goo blog サービス終了のお知らせ 

アマチュア無線とJARLと私JA3HXJ

新しい次代を迎えたJARL・・・
アマチュア無線の行方を映し出す鏡になるのでしょうか!

回顧録「定款制定前夜」

2012年07月23日 | 日記
また長くなりますが、テーマを一つに絞りました。
KANHAMで頂いた多くのご意見の中からいま一つ誤解が解けていない問題の整理をしておきます。

このところ文字を読むことを苦手とするアマチュアの特性?と官報のようになったJARLNEWSの組み合わせが情報に疎い会員を作り出しているのではないかと思うことがあります。
先日のKANHAMでは少しばかりこれらに触れる時間をいただき、ある程度の理解が得られた思いがありますが、それでもまだ誤解を抱いたままの人達も多く、この機会に今の定款がどういう経緯で出来上がったのかを回顧してみたいと思います。
この目的は、意図的に事実を隠し会員を欺いたという誤解への詳細な説明であり、一部の人達が抱く意識の払拭です。

JARL定款改正等の経緯について、これまでの経緯を議事録や記録から紐解いてみます。

【初代公益法人改革検討WG】
1 期間等:平成18年8月3日(第1回)~平成19年9月4日(第13回)
2 メンバー:JA7AIW(山之内座長)、JA1AYO(丹羽)、JA1RTG(松村)、JH1HNH(海江田)、JM1MNW(竹内)、7K4WWX(吉田)、JH2XPV(杉山)
3 主なテーマ:公益法人改革三法の内容把握、JARLとして改正等をしなければならない事項の洗い出し、定款等の変更原案の作成など・・

この会議は7人のメンバーと事務局を加え13回の審議が行われました。この時点のキーポイントは「定款は、現状のものを受け継ぎ、新たに制定された法律に合わせる」という基本姿勢で進められました。その時点で公益法人を目指す姿勢が掲げられました。

【公益法人改革実務委員会】
1 期間等:平成19年11月8日(第1回)~平成21年11月10日(第14回)
2 メンバー:JA7AIW(山之内委員長)、JA1AYO(丹羽)、JH1HNH(海江田)、JH1UBU(根元)、7K4WWX(吉田)、JA2HDE(木村)、JH2XPU(杉山)、JA3HXJ(長谷川)、JA5MG(稲毛)
3 主なテーマ:定款変更案等の作成、財産、前納会員の取扱い、社員制度などが、原前会長の指示等から抜き出され検討された。

この時点ですでに骨格が出来上がった定款案の修正作業や見直しが主なもので基本はすべて出来上っていました。
この委員会から、私も議論に加わることになりましたが、かねてからの主張「新しい組織にはまったく新調した定款を・・・」の意見は時すでに遅しで、この段階で13回のWG会議結果が固定化し、新たに加える事項はほとんどなくなりました。
そして公益法人から一般社団の選択に進路変更されました。結果的にはここでまとめた定款案が名古屋総会で審議され否決されることになりました。


【定款規則等改正審議委員会】
1 期間等:平成22年7月13日(第1回)~平成22年8月2日(第3回)
2 メンバー:JA3HXJ(長谷川委員長)、JA1AYO(丹羽)、JA5MG(稲毛)、JE1KAB(日野岳)、JA1ELY(草野)、JH1XUP(前田)、JG1KTC(高尾)、JA2HDE(木村)、JF6MIT(宮川)、JA0OZZ(伊部)
3 主なテーマ:名古屋総会で承認されなかった定款・規則等の変更に関し、否決という結果を招いた背景を精査しその意見を修正作業に取り入れ、来るべき臨時総会に備えることになった(「定款・規則等改正審議委員会からのお知らせ」記録から)・・

この委員会は、定款案に反対を唱える新理事二人を加え、誠実に求めを聞き取り対応に努めました。その結果激しい議論の応酬も見受けられましたがすべての点において合意を得ることができ臨時総会に議案を提出したものです。

今回の定時総会での進行手順は、その後総会で承認を受けた定款・規則に則って実行されたのですが、その根拠がすべて公益三法の精神に沿ったものとはいえ、必ずしも法的根拠とJARL運営の現実とがぴったり合致するものとは言えない部分も感じました。
現実として公益三法の定めという制約から逃れる方策は無く、反論する立場もこれらを駆逐するに至らず合意されたものです。
たった3回の開催の【定款規則等改正審議委員会】で争点となったのは、何と言っても理事の定年制の導入でしょう。
委員会では議論が真っ二つに分かれ、安易な年齢制限の導入は高齢化を迎えるJARLにおいても大きな損失になるなどの重要な提言もありましたが、これも新しいJARLの布石だという強い主張が受け入れられ承認されました。
最後まで難航したのが社員数の配分でした、反対意見に見られた案を導入すると134人の社員の4割近くが関東から出ることになり大きな抵抗感がありました。数値判断としては一見合理的であるように見えますが、地方からの声の制約につながる恐れが指摘され委員長裁定で現状とさせていただきました。

