板金っていうのはほんとに楽しい作業なんですが、
やっぱり自分には出来ないこととかも多くて、
その度にプロの方々を尊敬しなおすことしきりです。
以前テレビで観たんですけど、
新幹線の先頭車両の先っちょのドーム、アルミを手で叩き出すんですよね。
そこにあるのは、ハンマーと定盤と職人さんだけ。
バイクのカウルとか車のボディを叩くところを見せてもらったこともありますが、
その時なんか「この人、魔法使いじゃなかろか?」って思いましたよ。
ほんと、感動もん。人の技ってのは、素晴らしいです。
古めのバイクを見ていると、
ゼッケンとかサイドカバーとかの、
「フチをグルっと盛り上げてる」加工ありますよね。
あれをやりたくてやりたくて。
知り合いの加工屋さんとかに聞きにいったことがあるんですが、
なにやら大きな機械でゴロゴ~ロってやらないとダメみたいで、
とてもじゃないけど自分では出来ないと諦めていました。
第一、そんな大きな機械、置いとくとこないですし。
簡単に持ち運び出来るとか、片づけておけるって、
普通の住宅には重要です。
でも、思い立った時に自分好みのサイズで作りたい気持ちは抑えられず、
「辛抱げんか~い!」を迎えてしまい、作っちゃいました、それ用の道具。
正式にはなんて呼んだら良いのか分かりませんが、
ビードローラーとか言うそうです、こういうの。
相変わらず、廃材とジャンクパーツから作ってますので、
「なんだかな~」の外観であることは否めませんね。
歯車なんか、要らなくなったアイアン・スポーツスターのカムギアです。
でもまぁ、10年以上使ってて特に問題もないので、
「オッケオッケ」ってことで。
ローラーの横のボルトの締め緩めで、
ローラー間の距離をアジャスト出来るようにしてあります。
で、ボルトを緩めて加工したい板をはさみ、ボルトを締めて、ハンドルをグルグル。
そうするとあら不思議、例の「盛り上がり」…ビードっていうの?が、出来ます。
ローラーの山側と谷側のカタチは、けっこう微妙な調整が必要でしたが、
一度決まっちゃえばOKですし、ビードの太さも1種類で良しとしてます。
もう面白くてねぇ、はまりましたよ、一時。
その辺にある板、なんでもかんでも、ビード~~~って。
最大厚なんmmくらいまで出来るかとか、
最小アールはどのくらいまで出来るかとか、もう試した試した。
ま、そんなに特殊なカタチをやることなんて無いんですけど、
けっこういろんなモノが出来ちゃうことが分かりました。
で、コイツを使って作ったのがこのゼッケンプレートってわけです。
出来上がっちゃえば、あんなバカみたいな道具が必要だなんて、
まったく想像できないんですがね~。
取り付けは、裏に小さいステーを付けてフォークにタイラップで。
ブラインドリベットがあんまりお洒落じゃないですね。
先日「アルミをハンダ付けみたいに出来る魔法の溶棒」ってのを頂いたので、
こんど試して、いずれは作り直してみようかと思ってます。
今からわしも6ミリワッシャをドンブリ形にするためのプレス型造りにチャレンジしてみまっさ。
ローラーの出っ張りと引っ込みのカタチがけっこう難しくてねぇ。
でもまぁ一生使えそうな感じはしてます。
(一生で何枚のゼッケン絞るつもりなんや?)