イヌツゲ(モチノキ科 モチノキ属 常緑小高木 雌雄異株 花期6月)
和名はツゲに似るが材が役に立たないことから狗(いぬ)を冠する。公園、庭木に植栽されているのを見かける。
葉は互生、葉身は小さい楕円形で、葉表に光沢があり葉裏は薄灰緑色で葉脈は見えない。縁はごく浅い円鋸歯状。
雌雄異株、花は白色で花弁は4(~5)、萼は緑色で先が萼歯状。雄株の雄花は葉腋から長い花軸(花序柄)を伸ばし集散花序に3個の花をつける。雄蕊4、雌蕊は退化。
雌株の雌花は葉腋から出た長い花軸(花序柄)に単生又は集散花序に2,3個つく。大きな子房に扁平な4裂柱頭がつき仮雄蕊4がある。
観察では子房は萼壷の中(子房周囲) にあり、当初萼壷は幼果の下半分を包んでいるが残らずに萎み落ちる。
果実は直径約5㎜の球形の核果で3,4個の核 (種子1)を含む。先端部に柱頭痕が残り、秋に黒色に熟す。
学名Ilex crenata
属名Ilex 西洋ヒイラギ(holly モチノキ科モチノキ属)の古代ラテン名からくる。
種小名crenata 円鋸歯状の
ツゲ (ツゲ科ツゲ属)
ツゲは葉が対生し縁は全縁、花は葉腋に塊ってつく。雌雄同株で複数の雄花群に囲まれて雌花が1個咲く。雄花・雌花共に花弁は無く、雌花は3個の大きな柱頭が花弁状に平開する。柱頭は果実の先に角状になって宿存する。(ツゲ 別項)
トップ 目次 画像・文 塩城忠