このように、今回の定款・規則は紛れもなく新しく加わった理事を交えて得た結論であることです。
価値観の相違があるにせよ、賛否両論の論客が加わって決めた結果が、最近になって非民主的などと言う言葉に置き換えられ動き出す現実は実に稀有な事態だと感じます。
賛成・反対の意見を持つ委員を織り交ぜて議論した結果をあとになって認めないということは正に民意の封じ込めにつながるもので許されない事態だと考えます。

今回の定時社員総会で起こった理事候補全員への「イエス・ノー」質問の背景は地方本部・支部不要論から起こったものでした。
これは定款規則等改正審議委員会で委員から出された議案からでした。
第1回審議委員会で検討を加えた根拠は「第518回理事会(h22.6.26-27)に提案した資料」によるもので次のようになっています。
1.JA1ELY(草野理事)の提案課題
  ・・(省略)(B)3.支部組織の全面的見直し・・・支部組織の存在意義は殆ど失われていると考えます。・・・この際支部組織は全面的に見直すべきであると考えます。

と議事録に残っています。

2.JH1XPU(前田理事)の提案課題
 (定款改正原案に対する意見として提出)
 1) 定款変更案について:第65条 本連盟は地方本部を置くのみ明記(数及び支部は廃止するため)
 2) 規則改正案:第2章(地方本部の名称)○・・・定款にあわせる ○ 第36条(地方本部)も改正

3.第1回審議委員会でのJH1XUP(前田理事)の提案
  「(定款)第21条 理事の手数17人以内⇒10人以内(全国5人、地方5人と変更。地方本部を5つに削減し支部を廃止する。」

4.第2回審議委員会でのJA1ELY(草野理事)の提案
 ○(定款)第65条 条文を「本連盟は、原則として総務省総合通信局の管轄毎に地方本部を置くとともに、原則として都道府県毎に支部を置く」に改める。(理由は、地方本部の整理統合を可能にするため「原則として」を入れる。
 ○ (規則)第3条の中国本部と四国本部を「中国・四国本部」に統合し、北陸本部と信越本部を「北陸・信越本部」に統合する。
 ○ (規則)第19条に第3号として「地方本部長を選出する選挙」を追加する。(理由は、粛々と理事は全国区のみにするためです。)(その他、地方本部長を理事としないための規定改正の提案があった。)

以上が主張の一部ですが、確かに財政上の収支バランスを均衡させるためには、やがてこの議論を避けるわけにはいかない事態になる可能性もあります。しかし、当時委員会で出た意見では支部の集まりの重要性をもっと尊重するべきだ・・・いきなり支部の統廃合は無いだろう・・という声も強くでました。

このような経緯を観ても今回の社員総会での出来事が非民主的で意図的に仕組まれたものだとかの根拠は全くなく事実でない内容に尾ひれがつく現状は好ましいものではありません。
何度も申しげましたが、現在存在するすべての一般財団、社団が同じ手続きで運営されているのですが、JARLと異なるのはただ一つ理事候補が社員総会で否認されたことがないという現実でしょうか・・・

ただ、この決まりごとがすべて公益三法によって強く求められた必須事項だからJARL側に非がないというだけでは収まりがつかないことは承知しています。そこにはJARLが組織として自らが作り上げる自治権や、法律の範疇からかけ離れた組織の特性を熟知し独自に学び前進する決意が不可欠です
疲弊した組織、疲れ切った事務局・・・消耗戦のような現状を一刻も打開し同じベクトルの議論に入り前進するしか道がないことを強く訴えます。
今のJARLを蘇らせる力は、会員各位の支援以外ありえないと思っています。


パブコメ7月末〆切

2012年07月21日 | 日記
アマチュア無線界にとって悲願である「包括免許」については長年議論されてきたのかと言えば必ずしもそうではありません。
この声は、シャットダウン・・再起動のように途切れ状態の様相のまま蒸し返された議論であった印象があります。

この原因を探るとアマチュア側が「包括免許」について、議論の根拠となる定義を持ち合わせていなかったことも大きな要因です。
当然ながら曖昧な根拠は、これらを業務とする人たちに「包括免許」の真意が届かず、根本的な定義に関する乖離があまりにも大きく対抗できるものではありませんでした。
それに加えて、アマチュア無線家のなかに現状は実質「包括免許」だ、という論調もあり、一層この問題に対する道筋に混乱を生じさせたのかもしれません。

JARLNEWSでも紹介の通り、この度総務省は「電波有効利用の促進に関する検討会 中間とりまとめ(案)」に対する意見募集を開始しました。
これは、電波の有効利用のための諸課題や具体的方策について検討するため、「電波有効利用の促進に関する検討会」を開催し、検討会における中間とりまとめ(案)について、平成24年7月6日~31日までの間、広く意見を募集しています。

アマチュア無線に関する分野に直接関係しているものは、
「一定の範囲の周波数、出力等の免許の変更手続を簡易な手続で可能とすることを検討する」
「技術基準適合自己確認の対象範囲の拡大、および不適合機器の流通防止に関する検討をする」
「無線局の良好な受信環境の保護等」
「電波利用料の使途や金額の見直し等」
などがあげられ、JARLとしても、パブリックコメントに対して意見を提出することとしております。

