交換日記あるいは備忘録

神のみ前に 清く 正しく 愛深く♪(未整理。。のものが ごちゃごちゃと)

『詩歌の森へ ~日本詩へのいざない』

2005年12月10日 | 読書
『詩歌の森へ ~日本詩へのいざない』艶やかで美しい日本語 沢山 思い出させて頂きました。 詩 短歌 俳句 散文 唱歌 外国の詩の日本訳まで 人口に膾炙したフレーズを取り上げて その周辺のお話を書いてあります。 いずれも 聞き覚えのあるので 自分自身の想い出とも重なります。 大体が 子どもの頃 若い頃の事を思い出す時 というのは 人は 優しい気持ちになってるもの。。。。じゃないかな。。。(違う人もいるかもしれないけれども) そういう意味で たまに ぱらぱらとしたい本です。

取り上げられている作家は 芳賀さんの本棚の中から という事で 芳賀さんの好みが とてもよく現れています。 書いてある内容以上に 取り上げる作家のラインナップを見てるのは 興味深い。 よく登場するのは 漱石・蕪村・式子内親王・清少納言 と書けば 大体の好みが分かるかと。。。  宮沢賢治の『永訣の朝』を取り上げた章では 「この詩の切実さ、悲痛さとならべれば、光太郎の「レモン哀歌」はただの気取った造花にすぎなかった。」 なんて やっつけられています(きゃー) ← これは 賢治が偉大すぎるのが悪いんです。

いくつか 「ほお そうだったのか」という発見も 抜き書きメモ。

荷風訳ヴェルレーヌ 『ぴあの』 の冒頭二行

しなやかなる手にふるるピアノ
おぼろに染まる薄薔薇色の夕に輝く。

原詩を直訳すると(ピアノが)「薔薇色と灰色のまじる夕ぐれのなかに淡く光る」 なんだそうです。 名訳です。

同じくヴェルレーヌ 『落葉』(上田敏訳)

秋の日の
ウ゛ィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。

原詩では ひゅうひゅうと咽び泣きながら 野や町を吹きめぐる黒い木枯らしが わたしを やりばのない無力感に打ちひしいでいく という 無情なニュアンスなんだそうな。 何か ロマンチックな詩なのかと思ってた。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
智恵子抄は好きですか (takauchi(ドンブンブン改め))
2005-12-11 11:00:54
「永訣の朝」は、以前セミプロの方々が歌曲にして

他の賢治の詩とともにコンサートを開かれていました

あの言葉のよう判らん怖いような詩を歌にしたら

グロテスクなものにならんかとビビッていましたら

割りと爽やかに(妙に爽やか)・・・



関係ないけど、アヴェマリアが聞こえてきます

増田いずみさんが歌っています
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Unknown (ようこ)
2005-12-11 11:45:08
永訣の朝 歌曲になったら 泣けそうです。

智恵子抄も 好きですよ~。



なんとなく年末です。
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