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日々雑感。

背筋の伸びる

2009-11-15 | 写真
【CANON IXY DIGITAL 800IS】

そうだ、そろそろ会期が終了してしまう、と思い出して
恵比寿の写真美術館の「旅」展 第三部に行ってきました。

入場料は一般500円…
だったと記憶していたのに、
チケット売り場に行ったら
「無料です」とのお言葉。

え?!

と、疑問に思いつつ、3階の会場に行ったら

  天皇陛下御在位二十年を記念して下記の展覧会が観覧無料になります。
  展覧会名:「旅 第3部 異邦へ」(3階展示室)
  期間:11月12日(木)~15日(日)

という掲示が。

うわー!!天皇陛下、ありがとう!
写真の神様も、どうもありがとう!

そんなわけで、思いもよらない嬉しい観覧となりました。

だって、木村伊兵衛をはじめ、
植田正治、奈良原一高、森山大道(敬称略)などなどなど
「好きだな、いいな」って思う写真家の写真をこんなにまとめて
見ることができるだけでも凄いってのに、入場料無料だなんて!w

写美の持っているコレクションの中からの展示だそうだけれど
ものすごくたくさんの枚数の写真を見ることができて大収穫でした。

そしてたっくさんの写真を見て思ったこと。

デジタルもフィルムも、好きな写真だったら等しく好きだ、って思ってたけど
フィルムで撮られた写真って、
なんだか生きてるみたいだな、って。

よく昔の人が「写真に撮られると魂を抜かれる」なんて言ってたみたいだけど
そういうんじゃなくて、紙そのものが「長く生きている」感じがする、というか。
(実際、昔に撮られた写真ではあるのだけれど。)

カメラの精度だって今ほどハイスペックじゃないから
ピントがちゃんとあってない写真だってあったし、
随分古いプリントなのか、色が褪せてしまっているものもあったし、
写ってる世界や人だって、ちょっと昔の佇まいなんだけれど。

どの写真も、見て回っている時、
すっとこちらの背筋が伸びるような、そんな気がした。
まるで「肩書きとか役職が偉いだけのただのおっさん」ではなくて、
「叡智と品性を備えた歳をとった方」とお会いしたときみたいな気分。

撮った写真家たちだけにじゃなくて、
写真そのものに敬意を示したい。

そう思わせてくれる、素敵な展示でした。
会期は11月23日(月・祝)まで。
お時間のあるみなさんは、是非、足を運んでみてください。

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