お好み夜話-Ver2

嵐の後の調子コキ祭り

各地でひどい被害をもたらした台風だが、千住辺りは雨風が強いこともあったけれど、午後には雨も上がってしまい、お祭り野郎は蒸し暑い中神輿を担いで汗だくだった。


肩を真っ赤に腫らし、祭りの酒でベロベロなのにガラガラのかすれ声でビールを注文するお祭り野郎。

この男これで今夜はfade-outかと思いきや、「ちち」と「碧夢」で飲んでいたら電話してきてこれから行くという。

来たって何の役にも立たないのは見え見えだったが、案の定カウンターにおさまってビールを1杯飲んだところでお眠ちゃんになって、強がりでたのんだそば焼酎はオヤジが飲むこととなった。


連休最終日の月曜日はさすがに人も少なく、今夜ぐらいはお酒も飲まず早く帰ろうなんて思っていた。

ところが、台風が遠ざかるのに逆らうように、いきなり仙台から調子コキ台風が襲来した。

なんだ、なんだ、いきなり 嫁さんとケンカでもして追い出されたのか

かけつけ2杯のビールを飲んだ後、調子コキは語った。

今年いっぱいで今の職場を退職して田舎へ帰って独立 ? する「シゲちゃん」の送別会をかねて、以前の職場の仲間と同期会をするんだとのこと。

それならそれで前もって言えばいいのに、まったくノープランでふらっと来たのだという。

相変わらずな調子コキだ。


6時に待ち合わせてどこかの店で飲むというのに、ハイボールをやりながらのんびりしていると、他の仲間がやってきて、けっきょくモグランポで腰を落ち着けた。

そりゃたいへん、毎度あり~


長ーい修業期間を経て独立した4人の先輩たちに囲まれて、「シゲちゃん」も珍しくしゃべるし飲んだ。

しかし声がでかくて、お下品な内容の話しで盛り上がる連中だから、若い娘たちがいなくてよかったかも。

まあとりあえず仙台から調子コキが出てきていることを「ちち」と「ホリちゃん」にだけ知らせたら、やがて二人がやってきて、「ちち」のお土産の静岡のお酒を味見した。

すっきりした飲み口で、するするいっちゃう危険な酒だ。


調子コキが来たからにゃ、今夜もしらふというわけにはいかない定め

夜はどんどん更けていき、いったんお開きにして店を出た調子コキご一行様のうち3名が舞い戻ってきてまた1杯。

連日連夜の「ホリちゃん」も「ちち」も、久しぶりの先輩たちの毒気に当てられて飲まされた「シゲちゃん」もそろそろ限界だ。

帰るところがある男たちは帰っていき、ノープランの調子コキは当然のごとくオヤジ宅へ。

今夜は最後の砦の「碧夢」も休みで、連休最終日の午前2時になろうという時刻だからおとなしく帰ればいいものを、ちょっとだけというご要望にお応えして朝まで営業している店に入って飲み直した。


翌日、相変わらずのノープランの調子コキが腹が減ったというので、ちょうど車で行く仕入れもあることなので一緒に行くことにした。

なんだか時々妙に食べたくなっちゃうという蕎麦屋、竜泉の「角萬」へ。

オヤジもかあちゃんも初めてで、いったいどんな蕎麦なのか興味津々。

調子コキが東京にいた時は、ガマンできずにフラッと寄って食べていたようだ。

店員のお姉さんがすばらしく愛想がなくて、ほとんどの客がオーダーするという「ひやにく」が評判のこの店は、午後!時を過ぎたというのにひっきりなしに客が入って来る。

厨房の方を向いているお姉さんは振り向きもせずに「いらっしゃい」を連呼し、客も慣れたもので席に着く前に「ひやにく」か大盛りの「ひやだい」を注文する。

もちろん他のメニューもあるが、「ひやにく」か「ひやだい」以外のメニューをオーターした人はひとりしか見なかった。

テーブルは相席が基本、水は注文の品と一緒じゃないと出てこない、そば湯はアルミのヤカンで提供される。

店内には音楽など流れていない、前後左右のテーブルで黙って蕎麦をすする音がBGMだ。

「ひやにく」「ひやだい」登場。

写真の撮り方がイマイチなので伝わらないかもしれないが、けっこうなボリュームの、うどんかきしめんを思わせる太っい麺と鴨肉と長ネギがぎっしり。

汁は濃いめでやや甘口、なぜか刻んだネギが小皿に山盛り、入れて食せということなのだろう。

太くて不揃いの蕎麦はかなりな歯ごたえ、すすって噛み砕くのが疲れるくらい、食の細い人にはかなり困難な一品だ。

現にかあちゃんは、すすれど噛めどいっこうに減らないどんぶりに悪戦苦闘。

ふと調子コキを見れば、オマエはダイソンか ?! と突っ込みを入れたくなる勢いで食べている。

そうか、なるほど、みんな無言なのはこの手強い蕎麦と向き合ったとき、しゃべりながらダラダラ食うなどということは考えられなくなるからだろう。

ランチを500円以下ですませてしまおうってご時世なのに、ここの客は何のためらいもなく千円札を「ひやだい」に支払ってゆく。

おそるべし、「ひやにく」「ひやだい」

調子コキがときどき無性に食べたくなる、という気持ちが少しだけわかる。

今までの蕎麦の概念が変わった、「角萬」であった。

でも、けっきょくかあちゃんは食べきれずに、オヤジがあとを引き取った。


満腹の調子コキとは浅草で別れた。

彼も独立して1年経ち、お客さんもついてきたというし、ますます繁盛してオヤジに出世払いをしてもらいたいものだ。

あと、マゴだよ、マゴ !!! 

アッチの方も調子こいてくれー !!!!

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コメント一覧

投げ子
おじさん、『午後!時を過ぎた』って何時よ(笑)
あと1つ見つけたけど教えてあーげない♡
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