくなるし、筋腫の再発も心配することはない、メリットづくしのはずだったのが、子宮摘出後、大きな喪失感に襲われ、うつ状態になってしまったばかりか、元々、体調の不調があったその女性は、これまでなんとか保っていた体のバランスが大きく崩れて、様々な症状を訴えるようになってしまったそうだ。

そもそも、納得しないまま手術に応じた彼女も彼女だが、それを半強制的に進めた医師の罪は最も重い。基本、どんな治療・手術でも100%安全、無事故というものはない。そういう情報も伝えないで、その治療がベストだ、と言い切るのはあまりに無責任。

詳しく調べてみると、子宮全摘出でもデメリットがあるにも関わらず、日本側はこういう情報をほとんど開示していない。海外ではこういう情報がオープンになっているにも関わらず、日本の情報開示は何故、こうも遅れているのか?

もう一つ言えば、アメリカでは、医師個人の情報も開示しており、その医師の経歴や、手術の内容や実績も記載されていて、患者自身が医師を選べるようになっている。日本では、ようやく病院の手術実績を開示している病院が幾つか出てきた程度で、医師個人の実績は調べられない。結果、患者さんは医師を自分で選べない状態になっている。

あともう一つ、疑問に思うのは、各病院での医療事故件数の情報開示である。日本でこれだけ医療事故が毎年のように起こっているのに、そういう情報は一切開示されない。開示されるのは、マスコミで取り上げられて騒がれているほんの一部の病院だけであり、実際、医療事故は日常茶飯事に起こっている。

航空会社では、過去の事故件数が公開されているのに、人の命を預かる病院で医療事故数が記載されていないのはおかしいのではないか?

また、日本では海外と違って、医師免許が更新制になっていないから、余計に不安になる。こういう面をどんどん改善していかないと、不信感を持つ患者さんが今後どんどん増えるのではないかと感じている。現に医師に不信感を持つ患者さんは増えており、昔は医師は尊敬されていた職業だが、今はそのような目で見る人が少なくなっている。いい加減な医者、説明責任を果たさない医師が増えてきたからであろう。

日本医師会を始め、病院、医師達の意識改革が行われないと、医療事故が減らないし、医療訴訟も増えていく一方である。現在、日本では年間800~900件もの医療訴訟が行われているそうだ。あまりに多すぎる。

この後のセカンド、サードオピニオンの病院に行った結果ですが、その続きはまた後日に。


女性の本来の幸せな生き方とは?~箴言31章からの考察~

2018年09月11日 | 人間について

かなりご無沙汰してしまった聖書に関するブログ、聖書を日々読むことをサボっていたわけではないのだが、何かこう、一般の人達に届くようなメッセージが思い浮かばず、今日まで随分時が経ってしまった。

旧約聖書の箴言は、先月辺りからずっと読んでいて、今日ようやく最後の章、31章に来たのだが、この章の10節以降は女性の生き方について、女性のあるべき姿について書かれている。今の現代の部分に通じる所もあるが、通じない所がむしろ多いのではないか、と、実は長年感じてきた。何故ならば、聖書で書かれている女性の生き方は、昔で言う、”良妻賢母”、つまり女は家庭を守って、男は外で働く、というイメージの方が強く、古臭い女性のイメージが拭いきれなかったからである。

ところが、今日改めてこの31章を読んで見ると、実は全くそうではないことは判明した。むしろ、聖書、特にここで書かれている女性は専業主婦よりもむしろ、家事もやって仕事でもバリバリ働くキャリアウーマンだったのです!

箴言31章13節以降にその彼女の働きぶりが記載されている。順にみていきたいと思う。

13-14節:彼女は羊毛や亜麻を手に入れ、喜んで自分の手でそれを仕上げる。彼女は商人の船のように、遠い所から食料を運んで来る。

これは、家族の衣服や食料を調達するためのものでしょうか、副業でやっているのかもしれませんが、家事の可能性が高いような気がします。

15節:彼女は夜明け前に置き、家の者に食事を整え、召使いの女たちに用事を言いつける。

これは、今の時代でも共通していますね。日本の多くのお母さん、一部ではお父さんがしている所もあると思いますが、朝早く、子供のお弁当や朝ごはんの支度をしていますよね。私の母もそうでした。家族の誰よりも早く起きて、お弁当と朝ごはんの支度をしてくれました。

しかし、次が驚きでした!

