アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

首相交代劇をやっている場合ではない! 

2012年09月02日 | 政治・国際情勢について

先日、野田総理に対する問責決議案が可決された。野田総理はこれにすぐに応じない姿勢を取っているものの、もはや時間の問題であろう。「また首相が変わる....」そう思った人が多いのではないだろうか?

平成に入ってから、野田総理ですでに17人目の総理である。たった、この平成24年間の間に総理が17人も交代することになるのだ。単純計算しても、総理の平均在職期間は1年足らずという計算になり、特に平成10年以降、首相交代劇が加速化、橋本氏や小泉氏を除けば、首相は1年や数カ月で交代しているというあり様である。

この様な首相交代劇の有様は、既にアメリカを始め、中国や韓国、ドイツなどのヨーロッパ諸国のお笑い草となっている。日本はもはや、かつての経済大国の威信も失い、諸外国からの信用はもはやないものと同然の状態だ。長年の経済低迷により、アメリカのオバマ大統領から、日本はもはや衰退と苦難に陥っている国だと言われ、ブラジルの大統領からは「朝、挨拶をした首相が、夕方には別の首相になっていた」と言われる始末。

アメリカや中国を始め、諸外国はもはや日本を最重要国だとは思っていない。思っていないどころか、むしろ舐められてしまっているのではないかと思う。その証拠に、竹島や尖閣諸島の問題が良い例だ。オリンピックで、韓国の選手が竹島の領土主張をしたり、ましてや国のトップである大統領が竹島に上陸するなど、火に油を注ぐような行為が公然と行われてしまているのは、日本が舐められてしまっている何よりの証拠である。これがもし、相手がアメリカだったら、韓国もこの様な行為は絶対に取れないだろう。

これは日本人の悪癖であるが、衝突を避け、表沙汰にするのを嫌う日本人は、問題に真っ向から向かい合って解決する能力に欠け、うやむやにしようとする傾向にある。これは日本の家庭や学校教育にも問題があるが、聖書で言う「罪」の意識が、聖書を知らない大多数の日本人の考えにはない、とも思われる。周りと同調して育つように教えられる日本人は往々にして自己主張がない。衝突ではなく、自己主張ではなく、妥協を強調される。従って、人から教えてもらうものをそのまま鵜呑みにし、自分では何も考えない。

話はピアノレッスンにそれてしまうが、レッスンにおいても、先生が何でも教えてくれることを期待し、自分なりに工夫したり、考えたりする子供がほとんどいないのに驚く。先生から言われたことだけしかやらない子、言われたことをやってくるだけならまだマシな方だが、言われたことさえもやらない子供たちがいる。このような子供達が大人になると、苦境や困難に立たされた時、自分で考えて乗り越える強さは到底持てないだろう。そのような子供達が大人になった頃の日本を考えるとゾッとさえする。

私の友人でダンスを習っている人がいるが、彼女曰く、同じ生徒さんでも中国人や韓国人などの外国人の方がレッスンに対して意欲的で、かなり真剣に取り組むそうだ。それに比べて日本人は、ある程度は頑張るものの、外国人の人達と比べるとそれ程ではない。

最近、日本の企業でさえも中国人や韓国人など、日本人よりも外国人の採用に積極的だ。日本の雇用問題がある中でこの様な動きを批判する人もいるが、採用する側にしてみれば当然の事である。英語もそこそこしかできない、自分で考えることができない、根性や忍耐力がない日本人を採用するよりは、優秀な外国人を雇いたいと思うのは当然だ。企業を批判するのではなく、日本の教育の在り方、家庭教育の在り方、そして私達大人が変わらなければ何も変化しない。

その大人達へ良く考えてもらいたいのが、今の日本の現状を考えた時、果たしてまた首相交代が良い選択なのだろうか?有望なリーダーシップがいない今の日本の中で、政権交代をしたとしてもどうせ同じである。そもそも過去の自民党の長期政権により、国民年金や医療、国家が破たんしかかっているわけであり、その自民党に、本当にまた任せてよいのか?

今の日本にとって必要なのは、諸外国との信頼回復である。経済問題よりも、領土問題等で外交問題が窮地に立たされるような状況になれば(究極の場合、戦争になれば)、経済問題を悠長に取り組んでいる場合ではなくなるだろう。首相がコロコロと変われば、諸外国トップとの長期的な信頼関係を結ぶのは所詮、不可能である。

自民党は政権奪回に躍起になっているが、所詮、自民党に政権がまた変わったとしても、今の自民党には日本を変えられないと断言してもいい。変えられるものなら、とうの昔に変えているはずだ。年金の問題を何十年も放ったらかしにしておいて、あらゆる所で無駄金をばらまき、怠惰な政治を続けた自民党の体質が根本から、しかもこんな短期間に変わるとは到底思えない。

我々、日本人もこの総理が駄目だから次の総理へ、という安易な期待を持つべきではない。それは過去にとっくに何度も裏切られていいるはずなので、いい加減に学んでもらいたい。野田総理に対しては様々な批判もあるだろうが、世界の中の日本を考えた時、このような首相交代の茶番劇をやっている場合ではない。