グローバル化は、規制緩和、過当競争、弱肉強食、格差の拡大を齎す。
一方、カスタマー、消費者にとっては、安い製品、サービスを享受できるというメリットがある。
規制緩和といえば、アメリカでカーター時代に始まった航空のデレギュレーションがある。
航空会社が乱立し、過当競争をした結果、儲からない地方路線は廃止され、パンナムの様な大航空会社も潰れ、乱立した弱小航空会社も淘汰された。
そしてそれが、世界に波及した。
確かに航空運賃は安くなった。 だが、地方路線が廃止されたり、サービスが悪くなったり、いい事ばかりでもない。
一番、割を食ったのは、航空運送に関わる社員である。 破産の憂き目にあったり、賃金も下げられたり、派遣労働者になったり、等々である。
日本のタクシー業界も然りである。 町にタクシーはあふれたが、運転手の生活は、生活保護すれすれの劣悪状態となった。
派遣労働についての緩和が、何を齎したか、今や自明である。 少子化もその結果の一つである。
グローバル化の行きつく先は、単に関税障壁をなくすことにとどまらず、あらゆる部門の規制緩和と、制度の均質化である。
そして、過当競争、弱肉強食の結果、格差を拡大し、一握りの富める者と、多数の貧困者を生じさせる。
このことが、わかってきた現在、多分いずれかの時点で、歯止めをかけなければいけない。
国益とは国民の利益であり、グローバル化とそれに伴う規制緩和と、制度の均質化には、一定の制限をかけなければいけない。
そもそも、規制、制度は、業界を護る目的ではなく、国民の安全と生活を護るためのものである。
現在、進められている、TPP交渉も、これらのことを踏まえて、国民の利益を損なわないようにすべきである。
EUも、当初、理想に近づいたかと思われたが、最近は、必ずしもそうではないことが分かってきた。
世界のグローバル化は、ある一定の状態にとどまるとみている。 際限のないグローバル化はあり得ない。
国益と国益のぶつかり合いの状態で、バランスよい世界の在り方が、続くだろうとみている。
ただし、領土、民族、宗教等々の紛争についての不安定要素が別にある。
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