16-17節:彼女は畑をよく調べて、それを手に入れ、自分でかせいで、ぶどう畑を作り、腰に帯を強く引き締め、勇ましく腕をふるう。

なんと彼女は、自分で不動産屋を回って自分で土地を購入して畑を作ってしまったのですね!しかも勇ましく働いていて、何て行動力のある女性なのだろうと思います。

18節:彼女は収入がよいのを味わい、そのともしびは夜になっても消えない。

ここで明らかなように、彼女が畑を購入したのは、ビジネスをするためだったのです!旧約の時代でも、女性がお金を稼ぐことに何の問題もなかったわけです。

日本では儒教の影響から、男尊女卑という考え方がなかなか抜けず、女性がバリバリ働くことへの抵抗感が、欧米諸国などと比べて非常に高く、未だに男性の多くにこのような考え方を持っている人達が存在します。ましてや、女性が男性よりも収入が多いなんて許せないわけです。悲しいかな、日本の男性の多くは、女性よりも男性の方が収入が多くないといけない、という固定観念にしばられています。けれども、聖書ではそんなことは一言も書かれていません。

そして、彼女がやっていることはこれだけに留まりません。

20節:彼女は悩んでいる人に手を差し出し、貧しい者に手を差し伸べる。

家事をやって、ビジネスをしているのであれば、自分や家族のことで精いっぱいのはずなのに、なんと困っている人達にも手を差し伸べているのです。自分のことだけでなく、他人のことも顧みて助けてあげているなんて、なかなかできないことです。

そんな彼女に対して、彼女の夫は彼女に抵抗感を感じるわけでも、嫉妬するわけでもなく、むしろ大絶賛しています。

28-29節:...(前文省略)夫も彼女を褒めたたえて言う。「しっかりしたことをする女は多いけれど、あなたはそのすべてにまさっている」と。

何て懐が大きい、素敵な旦那様なのかと思うのですが、彼はこのような妻の生き方に喜びを感じて下さっているわけです。

こうして見ると、本来、女性というものは多彩な才能を持った人間だということが分かります。にも関わらず、今の日本、特に関東に住んでいて思うのですが、

今の日本の女性達は仕事ばかりに邁進していて、キャリヤや仕事の能力向上ばかりを求め、他にあるかもしれない才能を潰しているのではないか、お金には直結しないが、素晴らしい才能や能力も潰してしまっているのではないか

とふと感じました。

男性とは違って、女性は複数の仕事を一度にできる能力があるといわれており、この箴言の女性を見ているだけでも、多彩な能力を持っていることが分かります。けれども当時は、今の日本社会のような長時間残業や長時間労働がなかったでしょうから、仕事もして、かつ他人のことも顧みる余裕があったのだと思います。

残念ながら、今の日本の働き方は女性や母親には全く優しくなく、未だ残業が多く、人生のほとんどが仕事で埋もれる人生を送っている人達が多い、というよりは、送らざるを得ない、と言った方がいいのかもしれない。

結果、まだ小さい子供を保育園に預け、夜遅くまで働いて、親も子供も毎日ぐったり、の生活を送り、食事は近くで買ったスーパーの総菜で済ませてしまう。こんな人生が、本当に女性にとって、そして子供や家族にとって幸せなのだろうかと感じてしまいます。

仕事で女性の能力を開花するのは大変良いことなのですが、それが今の日本の働き方では、

逆に仕事でした能力を発揮できない、仕事でしか自分のアイデンティティーを見いだせない、つまり、仕事によって逆に自分の首を絞め、自分の能力が狭められてしまう状態になっている

のではないかと感じています。

今の日本の女性達は本当に幸せなのでしょうか?

以前、安倍総理が「一億総活躍社会」を謳っていましたが、それこそ生き方の押し付けではないかと思います。本来、女性は多彩な生き方ができる人間であり、それができる多彩な働き方を実現させるべきではないかと思うのですが、日本は未だに、フルタイムの正社員、もしくはパートか派遣、という2つの働き方しかできず、欧米諸国にあるような週3日の正社員の仕事、フレックスタイム制、在宅勤務制度の導入が非常に低い。低すぎる。先進国の中では最低レベルになっています。

そういう意味で、日本という国は何て女性にとって生きにくいのだろう、と感じざるを得ず、海外滞在を経験した私としては、できれば一刻も早く日本を脱出したい気持ちに常に駆られています。

 

 

 

 


セカンド・サードオピニオンは必ず取った方がいい理由

2018年09月09日 | 医療について

6月になって右下腹が急に痛くなり、近くの大学病院の消化器内科で超音波検査をしたところ、子宮に腫瘍が発見されたので、同じ病院の産婦人科に回された。日本の産婦人科は嫌な思い出があり、私が最も苦手とする所だったのですごく嫌だったのだが、病気が発見されてしまった以上、仕方ない。なんとか良い医師に当たるように願っていたが、この病院では、初診の医師と再診の医師が別になっており、初診の医師は一人だけしかいないので選択肢がなかった。しかし、その医師は私と同世代の男性の医師で、こちらからの質問にも丁寧に答えて下さり、話しやすくて良い医師だった。その医師は、早速MRI検査の予約を取り、検査を後日することになった。

しかし、その結果が出る前に生理になり、生理痛があまりにひどいので、病院に駆け込んだところ、その時点で既に再診となり、別の女性医師に診てもらうことになった。その方はおそらく30代後半~40代前半と思われるが、ブスコパンを処方されたので、ロキソニンと何が違うのか、と聞いたところ、

「効き方が違うだけです」

の冷淡な一言だけ。薬の名前が違えば効き方が違うのは効き方が違うくらいのことは私だって分かる。何故その薬を処方するのか、その根拠が知りたいのに、患者に対してそのような態度はないだろう、と思い、とても不愉快な思いになった。同じ女性でしかも経験がある医師なのに、何故そのような態度に出られるのか非常に残念だ。

この産婦人科女医からの不愉快な経験のあと、再度、MRIの検査結果を聞くために同じ科を訪れた。また担当医が変わり、30代くらいの若い男性医師だったのだが、開口一言、「腫瘍は6センチだけでなく、3センチのものもあり、他に小さな筋腫もいくつかみられるので、子宮全摘ですね。」

はい??悪性腫瘍でもないのに、いきなり全摘?

