泡盛レーシング
 




弊ブログに最もアクセスがあった時が、ちょうどプロケーブルのシステムで試行錯誤している頃でした。


ピークで1日に500人強の方が訪れて、3000弱のページビューがありました。
それから数年経った現在では、弊ブログに訪れる方は150人前後です。今回「プロケーブルへの想い」シリーズを書くようになってからは180人に増えていますが、金田式アンプについて書いたときよりも反響が無く、言い換えれば僕のブログはプロケーブル関係の方々が今も読んで下さっているとも解釈できるのかも知れません?
当時読んでくださっていた大部分の方々に読んでもらえないことは残念であるように思います。・・・そもそも必要とされていない可能性が極めて大きいですねw。
その様な方々のその後のオーディオ人生が幸せであることをお祈りしております。


前回の続きである、JBL JRX115について書きたいと思います。

JBL JRX115には様々な手を加えました。
今思えば、非常に効果的であったと思う事やほとんど効果が無かったのに勘違いしてしまった事、あるいは全く効果が無いばかりか悪化させてしまい、セッティングの迷路に嵌り込んだ記憶があります。
僕の中でのJRX115の記憶は常に変化し続けたもので、ノーマル状態での記憶は最も薄いです。

しかし、ノーマル状態で所謂“音の焦点”によるセッティングを施したときのバランスが整っていたことは印象に残っています。
ベルデン8470がJRX115の高域の不足感を補ってくれて、D45の持つ独特の落ち着いた雰囲気、そして何よりも高能率からくると思われる中域の特にボーカルに迫れる表現力に一目惚れしました。そのボーカルに迫れる中域の表現力は、それまでに聴いたどのスピーカーからも聴いた事の無い、ハイエンドスピーカーですら聴かせてくれなかったものでした。
でも、全体的なバランスはカマボコ形状で、細部に問題があるのは確かな事実でして、だからこそ僕は改造を繰り返しました。僕は改造することを厭わず、技能というにはお粗末ではありますが、ある程度の心得があったので改善と学習が出来たのですが、一般的に改造が行える方はそれ程多くなく、その様な方々にとっては一生付き合えるスピーカーとならないことは大いに想像できます。

以上のように、JRX115について改めて考えますと、改造が必要であると“僕個人が”考えるなら、“僕個人が”人様に推奨するべきではなかったと反省しております。
この手のPAスピーカーはリセールバリューも低く、オーナーもスピーカー自身にも残念な事になるのであれば、唯一の選択肢として一般に向けて販売することで問題が生じます。だからと言って、最初からALTEC 612や620、A7やA5、JBL 4333等を使用することは別の問題が生じてしまう可能性があり、僕個人の経験ではそちらの方がより高い次元でより強い苦悩を生じさせます。

僕個人の考えでは、スピーカー選びは非常に難しく思えてきます。
JRX115の魔改造で好結果を得た、ALTEC 409Eを使用したALTEC DIGの様なスピーカーを数社のガレージメーカーが販売していますが、リセールバリューが悪いのであればお奨め出来ません。
年式とリセールバリューが良くて、現実的なサイズも考えますと、ALTEC 604Hを使用した620が良いかも?知れません。たしか(要確認)604Hから純正ネットワークに高域のイコライジングが入るので、音圧的な不足感はなくなります。ですが、これは諸刃の剣でもあり、トレードオフだとも思います。マグネットがアルニコですので、フェライトよりも厳しい音が出にくいかと思いますので、604Hが良いのではないかと思います。

しかし、この手のスピーカーはセッティングが進めば進むほどに純正ネットワークやアンプなどに手を加えたくなるように、自身の音楽に対する繊細な部分を刺激するように鳴ります。
この際、マルチアンプに移行される方が多いとは思いますが、ALTEC 604や416/515では難しくなります。604や416/515は基本的には同じ構造のウーハーユニットで、2kHz前後にピークを持ったバランスです。そして、604の高域ユニットや802はカマボコの特性である為に、単純にチャンデバでクロスさせても本来の設計で意図したようには鳴りません。
そして、この現象に似たことはJRX115やForce-i、TX1152に置いて起こりますので、プロケーブルが推奨するマルチアンプ駆動でよい結果が得られない方が続出することは想像に難しくありません。


いずれも友人や店頭で聴いた印象で書いていますし、オーディオの好みは千差万別、なので責任は持てません。
ある方の言葉を借りれば“自灯明”の一言に尽きると思います。



長文になってしまいましたので、次回に続きます。


コメント ( 6 )
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コメント
 
 
 
更新お疲れ様です (米山ともき)
2013-04-29 21:01:43
何と言いますか、誰も彼もがさじを投げ
しかも高音に致命的なアキレス腱(12.5KHzで頭打ち)を持つJRX115を鳴らしてしまうなんて
プロケーブルの常連で「化物」という人がいますが
その人以上じゃないでしょうか!
あ、ユニット変えてるんでしたね、でも普通の人にはできませんよね
なるほど、いわゆる「拓海君のハチロク」、いや、元が元だから
「樹のハチゴーにシーケンシャルターボを付けてドッカンをキャンセルし、圧縮比を下げてボアアップし、コンピューター制御のインジェクションを付け、足回りを拓海のハチロクと同じにして、ハッチバックも同じくアクリルガラス+FRP」とか言う世界ですね
ちなみに私、ほとんどジャンクのトレノハチゴーに乗ってたことありました(笑)ホイールだけか換えてあるんだけどオーバーサイズという・・・
いや、スタイルが好きだっただけで、山とか絶対行きませんでしたから