これを一気に「包括免許」という議論にすり替えるのは危険ですが、この機会に重い扉であった「アマチュア無線における(業務と一線を画すものです)包括免許につながる、手続きの簡素化」をさらに促進できるよう、真剣に考え意見を提出してはいかがでしょうか!
これまでになく踏み込んだ法整備につながる入り口かも知れません。
簡素化対象の拡大はアマチュア無線制度の未来を切り拓く大きな要因だと信じます。


梅雨明け前に・・

2012年07月17日 | 日記
恒例のKANHAM2012も無事終わりました。
今年の来場者は主催者発表では7000人!
とにかくすごい熱気でした。

初日の夜はこの地域に警報が出たようですが、会場は一粒の雨も降らず大喜びでしたが翌朝の蒸し暑さは格別のものでした。
ご来場いただいた皆さま、出店にご協力いただいた皆さま、何より献身的に運営に携わってくださった仲間の皆さまの労苦に心からお礼を申し上げます。

正式な反省会はしばらく先になりますが、私にとって今年のKANHAMは特別なものでした。
その一つはJARLのかじ取りのヒントを多く学べたことです。
これはおいおいご紹介していきますが、特筆すべきは外部の多くの方々から貴重なアドバイスが得られたことです。
加えて、事実を伝える場が与えられたことです。
官報のようなJARLNEWSからの脱却は近い将来の課題ですが、わかり易い情報発信の重要性を痛切に感じた日々でもありました。

疲れ切った後の一口の冷たいビールに我を取り戻します・・・
すべてが終わった日、仲間との話題に私のblogがやり玉に上がりました。
長い文章は一度に読み切れない・・
という意見は承知していたのですが、黒字に白字は読みにくい!と一斉攻撃でした。
あんな暗い画面を作るから読む人も暗くなる・・長い文章など誰も読まない!
最後にまとめを意図して書いてもそこまで読まない!
止めは「ファイブナインキューエスエル」が長年の習慣の連中に対する心配りがない、
もっと辛辣なのは文字を読まない習慣がアマチュアだから、書いても無駄になる・・と実に怪しからん展開も飛び出す始末です。
酒飲みの戯言と無視すればいいのかもしれませんが、そこは意味不明でも大事な仲間です。

そこで、この教訓を活かして、まず色合いをもとに戻しました。
多くのテーマを散りばめずに的を絞ることにしました。
梅雨明けをまてば、きっと明日は良い天気!
ぶちのめされたこのblogの心も晴れて改めて動き出します。


軌道修正

2012年07月01日 | 日記
事実をできるだけお知らせすることを意図したこのblogですが、残念な方向にフライホイルが回りだしたようです。

日本語の読解力を満たさず、内容とまったく整合性のない無責任な書き込みが呼び水となってさらにこれらが加速する現状を招きました。
すでに許容の限界を超えた全くの悪循環に陥りました。
名乗らなければ何を言ってもいいという風潮とこれに甘えた連中の、人の尊厳を踏みにじる行為に怒りを覚えます。
これがアマチュア無線を趣味とする世界の常識なら、この文化を破壊しているのは誰かわかります!

残念ながらこれも昨今のアマチュア無線文化の側面を表していいるのだろうと、悔しいながら静観していましたが、私が傷つくのはまだしも善良な読者に大きな落胆を与えている現実に対し私自身の責任において何らかの対応を求める訴えが多く届いています。

悪意に満ちたしかも事実でない匿名の書き込みによって多くの方々に不愉快な思いををさせる事実を受け止め、そろそろ交通整理の時期ではないかと判断しました。

正しい情報発信は当然であり、今後のJARLにとって不可欠の課題ですが、この前哨戦が壊れそうで前途に不安を感じます。
この悔しさはいつか話せる日が来るとは思いますが、しばらくの間自身の存在を明らかにしない匿名の書きこみを制限します。
また、過去の書き込みに対しても一部同様な措置を施します。

私の願いはアマチュア無線の社会的地位を確保することでしたが、まったく逆の方向に進んでいることに対する軌道修正でもあります。

定時社員総会続編

2012年06月26日 | 日記
旅のお伴にしている小さなキーボードでは思うように筆が走りません。
久しぶりに自室にこもり改めて定時社員総会への思い・・続編です。

総会の翌日巣鴨事務局に出むきました。求められて行ったのではなく、きっと居るはずの会長へどうしても伝えたいことがあったからです。
話の途中、ある社員の方が会いたいと言っている!と聞いて、何で私がここに居ることを知ってるの?でしたが、それはともかくとして話を聞く機会を得ました。
話の主題は総会での2号議題(役員選任の件)の扱いについてでした。

私自身これらに関しどういう展開が待ち受けているのか疑問でしたが、現実は想像を超える厳しいものになりました。
指摘は、予想通り選挙で選ばれた理事候補を、さらに社員総会で選び直す正当性についての問いかけでした。
総会当日もこの問題点について場内からも多くの注文が出されました。
議題の一括審議を求めるものや、規定通りの個別審議を望むものが入り混じっていましたが、私が受けた議長団の印象は決して独断的なものではなく、社員への問いかけを十分に行い導いた進行であり非難されるものでなかったと思っています。

