アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

私がかかりつけ医を持たない理由~堀ちえみさんの舌癌で思ったこと~

2019年02月24日 | 医療について

日本では、かかりつけ医制度を一生懸命推進している。これは、高齢化で老人の数が増え、大学病院など大きな病院へ患者が殺到しないため、また、手術を必要とするような重症患者さんを取りこぼさないようにするための制度であるのだが、日本の場合、医師の腕のばらつきが多く、また、どの領域にも精通している優秀な開業医がほとんどいないため(少なくとも、私はこれまで日本でこの様な開業医にお会いしたことがない)、かかりつけ医は持たないことにしている。

特に5年前に脳脊髄液減少症になってから、それを非常に痛感した。私は最初に異常を感じた時点から、これは通常ではない、と感じ、即座に大学病院へ向かった。たまたま、当日の担当医がこの病気の知識を持っていたため(しかし、他の勤務医や看護師は当時、この病気の名前さえ知らなかったようだ)、早く治療ができたが、これがもし、最初にかかりつけ医に行っていたら、他の多くの脳脊髄液減少症の患者さんと同じように、病名が分からず、病院をたらいまわしにされ、徐々に悪化していたかもしれないのだ。

また、今回、タレントの堀ちえみさんの舌癌が公表されたが、彼女の癌の発見が遅れたのは、そもそもかかりつけ医にかかっていたからだと確信する。日本の医療界は、欧米とは違って残念ながら、外科や皮膚科、消化器内科、循環器内科、婦人科といったあらゆる分野に精通した医者を養成するシステムがない。そういうトレーニングを受けていない医師達が開業医となれば、自分があまり知らない分野、苦手な分野があってもおかしくないだろう。また、最近は、勉強しないマニュアル医師が多く、豊富な臨床経験も持たない医師も増えているため、私の医療不信はますます増大するばかりなのである。

今では、インターネットなどで色々調べられる時代になったから、まずおかしいな、と思ったら、ネットでしらべ、この症状はどこの科へ受診すればいいのか、予め見当がつく。症状が大したことがなければ、信頼できそうな近くの病院やクリニックへ行くが、そうでなければ、お金がかかっても大学病院の特定の科へ直接行くようにしている。私は、過去に脳脊髄液減少症にかかっており、いつまた再発するかも分からないので、何かあった時のことを考えて、症状が重ければ直接大学病院へ行っている。

その結果、大したことではなかった場合もあり、医師からはかかりつけ医に行ってください、と言われるのだが、ではもし何か重篤な病気だった場合、その責任はだれが取ってくれるのだろうか?堀ちえみさんは、癌の発見が遅れてしまったが、その責任はだれが取ってくれるのか?結局、誰も取ってくれないのだ。

自分の命は自分で守るしかない。そもそも日本は、各領域の専門知識を持ったかかりつけ医が存在しない以上、私はかかりつけ医は持たないことにしている。何かあれば、その特定の科の病院、鼻が悪ければ耳鼻科、お腹がおかしければ消化器内科、というように症状別に病院を使い分けている。

かかりつけ医を持ちなさい、と言われるのは押し付けであり、持つ持たないは個人の自由ではないのか。かかりつけ医を持ってしまったがために、重篤な病が見過ごされたり、発見が遅れてしまっては元も子もない。そう言うのであれば、欧米の様に、それ専門のドクターをきちんと養成する必要があるのではないのか?最初から、どの程度の腕があるのかも分からない医者に自分の命を預ける気には毛頭ならないのである。

 

 

 

 

 

 



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