あ、私のシステムは市販品オンリーです、ただしプリメインだけは「大阪日本橋の2大電波怪獣」の片割れが魔改造した(この「魔改造」ですが、本来は女の子のフィギュアを素っ裸にする改造のことだそうで・・・)安物の方を使用してます
こっちの怪獣は、何かシンパシーを覚えるんですよね。店主の性格はアレらしいですが。もう一方の電波は、先に述べた理由で大嫌いです
パソコンも自作じゃなくて単なるウインドウズですが、こいつは回転する部分が何もありません。私が買ってからラインナップから消えたので、下手したら日本で唯一かも知れません(笑)
では、おやすみなさい
 
 
 
こんばんは、米山さん (シオーヤ)
2013-04-30 00:18:24
JRX115の厳しい音は全てがJRX115の音では無いと思います。
確かにDH3を搭載するTX1152や、Force-iも型番違いの同等品でしょうか?それらに比べると劣るのでしょうが、高能率スピーカーの厳しい音はスピーカーよりも上流のシステムの音を反映している場合もあります。
ALTEC 902や288Kをセクトラルホーンで鳴らすと、突き刺すような音で駄目出しを喰らうこともありました。

安易に改造してしまった僕は「化物」さんには及ばないと思います。
F1等のレーシングに例えるのは違うような気がしますが、チューニングカーに例えるのも・・・w。

PCオーディオしていますが、XPの入った8年落ちのDELLだったりします。
ケース内では色々回っていますw。

繰り返しになりますが、人それぞれにオーディオの正解があると思いますし、絶対的な優劣は無いと思います。
 
 
 
構造を疑い、破壊する (麥谷昌彦)
2013-04-30 12:21:28
「新しい何かとは、構造を疑い、破壊することなくしては、生まれないのだ」
プロケーブルイズムで、私が評価している部分です(引用は他からですけど)
ただ、彼は闇雲に疑い、手当たり次第壊しただけのように思えます
その後に立ったのは、バラック小屋ならなおのことです
私には「疑うべき構造」とはプロケーブルそのものになってしまいました

趣味人の方に「市販品を超えられますか?」と尋ねるのは野暮ですが
本当に超えられるのなら、それはすばらしいことです

ただ、構造を破壊するのであればより徹底的にやった方が良い結果につながると思います
市販品の世話になるつもりはない、というのも志ではありますが、ならば「自分ならこう変える」というものを明確化する必要があるのではないかと考えます
お節介かもしれませんが、試聴設備の整ったショップで試聴会イベントがあったときにでも出席されて、「市販品オーディオは、このように悪かった。だから変えるのだ」と言うことをプロケーブルイズムではなく、貴方の言葉で後進に伝えることができるようにしていただければよいと思います。それこそ「たまたま悪かったのだ」という疑念が入る余地がないくらい徹底的に
もっとも「フェア」は駄目ですね、あれはバイヤー相手の見本市で、セッティング以前の問題ですし・・・
 
 
 
こんばんは、麥谷さん (シオーヤ)
2013-04-30 22:49:04
僕の現在のスタンスは、プロケーブルの姿勢とは違いますし、市販品を否定する気持ちもありません。

アンプ等を自作するようになり、また製造業の仕事に戻りましたので、市販品に課せられる音質以外の性能やメーカーにとって不可避なコスト増などの業界の構造が何となくではありますが、理解できるようになりました。

「市販品を超えられますか?」
っと言われますと、超えれるかも知れませんし、超えれないかも知れません。オーディオの答えを出すのは自分自身だけだと思っています。答えは本人の心の中にしかないと思うからです。
より積極的にオーディオをセッティングする方法であって、リスクはありますがコストの面で(安月給の僕にはw)有利ですし、経験と知識を積み重ねていける意味で大きなアドバンテージがあるアプローチだと思っています。

>試聴設備の整ったショップで試聴会イベントがあったときにでも出席

僕の自作アンプは金田式の改造版です。
先生が毎年研究発表会を催されていらっしゃいますから、僕のような初心者が出る幕などありません。そもそも僕のアンプはオリジナルから改悪したものですので、先生が保証する性能ではないでしょうし、著作権の問題が出てきそうです。
金田式はベテランでも同じアンプを何度も組んでは壊してを繰り返したりするような麻薬的な機種があったり、電源プラグの差し間違えで単相100Vに感電するw設計の機種もあるようなリスキーな自作アンプです。駆動するスピーカーも高能率ホーンを対象にしているように個人的に思えますので、これを市販品と同じ土俵で勝負することには疑問を感じます。

オーディオは自分と音楽との対話であり、自分と自分の外とで優劣をつけるものではないと思います。
 
 
 
金田式とは (Nong-Khai)
2013-04-30 23:37:39
金田式は昔のRCAやWE、Klangfilm、Siemensの如く、入力された音に対してどれだけ忠実に再現するかだけの為に作られた物。再生オーディオとは全く異質な物です。
 
 
 
Unknown (シオーヤ)
2013-05-01 18:56:55
仰る“再生オーディオ”が具体的にどのような範囲を指すのか分かりません。

しかし、金田式の原音再生に対する飽くなき挑戦は心強いですね。
 
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