これを受けて直後から個別の採決が開始されました。
議案では私の存在はカタカナの(キ)・・
氏名の前に記号が割り当てられ、正に審判を受ける側になったという嫌な現実がありました。
その予想が的中したのか、出席社員の合意をえて審議が始まった直後の結末に一瞬ぎょっとしたのは私だけではなかったと思います。
選任理事候補(ア)の否決・・・、という現実に驚きながらも、6番目の(キ)が私ですから皆さんに好かれている自信がないこともあり正直不安感もありました。
隣の(カ)理事に「このやり方は嫌だな・・問題ありだな・・」と問いかけると私と同様な思いであることが分かりました。
前にいた今期で退任するXさんも同じことをつぶやいたので、かなりの理事も好んでいないことは確かでした。

今回この扱いについて、激しい抗議を含め多くの意見を受けています。
私自身は当初から審判の2重構造には抵抗感がありました。
現在は私なりにその背景を確かめ今は一定の認識の中にいます。
当時はこの妙な決まりがどうして存在するのか、何を想定しているのかに興味があり確認しました。
調べてみるとJARLがこの規則を制定する前段階で認定等委員会に足しげく通った記録もあり、どこが問題だったのか、またその根拠について明確に答えることができます。
私が出向いた印象でもすべては公益三法に沿った指導であり、そこにはJARL組織の特殊性についての配慮は全く存在せず、JARL組織の特殊性を補うものは一つもなかったと言えそうです。
私が常々主張するJARLの自治が優先され自由な裁量権があれば話は別かもしれませんが、社会的認知度が担保されていない現状では淡い期待でしかありません。

ご意見のなかの多くが選挙で当選した者を、わずかの社員がふるいにかけ落とすことは間違いだという声ですが、私も同様な思いがあります。
だからと言って勝手な法解釈が認められることはなく現状ではこの決め事に従わざるを得ないのが現状です。
実はこの件に関しJARLだけが問題を抱える運営をしているのではありません。
JARLほどではありませんが、現実に会員数が1万人を優に超える団体も全く同じ手続きで議事が進められています。
どこが違うのかと言えば、候補が次の段階で罷免されることが無いという常識の違いです。
JARLが珍しい組織になっているのか、これがまともなのかは憚りますが、他の団体はこの法律を尊重しながら粛々と運営しているようです。
こういえばまたお叱りにつながるかもしれませんが、指摘するならまず法律に問題ありで、我が方に問題があるとすれば、人気投票の延長上で人を判断することの是非かもしれません!

今回の経緯について、JARL側に不備があるとか非民主的だと断言することは適切ではありません。
制度の根幹をなす法律に代表社員の判断基準が示されていないのですから、社員の裁量にすべてが委ねられています。
極端な話になりますが、言いがかりであっても排除が難しい面もうかがえます。
これが問題であればこれを覆す妥当性を証明し、きちんと説明できなければ不毛の議論が際限なく繰り返されます。
事実、各省から出向している認定等委員会の専門家でも同様な思いを口に出す人もいるようですが、こと法的根拠が明確な以上感情的な対抗の要件では目的に届かないもどかしさを感じます。
この事実を認めないというならともかく、これらの背景やプロセスを指して非民主的だと断定したり攻撃の矛先をJARL向けるのは賢明な判断でないと感じます。
ましてやこれがあたかも意図的に実行されたとする主張はとんでもない言いがかりだと思っています。

私が被告席に座らされ記号で呼ばれ判決を受けるような印象を受けたのは事実ですから、この思いはどこかで修正されることを望んでいます。
何より気になるのは、結果的に恥をかくために東京にでてきたような仲間の心中を想像すると気の毒であり複雑な思いが拭いきれません。
こんな屈辱は私なら黙っていませんが、これをJARLにぶつけるのも、社員にぶつけるのも妥当ではなくこの辺りの思いがどうなのかも実に気になることです。

言いっぱなしは好きではないので、お前ならどうするのだ?と言われれば、今の思いですが・・・
そもそも、完全な法律など存在しないと思っています。
来年の秋にすべての該当法人の手続きが終わることになっています。
その時点で可能性があるのはこの法律の妥当性や不備について意見が求められ修正が期待されることです。
もしその機会が訪れれば、決して見のがさずJARLの組織を挙げて好ましくない部分の改正を強く求めたいと思っています。

しかしその前に喧嘩が好きな印象をあたえる現在のJARLの現状を何とか改善することができないものでしょうか・・・。

定時社員総会を終えて

2012年06月25日 | 日記
政治の世界なら勝利ということになるかもしれませんが、とても笑顔が出るような気持ちにはなりませんでした。
東京の朝を迎え昨日の喧騒を振り返っています。

すべてにおいて初めての定時社員総会は、私自身も細心の注意を払いながら挑んだ会議になりました。
詳細の思いは改めてお伝えしますが、この日を迎えるにあたって多くの方々にお会いし私の思いを熱くお伝えしました。
今回飛躍的に躍進したグループの複数の方々とも誠実に話す機会を頂きました。

