vagabond77

時空を超えて・・・
微塵のような存在でも、何らかの記憶に残るか?
何かしら、波紋のようなものかもしれないが・・・

イノベーションと進歩

2013-11-16 15:37:28 | 日記

イノベーションと進歩は分けて考える必要がある。

進歩とは、同じ土台のものを改善、発展させることをいう。

携帯だったら、より薄く、軽く、電池の長持ちする、多機能に・・・等々のことである。

イノベーションとは、本来の意味は、組織、技術等における、根本的、不連続な改革、革新をいう。

日本では、狭義に、技術革新の意味でつかわれることが多い。

真空管がトランジスター、IC、LSI等の半導体に変わったように、不連続な革新をいう。

そして、この技術から、PC、iPHON、等のIT技術が発展した。 これらは従来の電話・Fax、郵便等に比べると、イノベーションといえるだろう。

ソニーのトランジスタラヂオ、ウォークマン等もそうだろう。

弓から銃、銃からミサイル、火から核技術・・・等々、いずれもイノベーションといえるだろう。

すなわち、それまであった技術とは、全く不連続なものだからだ。

産業革命以後のイノベーションは圧倒的にアメリカで生まれている。 これはアメリカの建国と、文化、価値観に、その土台があると思われる。

イノベーションはそう簡単には生まれない。 それは後から見れば、簡単に見える。

だがそれは、従来の発想に捕われていては、絶対にできない。 自由な発想と夢が、それを実現させる原動力だ。

いったん、イノベーションが起きると、その新技術を土台に、さまざまな改善が行われる。 これを技術的進歩という。

レコードからテープへ、物理的記録から電磁的記録へとイノベーションが行われた。 するとその記録媒体に技術的改革が行われる。 それがCD、DVD、HDDだ。 

さらに、RAM、ROM、USBメモリー等々の可動部分のない、静的メモリーが生まれる。 これもイノベーションと言っていいだろう。

これらの電磁的記録には様々な改善、改革が加えられ、徐々に限界に近づく。

以上は、文春記事を、僕なりに要約し、かつ個人的に補筆した考えだ。

でも、僕は進歩とは、もっと大きな概念だと思う。 技術的進歩にしても、社会的進歩にしても、大きな流れを言っているのであって、それには当然、上に述べた意味のイノベーションも含むし、それぞれの改革革新も含むと思う。

イノベーションと、上に述べた狭義の進歩との間は、必ずしも不連続ではない。 大きな発想の飛躍はあっても、基本的コンセプトが同じ場合も多い。

たとえば、真空管とトランジスタだ。 これはGateの電圧をコントロールすることにより、陽極と陰極の間の電流を大きく変えるということで、同じ発想だ。 素材が変わっただけだ。 

でもこの素材の変更が、想像以上に大きい変化を齎したのだ。 これが、現在のIT技術として、宇宙技術、ミサイル等々の軍事から、家電製品にまで大きな革新的進歩をもたらしたのだ。

生物化学的進歩も大きい。

iPS細胞技術は、イノベーションといえるだろう。 だが、従来のDNA操作技術研究などの延長上にあり、不連続とは言えない。

だが、iPS細胞技術は画期的で、相当にイノベーティブ、且つクリエイティブだといえるだろう。 これは人類の医療に革新的な進歩を齎すであろう。

従来の治療は、患部を取り除く、あるいは放射線、抗がん剤でやっつける、または薬で細菌、ウィルスをやっつけるというものだ。 その後は患者自身の自然治癒力で直させるというものだ。

iPS細胞技術は違う。 患者自身の細胞を使って、クローン的に臓器などを回復、あるいは置き換えるなど、まったく新しい発想の治療の可能性が期待できる。 不具合なDNAの無害化の可能性もある。

これには、豚など他の動物の体を使うことも含まれる。

これらには、当然、倫理的な問題もあるだろう。

だが、神が人間を作ったとすれば、その人間のすることを、神が罰するとも思えない。

神は、人間の在り方、行為を含めて、創造した筈だからだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 再生治療への道 | トップ | ごちそうさん② »

コメントを投稿