お好み夜話-Ver2

Uber を待ちながら、

アキバの駅前で、学生に毛の生えたくらいの女の子が4人、くっちゃべりながら歩いていた。

「ネェ、飲みにいこうよ、昼間だし」

とひとりが言うと、

「いいねぇ、夜じゃないし」

と他のひとりが応え、さらにひとりが、

「夜8時までなら超飲めるね」

と言ったら、みんなでゲラゲラ笑いながらどこかへ去っていった。

彼女たちが何を飲むかはお見通しで、しょうもないサワーをムダにあおってさらにでっかい声を上げるのはミエミエだ。

街中の店に
 
「昼だからたっぷり飲める‼ 昼飲み大歓迎‼」

の手書き看板が掲げられている前を、緊急事態宣言下の街とは思えない人並みが行き交う。


必要不可欠な外出で電車に乗って、一ヶ月ぶりのアキバにきたポンコツは循環器科の診察の帰り。

検査結果は良好で、移植したことを知らない検査技師が驚いて電話をしてきたと担当医から聞かされた。

移植前と比べたらあらゆる数値が改善されて正常値になっているのだから、知らない人が驚くのも無理はない。

だが体は日に日に良くなっていくのに、心はジワジワと倦んでいくようだ。

時短営業がいつまで続くのか?

このままでいつまで持ちこたえられるのか?

先が見えない上に、政治屋のアホさかげんに腹が立ってしかたない。


「ジャック・ケッチャム」の「黒い夏」というホラー小説の中にこんな一文がある。

「人間は、銃でも車でもウイスキーでも、充分な絶望でも殺せる」

こんな状態があと数ヶ月続けば、多くの人に「充分な絶望」が訪れるだろう。

それなのにそれなのに、二階だか三階でオロオロしている「スガシンゾウ」とか、血税に胡座をかいてテメェの懐が痛まない「アホウヨシロウ」や、ムショに入ったって月々のお手当てを頂ける親方日の丸な政治屋がリモートそっちのけで会食・怪蝕・快色にうつつをぬかし、痛めつけられるのは毎度のことながら庶民。

コロナウイルスは愚かなる人間の裏をかいて変異しつつ、今後も世界に浸透していくのだろう。

オリンピツクは無観客どころか無選手で開催するのか⁉

「スガシンゾウ」の後釜になりたくない輩どもは外野で無責任に御託を並べるだけ。

あーあ、なんちゅう世の中だ。


しかし嘆いてみても世を儚んでみても、時間がたてば腹も減るし屁もでる。

こんな時だから淡々と日常を生き、自分ができることをきちんとこなすことで「充分な絶望」を先延ばしできるかもしれない。

というわけで本日も僅かばかりの糧を得るために、みじか~い時間営業するのだ。


とはいっても緊急事態宣言がでて一週間が過ぎ、毎晩閑古鳥が鳴いている有様。

だ~れも来ないから酒もあかないし、消毒液も減らない。

ただ思い出したようにUber Eatsがチラホラくるのみ。

昨夜なんか、さいしょにUberがきてからず~とサイレントナイトで、そろそろ閉めようかと片付け始めて閉店時間2分前にUber が鳴った。

大急ぎで注文の品を作り配達員を待つだけになったが、いつまで待ってもマッチングせず、次々と配達員がチェンジしてようやく決まったのが1時間後。

これじゃあせっかく注文してくれた人にも申し訳ないし、あったかいものはすっかり冷めちまう。

世間はテイクアウトで賑わっているのかどうか知らないが、8時に閉店したって結局店を出るのは9時過ぎだ。

なんとかならんのかねぇ・・・。

と、Uber を待ちながらため息をついたのだった。


今夜は誰か、話のできる人が来てくれるだろうか❓

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