彼らが掲げるマニフェストは、ごく当然のものばかりで手法に一部異なる点がありますがやり遂げないといけない課題ばかりでなんら問題を感じません。
しかしひとつだけ容認できない提案があったのは、今回当選した新人を会長にするということでした。
それまでは、天晴れ!!と頭を下げる気持ちを持ち合わせていましたが、この提案には異論どころか、どうしても避けてもらいたいと申し伝えました。
現在のJARLでは、地方本部や支部に全く関わったことの無い人が組織のトップになることは非常に難しい面があります。
これは如何に優秀な人物であっても超えられない課題です。

圧勝した党首が新人を総理に・・と言うのは自由ですがそれを本気で実行することは、おごり昂ぶった行為と見られ決して受け入れられるものではないと何度も伝えました。傲慢だと会員に思われれば支持を失う・・と失礼ながら伝えたのですが、世論をバックに勝利したのだから当然だ!で聞き入られずこの日を迎えました。

この間の綱引きはまるで人の心をもてあそぶ様な誘惑、猜疑心や思惑につながるものでまさに政治抗争のような状態を招き好ましい状態ではありませんでした。
ただ、人の本心がはっきり見えそれまで分からなかった内面が良く見えたと言う長所もありましたが、とても会員の目線に届かない権力闘争に一瞬陥ったことは残念でもありました。
これに加えて首都圏では大物OBと呼ばれる実に見識の無い人が水面下で画策し事実でない情報を意図的に流し混乱させた事実も残りました。

総会が終了し、最初の理事会は会長互選・・・
本来17名が座る席には、信任を受けた13名が着席し異例ずくめでこの議事が進行しました。
結果は最新情報でお伝えできると思いますが、今回の教訓で残ったおごり昂ぶったJARL運営に対する審判は当然ながら厳しいものであると言う事実です。

どこかで道を間違えてしまったJARL運営を正常な状態に戻すためにひとつひとつ取り組んでいく決意をした一日になりました。
これまで以上に建設的なご意見をお寄せください。

成熟した議論の場に!

2012年06月16日 | 日記
このblog開設の主旨は最初に明確にお伝えしています。
私へのお叱りはともかく書き込み人同士の議論は歓迎ですが、人の尊厳を損なう言葉の攻撃は謹んで頂きたい!
これは珍しく怒りを込めた警告でありお願いです。

憲法を引き合いに出すまでもなく、すべての言論が無秩序のまま保障されているわけではありません。
私たちアマチュア無線の中で大切に受け継がれてきた文化に、人を尊重する精神がありこれは絶対的なものです。
同時にすさまじい環境の変化で、原型を留めないくらい形を変えたこの趣味を未来に申し送るための数少ない課題です。

双方が繰り広げる応酬の中で気に入らない部分や人格を損なう言葉の書き込みに対しこれらを削除しないのはお前が悪い!と矛先が変わってきました。
私はこのような書き込みを歓迎しているわけでもなく喜んでいるのでもありません。

表現に躊躇しますが、ここでみられる「便所の落書き」のような内容には不快感を覚えます。
仮に公共の場でこれらの行為があった場合、文字の一部を消すだけは完全でなく、すべてを消し去る以外に方法はありません。
壁を塗り替えたり削り取ったりする方法がとられるのが一般的ですが、それより簡単なことは「便所の使用を中止」させればいいのです。
これはお役所の対応によく見られることですが、私は望んではいません。

たとえ話が適切でないかもしれませんが、出入り自由と言っても人の家に上がり込んで勝手にののしり合いを始め、喧嘩を止められないのはお前のせいだ!!!とその家の主に矛先を向けるのは実に失礼ではありませんか。
私に不適切な、(非常に残念に思っています・・)文言だけを消すことを求めるだけなら解決につながりません。
猥褻物に黒塗りをして仕事を済ませたと錯覚する連中と同列になります。
全部を消去するか書き込みを拒否するしか手段がない注文の前に、良き社会人であるアマチュア精神を思い起こしてください。

残念ながらいつの間にかこの悪しき風潮が広がってしまいました。
言いたい放題・・まったく責任を伴わない発言や誹謗中傷など、何を求めての言動でしょうか!
これらの繰り返しが段々あきらめを増幅し、健全な意見を封じこめ、真面目な議論の場さえも失わせてきたのではないでしょうか!
その結果善良なアマチュアは議論に加わらず、自嘲気味のマイナス発言がことさら目立ち変質的な集団の巣窟になるならJARLに未来はありません。
飽きもせずこの繰り返しを重ねた結果が今を招いたのだと思います。
お前は暇人だと揶揄されても、あまりにも相互通行のないJARLの中で根気よく訴え続ける意味はそれなりにあると信じています。

このblog開設当初の思いは情報不足のJARL体質から脱却したいという願いでした。
理解できないかもしれませんがこれだけでも意外と難しい面がありました。
同時にアマチュア無線がこんなレベルだということもしっかりと自認していただくことも目的の一つでした。
そもそもJARLがこのようになった原因の一つに考えられることは、JARLがどのように動いているか大半の会員に伝わらない構造を長期間維持してきたことにあります。
その中で格段に情報をもつ一部の人たちと、正確な情報に飢えていた人との乖離現象を招きました。
当然ながら無関心層という多くの人を生み出し、無言の層を上手く利用した運営が長年行われきました。