そんなことは全く想像さえしていなかったので、ショックを隠しつつも、他に治療法がないか聞いてみると、「全摘しか完治しません。」の一点張り。

「筋腫だけを取ることはできないのですか?」と聞いても、「全摘しかありません。」と言うだけで、他の治療法も提示せず、腹腔鏡手術で済むから心配ないですよ、子宮取れば生理痛がなくなりますよ、など手術のメリットばかりを話してデメリットを全く言わず、入院の話に進めようとするので、

「すみませんが、すぐに決められないので、次回にして頂けますか?」と聞いたところ、1週間後に予約をすぐに入れられてしまった。

何かおかしい。どうもこの医師は私から子宮を切りたがっている、そうとしか感じられず、疑問を感じたため、家に戻ってから病院のウェッブサイトで、この医師の経歴をチェックした。すると、この医師は日本内視鏡外科学会技術認定取得者だということがわかり、それでなんとなく納得した。残念ながら多くの日本人医師、特に外科医は自身の功名心のため、手術の腕を上げるために手術をしたがる医師が多いと聞く。(だから、日本では高齢者でも無駄な癌手術が行われたりするのだそうだ。)

すっかり警戒心を持ってしまった私は、翌日すぐに病院に予約変更の電話を入れ、ついでに担当医を最初に診てもらった医師に変更して欲しい、と看護師にお願いをした。何故変更するのか理由を聞かれたので、

「詳しい説明もなしに、いきなり子宮全摘を言われて、この医師はどうも切りたがっているとしか思えず、信頼できないからです。」

と、正直に答えたら、看護師の人も分かって下さって、すぐに変更してくれた。予約は7月の初旬になり、それまでまだ時間があるので、子宮筋腫の治療法に関する本を読んで勉強したり、ネットで海外の治療法も含めてざっと調べ、そして、その医師への質問を手帳に全部箇条書きにして、7月にその医師のもとへ行った。

まず、私の筋腫の状態の詳細を図などを使って分かりやすく説明して欲しい、と医師に伝えた。これは本来、最初の検査結果の時に担当医がちゃんと伝えなくてはいけないものではないのか、と思うのだが、その医師は腫瘍が子宮のどの位置にあって、どんな種類の筋腫なのか図を使って説明して下さった。その間に、私は自分が分かるまで何度もその医師に質問をしたが、幸い、その医師は嫌な顔一つもせず、ちゃんと答えてくれた。しかし、治療法に関しては、子宮全摘しか完治はないが、経過観察でも良い、と言われた。けれども、ホルモン治療は副作用が強く、治療を止めたら筋腫がまた大きくなるので意味がないとの事。

ホルモン治療は私も最初から受けるつもりはなかったので、この点だけ、この医師と見解が一致している。しかし、どうも子宮全摘がベスト選択だ、という雰囲気があったので、

「申し訳ないのですが、正直、お腹を切ったことがこれまでに全くなく、腹腔鏡手術でできるとは言え、お腹に傷が残るのでかなり抵抗があります。また、子宮は取りたくありません。それで、他の病院の医師のご意見も伺いたいので、紹介状を書いて頂けますか。」

と伝えたら、嫌な顔をせず紹介状を書いて下さった。この時点で、この医師だったらまあ、信頼できそうだ、となんとなく感じた。ここでもし、医師が紹介状を書くのを渋ったり、嫌な顔をされたら、私は即座にこの病院の診察を止め、別の病院へ行っていたことだろう。

セカンドオピニオンが日本でもようやく叫ばれるようになったものの、医師の中には未だにそれを嫌がる人がいるのだそうだ。しかし、そういう医師は、たとえ長い付き合いであって馴染みのある医者だとしても、危ないと思った方がいい。何故ならば、

医者も所詮はただの人間であり、その診断力や判断力には個人差があり、限りがある

からだ。従って、

医師の診断や治療法など、少しでも納得がいかないのであれば、すぐに決断をせず、とことん、自分が納得するまで追求するべきである。決して受け身になってはいけない。

のである。

残念ながら、必要のない治療や手術をする医師が存在する以上、自分の体は自分でしか守れない。難しいことを分かりやすく説明できない医師は、まずダメ医師と思ってくれってまず間違いない。本当に優秀な医者は、患者の目線で症状を分かりやすくきちんと詳細に説明してくれる人であり、また、自分がやりたいと思う治療法を決して患者さんに無理強いはしない。患者さんが何度しつこく質問しても決して怒らない人なのである。

より正しい治療決断をするためにも、患者側でできるだけ多くの情報を持っていると、よりよい判断につながる。そのことについては、この後の出来事も含め、後日述べたいと思う。

 

とりあえず、本日はここまでにしたいと思う。つづきは後日。