好きな物語(その30)…「ちいさいおうち」バージニア・リー・バートン作
作者は「せいめいのれきし」などを世に送ったアメリカの絵本作家(^_^)v
この愛らしく隅々まで丁寧に描いてある絵本をどれほど繰り返し読んだことだろう!…と言っても、出会ったのは大分遅く、確か中高生の頃だったと思うけど、バートンの作品は絵本と言えども決していい加減な話は書かず、小さい子供から大人まで十分に納得できる内容になっているので、出会ってから何年でも何度でも失望することなく読み返せる所以だ(*^_^*)
それは彼女の「せいめいのれきし」や「せいざのはなし」にも共通して言える(^_^)v
「ちいさいおうち」に戻ると、自然豊かな田舎の丘の上に、あるご夫婦が可愛い小さな家を建て、そこで子供達が育ち、代々の子供達が育っていった頃、世の中が段々忙しくなり田舎だった家の周りもいつの間にか町になり都会になっていった…そこの家族もいつの間にかもっと都会に出て行き、このちいさいおうちは誰にも忘れさられていたある日、小さな子供の頃に祖父母だか曽祖父母だかの家に遊んだ覚えのある人が最早騒がしい都会となってビルの真ん中に昔のままに建っているその家を発見し、その家をまるごと車に載せて記憶の丘の上のような土地を探して延々、都会を後にして街を通り町を通り、村を通り、やっと思い出に似た丘の上にちいさいおうちを落ち着かせ、めでたしめでたしとなるんだけど、ちいさいおうちの周囲があれよあれよと都会になる経過と、都会にあったちいさいおうちを延々と車に載せてはるか遠い丘の上に運ぶ気の遠くなるような距離に作者の痛烈な文明批判が感じられる(^_^)v