今の地方本部運営が一律でないのも情報伝達の仕組みが個々に異なる構造のためです。
今回、地方本部・支部不要論をDNAに持つグループから登場した理事の力を、トラブルを避けどう活かすかがあまり話題にならないのも本質的な議論が下手なJARLの特性を表しています。
同等の情報や価値観が全国に行きわたらない構図が意図的であったとは断定できませんが、少なくともその方が都合のよいことがあったということは否定できません。実にくだらない次元ですが、それが軋轢となってぶくぶくと吹き出きだすメタンガスのように今も噴出しているのです。

素朴な疑問をする会員に、そんなことも知らないのか!!!では、ほとんどの人が黙ってしまいます。
馬鹿な(私に対してでしょうが・・・)理事会にその程度かよ!というだけでは、解決しないではありませんか・・

最近ではこれら双方の標的が勉強不足の理事会に向けられているようですが実に悔しいながら甘んじて受けます。
この場に及んで、反論の根拠が希薄で感情的な抗弁と思われればさらに会員を納得させることができない力を生むことになってしまいます。
ご指摘の内容は的を得ていることもありそうでないことも実に多くあります。
言い訳ではなく説明には根拠を示し、どこが違うのかを明確に示さない限り期待できる評価にはならないと思っています。

次期体制がどうなるか分かりません!まずこれらの軋轢を取り除く作業から開始することが大切だと肝に銘じています。
これからはJARLを去った有能な方々に頭を下げ謙虚に助言を求めます。
会員の力を発揮できる仕組みを作り、新たな試みに果敢に挑戦したいと思っています。
少なくとも情報不足による猜疑心やフラストレーションを抱かせる運営からはお別れできると思います。
これができなければJARLの再生は叶わず取り返しのない迷路に陥ってしまいます。

次に選ばれる会長は命がけで、JARL再生に取り組む宣言を会員に伝えなければなりません。最初の仕事はここにあります。
私も及ばずながらそのお手伝いに奔走する覚悟があります。

余談かもしれませんが、今のJARLの会長選びは会員不在です。恐らく皆さんには思惑優先の理事同士の駆け引きにしか見えないはずです。
今の日本の政争のミニバンのように見えることもあります。
いっそのこと、会員が会長を直接選ぶ制度もいいのではないでしょうか・・・
また社員の中から会長を選べばもっとわかりやすい運営ができるかもしれません。

これを言うとまた波紋を広げるかもしれませんが、環境に見合った組織の在り方を考え、必要なら定款など何度見直してもいいではありませんか!
とにかく潜在的な障害を力をあわせて取り除き前に進むことです。

この結果から見えるものは、人の座敷でののしり合う場面が消え、同時にアマチュア無線の社会的認知が復活したことを意味することではないかと思っています。

QST to all station

2012年06月13日 | 日記
間もなく「定時社員総会」が開催されます。何しろ初めての会議ですから参加する社員のみなさんもどこを切り口にしたらいいのか戸惑っているようです。
支部長や評議員経験者でも過去の形と今との整合性について今一つ見えないもどかしさを抱いているのではないかと思うことがあります。
私自身今回選挙で選ばれた新しい理事候補と会う機会もなく、当日こんにちは!で済むはずもなく疑問を抱いています
とにかく初めての会議に限らず、運営の基本は新しい定款に沿ったものになるのですが、私などは定款や規定類集に必死に見入るタイプではなく、本来のアマチュア無線家として人間的な付き合いから生まれる運用が組織にどう活かされるかに興味があります。

今さら何だ!!と言われるかもしれませんが今の定款は、新しい組織になる機会に一から作られたものではありません。
いや、一から作ったことは間違いないのですが、その姿はこれまでの定款に手を加えながら公益三法の条文に合致した形に整えたものです。
このやり方が適切だったのかどうかは歴史が証明するでしょうが、完璧なものはありえず、JARLが健全な発展を遂げるならこの先何度か修正を加える場面に遭遇するはずです。

ご承知の通り、私が定款改正に関わる委員長になったきっかけは名古屋総会でJARL歴史上初めての議案否決・・最も重要な定款案が通過しなったことから始まりました。
勢いづくこれらに反対する勢力とその後協議を重ねながら現在の現在の形を承認いただいたのですが、実は私自身の思いは、この際過去の定款を捨て一から作り直すことを主張してきた立場です。
しかし皮肉にも私に与えられた現実は、棟上げが終わり内装を整えた建物をお前たちで改装しろと命じられたのと同じことでかなり困惑しました。

日本国憲法ができた経緯を読んだことがありますが、あの人数でわずか二週間あまりだったとか・・・
それに引き替え委員と職員を合わせた数人が、述べ30回近く毎回5時間程度の会議を開いたのですから、この人たちの拘束時間は1000時間を優に超えます。
日にちに換算すれば、一睡もせずに実質40日以上かけた議論になりましたが、これが一瞬に否決される事態は組織として異常なことです。
どこに問題があったのか提案者は検証し反省しなければならないことです。

