折角のGWなのでどこか手頃な山に行こうと考えていたところ、相棒が瑞牆山にまだ行ったことが無いという。私は若い頃から何度もあり、また百名山特有の人の多さに抵抗を感じ、最近はとんとご無沙汰であったが、バリエーション尾根を組み合わせて、山頂での展望が良くないと聞いていたことからこれまでなかなか行く機会が無かった小川山にも足を延ばしてみることにした。本来であれば、前夜発日帰りで踏破できそうな行程ではあるが、今回は余裕を持たせて、初日は富士見平までの移動に留めて幕営とし、翌日早朝から行動を開始することにした。
朝のんびり家を出て、韮崎駅11:00発のみずがき山荘前行きのバスに乗り込む。朝一番のバスは、4、5台出たそうだが、中途半端なこの時間では10数名の1台のみで出発した。途中、「ハイジの村」というフラワーセンタ施設の停留所を経由しながら、増冨温泉(日帰り温泉施設は休業らしい)を通り、懐かしの林道を遡って、里宮平の瑞牆山荘前に到着した(12:20頃)。
▼久々の瑞牆山荘
▼里宮平の手前から路肩での駐車が目立ち始め、辺りは駐車した車で大混雑
1時間弱で富士見平に到着。樹間のテント場はかなり広いが、良い場所はほぼ埋まっており、何とか適当な場所を見つけ、テントを張る(今となっては安い部類の1000円/人泊)。また歩いて数分の場所にある水場は水量が豊富で冷たく美味!
▼キャンプ場の雰囲気。空いてそうな写真だが、かなりの混雑だった。
翌朝は4:30起床。簡単なラーメンを食べて、テントを残置して出発しようとしたところ、ちょっとした予期せぬ出来事が発生。幕営者向けのトイレが、男性=大1小1、女性=1しかなく、長蛇の列が出現。1時間以上もかかってようやく出発と相成った(6:20発)。
▼途中、八丁平を経て小川山方面に向かう道が分岐。帰路はここに戻ってくることになる。
天鳥川を渡渉し、桃太路岩の右脇に作られた立派な階段を登って、瑞牆山の山すそに入る。真新しい鎖やハシゴがあちこちに作られ、また踏み跡も輻輳した感じで、登る人降りる人が交錯しかなり混雑。
▼途中、ロープ柵を越えてパノラマコースに少し入り、大ヤスリ岩の基部に立ち寄る。
道はほどなく黒森からの道と合流し、山頂へ北側から取り付く急登に入る。人が多く、少々渋滞。歩行には大して支障はないが、融けて凍った雪が少々残っていた。
▼快晴の山頂。南アも雪が少ないようだ。
▼瑞牆山山頂から、これより辿る東尾根と小川山(左端)を望む。意外に遠そうだ。東尾根上の鋸岩が手前に見えるが、この後、その左側(北側)をトラバースして進むことになる。
山頂から来た道を戻り、山頂基部へ降りる鉄ハシゴを降りた後、来た道とは逆の右側(東側)に折れて東尾根を進む。
▼鉄ハシゴから右を見たところ。辺りに赤リボンや標識らしきものはない。8:45頃
▼ひさし状に被さった岩の下をクラックに指を置きながら慎重に進む。東尾根ではここが難所かも。バリエーション慣れしていれば、それほど厳しくはないかも。
▼東尾根上には巨大な岩峰が断続的に現れるがほぼ左側(北側)に沿って、明瞭な踏み跡と赤リボン&テープに従って進む。所々に雪が残っていたが、歩行に支障はなかった。
▼東尾根序盤にはもう1つちょっとした核心部があり、この大きなひさし状の岩の左側の急な斜面を細くて頼りないフィックスロープに沿って下る(岩の上は通らない)。ここも気を付ければ大したことはない。
▼東尾根を辿ることで、瑞牆山の裏側(北側)の景色を振り返って望むことができた。
▼明瞭な踏み跡や赤テープが多く見られるものの、東尾根全般は原生林の深山の趣があって素晴らしい。
東尾根の鞍部から徐々に高度を上げていくといきなり道標が現われ、大日岩と小川山を結ぶトレイルに合流した(10:30頃)。
▼東尾根の終点に置かれた道標。辺りに東尾根の入口を示すものは無い(細い幹に2重に巻かれた赤テープのみ)。
ここで小川山へのピストンへと進むかしばし熟考したが、頑張って進むことにした。小川山への道は素晴らしい原生林の中を緩やかに進む感じで、奥秩父の原始の風景とも言えるかもしれない。途中、2箇所ほど展望のきく小岩峰があった(往路はこの2つを辿ったが、帰路は南側の岩峰を通らずに来てしまった。尾根上に踏み跡が複数あるようだ)。
▼小川山に向かう途中の岩峰から西側を見ると瑞牆山の北面を望むことができた。
地形図とは異なり、小川山山頂手前で廻り目平からの登路と合流し、だらだらとした緩やかな長い登りを経て小川山山頂に到着。辺りは、廻り目平方面への旧道へ入り込むことを防ぐためか、縦横に緑色のロープが張られており、侵入できないようになっていた。
▼樹林に囲まれ展望のない小スペースの小川山山頂(12:00頃)
▼小川山に至る原生林の森
東尾根の分岐を越えると県境尾根は岩が目立ち始め、足元が少し荒れた感じになり、少しペースが落ちる感じになる。
▼大日岩方面との分岐の八丁平。草原状の鞍部を想像していたが、深い樹林の中だった。
八丁平からは緩くトラバースするように道が付けられており、徐々に標高を下げていく。
▼途中、天鳥川源流部を2回渡渉する。明るい雰囲気と清涼な流れを満喫した。
▼瑞牆山表登山道に合流する少し手前の樹間から、今日辿りし東尾根方面を俯瞰する。
▼無事、富士見平小屋に帰還。テントを撤収し、里宮平へ向かう。
瑞牆山荘前16:30発の最終バスで帰るつもりだったが、16:00発の韮崎駅直行臨時バスを運行してくれるとのことで大いに助かった。このバスは増冨温泉を経由せず、黒森経由で塩川ダムで合流し、韮崎駅に向かった。韮崎駅からは17:10発の普通高尾行に乗り込んだが、特急あずさの遅れの影響を受けてしまい、20分ほど遅れて高尾駅に到着した。