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吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

仕事のこと

2006年09月03日 | オルガン
今、隣県の作業場へ通っています。
片道1時間半は、首都圏暮らしを経験した身にとってはたいした時間ではないけど、渋滞なしで走りっぱなしの1時間半は距離的には結構ありますね。
昔、トラック乗りのバイトをしたおかげか、あまり体力を消耗せずに長時間運転ができる方なので、それ自体は苦痛ではないのですが、最近のガソリン高がイタイです。

現在進行中なのは、リードオルガンの修復です。
久しぶりにオルガンの話です。

古い楽器の修復は楽しいものです。
製作者や以前の修復者の特別な工夫の跡を見つけたりするとうれしくなります。
手抜き仕事を見つけてあきれたり、意外なワザに感心したりと、楽器を通して先人と対話しているような感じです。

なかでもうれしいのは、自分で考えた特別の工夫と同じ仕事を見つけたときです。
時代を越えて、まったく接点のない者同士、強いて言えば仕事が接点かな、それらが同じ発想に至ったのですから、わかり合える人と出会ったような気持ちになります。
あるいは、オルガン仕事の先人の仲間に入れたような感じ。

そんなときは「おおー」などと歓声を上げてしまったりします、ひとりですけど。

移り気な自分が、なぜこんな仕事を続けているのか、実はよくわからないのです。
結構いろいろな仕事や世界に身を置いたりしているのですが、なぜかこの、オルガンを直したり作ったりという仕事が気持ち的に落ち着くのです。

その理由を考えてみたこともあるのですが、もう止めました。
気が向いているというのは、それ自体立派な理由だし、そうである限りは、やり続ければ良いのだと。

ただ、そのうち、なにか納得のいく理由がやってくるような気もするのです。

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