里山コスモスブログ

樹木の四季500 ヤマブキ & シロヤマブキ

ヤマブキ (山吹 バラ科 ヤマブキ属 落葉低木 花期4月)
 葉は互生、葉身は長卵形で縁に重鋸歯、葉先は尾状鋭尖頭、葉脈は葉表で凹み葉裏に凸出。花は萼5片、黄金色の5弁花 (稀に6弁)が平開、八重咲きがある。雄蕊は多数(約50)、子房5、花柱5が子房から出て花糸の間を長く伸び先に柱頭をつける(柱頭は目立たない)。
 果実は痩果で5(~6)個生り宿存萼の上で成熟するが、成熟した果実の生っている個体を見るのは稀である。果皮は淡緑色で茶褐色に熟れる。シロヤマブキの果実に比べ随分小さい。八重咲きは不稔で種子はできない。
 昔児童の頃、茎に細い棒を突っ込んで純白の髄を押し出して遊んだ。発泡スチロールそっくりである。本種以外にニワトコ、キブシの枝からも同様の髄が採れる。髄は顕微鏡で観察する試料を挟んで薄切りする作業に利用される。 
学名 Kerria japonica 
属名 Kerria    John Ker (スコットランド~1842) 彼は中国やジャワ島、ルソン島で採集活動をし標本をイギリスに送った。 

シロヤマブキ <ヤマブキとは別属>
 葉が対生、花は白色の4弁花。果実(痩果)は4個生リ、大きな葉状の萼4片に包まれ成長、成熟すると果皮が茶褐色から黒色になり、春先/花期まで長く枝に残る。ヤマブキと違って実つきが非常に良い。果皮に光沢あり、ヤマブキの果実より数倍大きい
学名 Rhodotypos scandens 
属名 Rhodotypos    rhodon+ typos バラ+形
種小名 scandens 古ラテン語 scando (這い上がる)に語源 

 室町時代、関東地方の武将太田道灌が俄雨に遭い、蓑を借りようと茅葺きの民家を訪れる。生憎貧しい家には蓑がなく、娘は一首古和歌を詠んで山吹の花を差し出した。
 「七重八重花は咲けども山吹の(茅葺きの)実の(蓑)ひとつだに無きぞ悲しき」 (平安中期の醍醐天皇の子 兼明親王の歌)
 茅葺きの貧しい家で貸し与える蓑も無いことを恥じた娘は奥ゆかしく山吹の花を差し出して答えたのであるが、道灌はその心を理解出来なかった。後に古歌を知らなかった己を恥じて花道にも励み歌人としても有名になったという話である。













































TOP (目次)    画像・文 塩城 忠

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