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吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

峠越え

2008年01月15日 | 自分のこと
南牧村からの帰り道は、同行の伊那の大工のたっての希望で、林道峠越えルートをとりました。
全く困ったヤツです。といいながら僕もまあ、嫌いな方じゃないので…。
南牧村から信州に抜ける峠道は三つですがそのうちひとつは自動車通行不可なので、二つとなります。
実は、僕はその自動車通行不可の余地(よぢ)峠を車で越えたことがあります。
峠付近は切り通しになっていて、それが軽自動車のミラーの幅一杯でした。
地元車は通っているようでした。
今回は3ナンバー乗用車なので、もちろんパス。

田口峠というのは全面舗装ですが、くねくねしすぎているのでパス。
残りの大上(おおがみ)峠がオススメだったので、それにしました。
僕は、初めて通る道です。

なにしろ、前日に雪が降っていますから、いかに四駆といえども腹の低い乗用車、無理なら引き返すつもりで行きました。
峠道の分岐点には、たくさんの道標、石仏があり、この道路自体は新しいのですが、ルートは古くからのものだとわかります。
日本の峠道は傾斜の緩い下の方では、昔からの道を拡張して今の道になっていますが、途中から旧道は尾根道になることが多いのです。
尾根道はそこに上がる傾斜が急で、道幅も取れないのですが、人間が歩くには見通しも良く、距離も短くなるので具合が良いのです。
自動車の通行を前提とした新道は、この真っ直ぐな旧道を縫うようにジグザグに作られます。
また、林道の場合、林業のための道でもあるので、できるだけ蛇行させて広い面積をカバーするように設計するそうです。

以前は西上州の峠道は幹線道路である内山峠以外は冬季閉鎖だったのですが、峠道の舗装が進んだのと、雪が少なくなったからか、冬も通れる峠が増えて来ました。
この大上峠も全面舗装です。

群馬側アプローチには珍しく、明るく開けた斜面です。これなら崖崩れも起こりにくそうです。
途中から雪道になりましたが、大した深さではなく、不安なく峠に着きました。

峠でコーヒーを淹れるために大工はガソリンストーブを持ってきています。
それも数台!
ヤツはガソリン/灯油ストーブ愛好家なのです。
僕も好きですが、僕の場合、たまたま最初に買ったヤツの具合がとても良かったので、それで済んでいるのですが、ヤツは初期のピーク1の機嫌と燃費が悪く、いろいろと遍歴しているのです。
そのうち、ある種のマニアに見られる「ちょっと外し」志向、つまり最新型や使い易いものではなく、あえて旧型や、数年で消えた失敗作、ちょっとクセのあるモデルなどに魅力を感じるタイプになったのです。

今回は僕のリクエストで「燃える弁当箱」オプティマス8Rにしました。

ヤツが湯を沸かしている間、僕はちょっと上に登ってみました。
5センチ程度の積雪は、問題無しです。
この辺の山の魅力は、落葉樹が多く、冬は明るく見通しがよいことです。
ああー、林の中に道が見える!オレを呼んでいるぜ。
あまり木や草が茂らない5月前くらいまでに来たいなあ!自転車で!
でもその前に身体鍛えなきゃ、遭難しちゃうぜ。
実は昔、この隣の十石峠で死にかかっているのです。

コーヒーを飲んで、長野側に下ります。
程なく十石峠からの道に出ます、わずかなカーブ程度のなだらかな下りです。
群馬側とは建築様式が変わります。日本建築に詳しいヤツがいると便利です。
ところどころに群馬と同じ様式の家があるのは、おそらくあちら側から来た家なのでしょう。

というわけで、次回はその死にかけた旅の話です。

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