私がこのblogに時おり書く「負の遺産」という言葉に違和感を持つ人もいるようですが、これに対し正の遺産という言葉はあまりなじみがありません。
このblogに多くの方が興味をもって訪れてもらえることはありがたいことで、いかなる書き込みに対しても私から負の意見を書くことはありません。
また、書き込みに対し私が勝手に削除したこともありません。しかし書き込んだ本人が不適切と自ら削除した例はありますが、それに対してもあたかも私が削除したと非難されることも度々ありました。
私から言わせればこのような現実がアマチュア無線の負の遺産現象でではないかと感じています。

JARLは長い間実に特殊な運営形態の中にいました。一見民主的に見えた運営の実態が実はそうでなかったとしたら、今こそ口を濁すのではなく自らの反省を込めてその事実を語り対応を図るべきです。
今次のキャビネットのリーダーを巡って厳しいしのぎ合いが続いているようです。
個人的には好ましく感じない面も感じますが、状況的に致し方ない力が働くのですからこれも素直に受け止めなければなりません。
ただ、次のリーダーに求められる条件は、きちんとした過去の検証と必要に応じたこれらへの対応です。
同時にこれらが見える環境を会員に示し、ビジョンを掲げ実行する姿勢です。

これまで目先のことには過敏に反応するものの、百年いや数年先の展望さえ見せなかった運営の結果が今を招いていることは間違いありません。
次元の低い闘争には目もくれず目的のために進む宣言をするのが今だと思います。

大正15年6月12日の夜、黎明期の先人たちが世界に打電したJARL設立宣言文を読み返しています。

 "We have the honor of informing that we amateurs in Japan have organized today the Japanese Amateur Radio League. QST to all station."

この電文が全世界をこだまするように伝わり、アメリカのアマチュア無線誌QSTを始め、各国のラジオ雑誌によって一般にも伝えられました。
こうして今のJARLの前身が生まれてから86年、37名の先人から学ぶまでもなく、温故知新の教えにあるように驕りなく謙虚に今を乗り越える力を確認することが6月24日の最大の意味だと思っています。

第4回理事会 6号議題

2012年06月09日 | 日記
現体制最後の理事会(第4回理事会、平成24年5月27日開催)において相当激しい議論になったことは、第6号議題「定時社員総会に上程する役員報酬の件について」です。

JARLwebで会員に報告された内容は以下のとおりとなっています。

第6号議題 定時社員総会に上程する役員報酬の件について
第3回理事会(平成24年2月開催)において継続審議扱いとした役員報酬の額については、定款第27 条第1項ただし書の「専務理事には、社員総会において定める総額の範囲内で報酬等を支給することができる。」の規定にもとづき、役員報酬額の限度を一千万円とすることが提案され、これを審議した。
提案内容の質疑では、JARLが突出しているものとは考えられないが報酬額だけ提案されても検討は難しい、社員総会で理解いただける文言を付加すべきとの指摘や金額には「以内」の文言を加えたらどうか等が提案された。表記する文言については、会長に一任することを申し合わせ、議長は第6号議案の賛否を諮ったところ、次のとおり賛成多数で原案どおり承認した。
(出席理事16 人、議長及び利害関係者を除く14 人による挙手による採決の結果)賛成 12人、反対2人

この議題は前回の理事会で、突然報酬額1100万円が提示され激しい議論の応酬がありました。
私が不快に感じ理事会で強く発言したことは、財政問題検討ワーキンググループの責任者として外部契約者と減額交渉を重ねその金額を蓄積しているさなかに、私に情報をもたらせないまま突然理事会に1100万円の支給が提案れたことです。
ここがこれまでの悪しき慣習であり、理事会に相談しなくても会長がOKと言えば問題なく通過する・・・この感覚がその後も実行されてきた現実です。
今回新法人になったこともあり法的根拠で、この金額を会員に指し示す機会が与えられたのですが、運営する頭は旧態以前のままであったことを露呈してしまいました。
何を根拠に1100万円が示されたのか・・その根拠について納得が得られる説明に及ば無かったことから、当然ながらすんなりまとまるはずもなく今日に至ったのですが、これではダメと感じその後会長を交えて得た結論が、第4回理事会に出された1000万円という額です。
じゃあ、もっと文句を言えば900万になるのか、さらに大声を出すと800万円に下がるのか・・・
この議題は当事者である専務理事には痛く居心地の悪い議論であるはずです。

私は2月の理事会以降日本の平均賃金や、業種別、職種別など独立行政法人なども対象にし同等の役職の報酬について調べてみました。
同時にあらゆる機会にこの金額の妥当性について聞き取りを行いましたが「安い!」といった者は皆無でした。
最近になって事務局からこの裏付けとなる他の団体の報酬額が示されましたが、意図するところはこの金額がちっとも高くはない!という説明の補足資料にしか見えません。
そこには重大な検討課題の欠落部分があるのですがこれには全く触れられていません。

それは、我がJARLが毎年億単位の赤字を続け保有資産を食いつぶしてきた団体であることの意識が根底から欠落していることです。
比較する他の団体に同じような形態の組織があり、それでもこの金額以上を保障しているところがあるならいざ知らず、出てくる数字だけを判断し「適正である!」と主張できる環境にないという現実です。
過去の総会の場で平成26年度までにJARL財政を赤字から脱却させると宣言した張本人が専務理事ですから、このあたりを自問自答すればさらに苦悩の中にはいるのではないかと案じます。
私なら苦しいながら「この報酬に見合った働きをしてもらう、そうでなければ辞めてもらう・・・・」といいますが、事務局がクレームの巣窟となりどんな仕事を職員がしているのか会員によく見えない現状では、数字の一人歩きはかえって危険な空論を生みます。

結論になりますが、私がお預かりする財政問題検討ワーキンググループとしては、今年も8000万円ほどの赤字を計上している以上容易に認めることができない金額だと考えています。
私が必死に交渉を続け勝ち取った金額はこの数値に及びません。
このままの状況を執行すれば、やがて取り崩し金が0になるXデーが予想できます。
こんな状況になっても、このレベルの議論から抜け出せないようでは執行部の見識が疑われます。

私はこの議題に対し修正を求める提案をいたしました。
それは、「報酬を1000万円以内とするが、年度中であっても財務執行状態に応じて減額を含めた修正を加えることだできる・・」というものです。
結果的にはこれを採用し社員総会に諮るとこが決められ、賛成票を投じました。

この際思い切った改革を実行し、職員の安定できる職場確保と、その裏付けとなる報酬に配慮した事務局作りを実行しなければJARLはやがて滅びゆく団体になりかねません。
新しいリーダーに期待する会員の思いはこの辺りにあると思います。

23年度事業報告 №9東日本大震災顛末

2012年06月08日 | 日記
2012年3月11日、このblogに東日本大震災支援無線機について語りました。

現体制最後の理事会において議題の一つになった平成23年度の事業報告案が承認されました。
来たるべき6月24日の定時社員総会でも同じ書面が提示されます。
その中の9項として、東日本大震災への対応および非常災害時への体制整備の報告があります。
その(1)がメーカー等から支援を受けたハンディトランシーバーなどの活用に関する報告ですが、一番気になっていた機器類の具体的な活用方法やその配布先などがどのように管理されているのか触れられていません。

年初めの理事会でも同じ確認したのですが、その時点ではまだ活動期間中とのことで詳細の報告に至りませんでした。
17年前の阪神淡路大震災ではJAIA等から預かった330台に加えその後も提供を受けた多くの機器類は 、物理的に回収できなかったもの以外はすべてJARL本部に返却し、その後中国雲南省地震災害時などの支援物資として役立ったようです。これら膨大な記録は当然ながら報告済です。

今回この活動が3月31日をもって終了したこともあって再度状況を確認したところ、次のような報告がありました。
メーカーから提供された機器は247台、その内回収されたものは54台、残りの172台は未確認・・つまり行方不明という報告でした。
担当理事の説明は、まだ余震などの恐れもあり継続的に運用を図らねばならない状況で最終的な機器の返還には至っていいないということでしたが、この説明は実にまとをはずした曖昧な言い逃れです。
なぜなら、これらの無線機に与えられた一連のコールサインによる免許期間は終了しており、継続的に使えない環境にあるからです。
すでにこれら説明の根拠はなく、これからは無免許で使うという宣言をしたことになります。
私が確認したかったことは、どういう人や施設に配布し、どのような使われ方をしたのかを口頭でもいいから聞きたかったのです。
それを聞いてから回収にどのような手段を講じているのか、どこが問題となっているのかでしたが、どうやらどこに配ったのかわからないのではないかと想像できます。
ここに至る前に、法に触れる行為を助長する発言がでたり、核心をそらす説明は納得いくものではありません。
現に他の理事からそのような解釈で運用するなら電波法に違反しますよ!という発言がありました。

阪神淡路大震災時の時も、意図的に無線機を取り込んで返却に応じなかった哀しい仲間がでました。何度かスタッフが家まで訪ねましたが居留守を使い、とうとう最後まで返却に応じなかったものです。
その数10数台・・・これらは明らかに犯罪行為ともいえますが、正常な使い方であっても回収不能な機器も当然発生しました。
しかしその数はあらゆる条件を加えても30台程度で、結果的には実質500台程度提供を受けた比率からすれば少ない数であったと思います。

ところが、今回の東日本大震災では247台の無線機のうち172台が実質行方不明です。
実に7割が返却不能ということになれば今後の善意の支援体制が損なわれます。
メーカーから提供されたということは貰ったと考えるのかもしれませんが、受け取った側は被災地の復興の一助として有効に使う義務があります。
その誠実な義務の履行が次代へ申し送られ、その結果があらゆる支援体制の基盤になると思います。
善意の救援物資が、曖昧な配布によりその大半が行方不明になるなど組織として恥ずべきことです。

私も今回これらの機器がJARLに届いた時、搬入と電池詰めを手伝った一人です。
目的が終わった無線機器ですから速やかにすべてを回収し、やがて起こるべき災害に備える体制を整えるべきだと強く訴えます。

この実例をみてもまだまだ未熟で曖昧な姿勢がJARLに存在することがわかりあまりにも多い問題整理がこの先続くことと思います。
一番懸念することはこれらの機器が、ネットオークションや市場に出ることがあれば、ただでは済まない新たな問題を起こすことになるでしょう。